人によっては、非常に曖昧な意味合いとして感じられるために、そのような会話の工夫が必要になります。
使う場合に注意する事は?
”恐れ多い”という言葉は、使うときに注意しなければならない言葉でもあるのです。
言葉一つでそれまでの信頼関係を失うようなことにならないように、ぜひとも「恐れ多い」の使い方には気をつけていきましょう。
しかし、どのようなことに気をつければいいのか分からないですよね。
そのような方のために、ここでは「恐れ多い」という言葉を使う際にどこに気をつければいいのかをお伝えしています。
目上の人や身分が高い人以外に使うと間違った取られ方をする可能性がある
「恐れ多い」という言葉は、目上の人や自分よりも身分の高い人に使用するとのことでしたね。
しかし、「恐れ多い」という言葉をよく使っていると、知らぬ間に自分と同じ立場だったり、同じレベル、そして自分よりも身分の低い人に使ってしまうこともあるかもしれません。
そうなると、本来の「ありがたい気持ちと申し訳ない気持ち」を伝えることで意味を間違って、相手にとられてしまうことがあるんです。
相手によっては茶化しているように聞こえることもある
「この人は嬉しくもないし、本当はめんどうな気持ちをその言葉でごまかしているのかもしれない」「本当の気持ちを茶化しているのかもしれない」なんて思われてしまうかもしれません。
相手は、あなたと同等もしくはあなたよりも下の身分であることを一番に自覚しているはず。
それなのに、目上の人に使うような言葉を使われたら、いい気持ちにはならないですよね。
皮肉に聞こえてしまう可能性もあります。
そのような気持ちにさせてしまうので、「恐れ多い」という言葉を使う相手には気をつけるようにしましょう。
恐れ多いの類語
恐れ多いの類語には「もったいないお言葉」、「身にあまる」、「痛み入ります」、「ありがたい」、「かたじけない」などがあります。
厳密に言えば、これらの言葉と恐れ多いという言葉の意味はまったくもって別物です。
似ているニュアンスもありますが、まったく別のニュアンスの意味を持っていることもあります。
そのため、恐れ多いとの違いを確認していきましょう。
もったいないお言葉
誰かから褒められたとき、謙遜する言葉として「もったいないお言葉です」と使います。
この場合、かなり自分をへりくだって相手にみせるために使う言葉になります。
そのため、「恐れ多い」という言葉と同じ意味を持っていますね。
どのような意味が同じなのかといいますと、「自分がこんな言葉をもらえるなんてもったいない」「こんな言葉をもらうことができて相手にとって失礼なのではないか」というところです。
身にあまる
「身に余る」という言葉も「恐れ多い」と同じく、相手からしてもらったことにたいして自分の身分だけではもったいない、自分のレベルよりも上のもので自分なんかは匹敵していない・・・という意味合いでは、同じ意味になります。
しかし、「身に余る」には、そのような自分をへりくだってみせる言葉の意味以外にも意味を持っています。
それは、誰かからもらった仕事や言葉などが自分のなかでは”重荷”になってしまっていることを表現するときに使われるということです。
あなたは、誰かに「君はもっとできるのに」とか「君ってすごいね」なんていわれて、嬉しいという気持ちよりは「もっと頑張らなきゃいけないのか」とか「自分ってもっとできない人なのに出来る人に見られていて苦しい」なんて感じたことはないでしょうか。
ほとんどの場合、そのような状況では自分への評価が低すぎるだけですが、それでも周りからされたことに対して嬉しさよりもプレッシャーが大きくなってしまいます。
そのような「自分には重荷すぎる」「重すぎる」というときに、「身に余る」という言葉を使います。
「恐れ多い」には、そのような重荷に感じる意味合いはありません。
痛み入ります
次にご紹介するのは「痛み入ります」というもの。
一昔前ではあまり使われることのなかった言葉ですが、現代ではビジネスシーンにおいて、またプライベート面でも多く使われるようになってきました。
この「痛み入ります」という言葉は、自分よりも目上の人に対してお礼を伝えるとき、厚意を受けたときに相手に自分の感謝の気持ちを伝える際に使われる言葉です。
特に、ビジネス面では、誰かにフォローしてもらうことでピンチを切り抜けることが出来るものですよね。
そんなとき、「ああ、あの人のフォローがあったから今の自分がいるんだな」と、心から「ありがとう」の気持ちでいっぱいになるのではないでしょうか。