漢字で書くと「虚仮」ですが、日常的に漢字で表現されることはほとんどありません。
大抵はカタカナで「コケ」と使うことが多いです。
相手をバカにすることですので、自分よりも下に見ている相手や、たいしたことがない人間だと思っている相手に対してコケにするような態度を取ることが多いです。
「顔に泥を塗る」よりも比較的使われる機会の多い言葉ですが、「顔に泥を塗る」行為がわざとではない場合もあるのに対して、誰かをコケにする場合は完全に相手に対する悪意や敵意の感情から行動に移していることが多いです。
無自覚でコケにするということはまずないでしょう。
「顔に泥を塗る」の基本的な使い方
「顔に泥を塗る」という言葉が、人に恥をかかせたり、面目をつぶしたりすることであるということはこれまでにご紹介してきました。
意味さえきちんと理解出来れば、後は使い方を間違えないように意識すれば問題なく言葉の表現として使いこなせるようになるでしょう。
以下に「顔に泥を塗る」の基本的な使い方をご紹介していきます。
自分が使う場合はもちろん、誰かが口にした時などにも、どのような意図をもって使われているのかということを意識するようにしましょう。
親の顔に泥を塗ってしまった
両親の自分に対する思いやりの気持ちを台無しにしてしまったり、公衆の面前で親に恥をかかせてしまったりした時などに「親の顔に泥を塗ってしまった」と使うことがあります。
例えば親があなたのことを立派な子どもだと親戚に話していたのに、親戚の前で肝心のあなた自身が酒を飲んで暴れたり暴言を吐いたりと、酷い醜態を見せてしまった時には、あなた自身の行動が親の顔に泥を塗ってしまったことになるでしょう。
また、例えば両親がお膳立てしてくれたお見合いの席をドタキャンしたり、見合い相手を相手の両親もいる前で貶したりと失礼な態度を取ってしまった時にも、親の顔に泥を塗ってしまうことになります。
両親が子どものことを心底大切に思っていて、思いやりの気持ちからしてくれたことを台無しにしてしまった時には、子どもも少なからず「親の顔に泥を塗ってしまった」と後悔することでしょう。
しかし一方で、親が自分勝手に家柄や親の面子を保つために子どもに何かを強制してきたのなら、それに反抗する気持ちから、あえて親の顔に泥を塗る場合はあります。
親の顔に泥を塗るというのは、本来ならばやってはいけない恥ずべき行動です。
しかし子どもが親によってがんじがらめに縛られているというのなら、そんな親の目を覚まさせるために、あえて親の顔に泥を塗ることはあるのかもしれませんね。
裏切られて、顔に泥を塗られたような気分だ
もしも自分が心底信頼していた人物に裏切られたとしたら、それは相当なショックでしょう。
しかも、単に自分の気持ちを裏切っただけでなく、自分に恥をかかせるような真似をしたのなら、裏切られた上に顔に泥まで塗られて、気分は最悪なことでしょう。
例えば「恋人が出来ない」と悩んでいた同性の友人の相談に、親身になって乗っていたとします。
しかしそんな時に、その人が自分の恋人にちょっかいを出し、結果的に自分の恋人を掠め取られたとしたら、それほど酷い裏切りはないでしょう。
友人と恋人の2人に同時に裏切られ、またそのことで周囲から「恋人を取られた人」とレッテルを貼られてしまい、まさに顔に泥を塗りたくられたような気分になることでしょう。
顔に泥を塗るというのは、塗られた側の気持ちは心底最低なものです。
あらゆる屈辱や怒り、悲しみや苦痛などの感情が一気に押し寄せてきますので、その恨みも根深いものになりやすいでしょう。
主人の顔に泥を塗るわけにはいかない
例えば夫の会社の集まりに、妻である自分も呼ばれたとします。
夫が会社でどんな立場にいるとしても、妻である自分はしっかりとした振舞いをしなければ、夫の顔に泥を塗ってしまうことになるでしょう。
例えば夫が役職者の場合、役職持ちの妻らしい振舞いをすることが求められます。
着るものもある程度上等なものでなければならず、一般常識や教養はあって当たり前だと周囲も思っているため、それに相応しい振る舞いをしなければなりません。
例え実際には普段は家でジャージ姿をし、だらけて過ごしているとしても、そのような場では夫の顔を立てなければならないため、夫の顔に泥を塗り、会社での立場を悪くさせないためにも、妻は気を配り、振る舞いにも細心の注意を払うことでしょう。
また、例え役職者でなくとも、家庭を持つ妻である以上は、家事や育児はきちんと出来ているという周囲からの認識が強いため、当然そのように振舞う必要が出てきます。
家に会社の同僚を呼ぶとなれば、苦手な料理も頑張って振舞わなければなりませんし、家の中もきれいに掃除しておかなければならないでしょう。
出来た妻ほど、「主人の顔に泥を塗るわけにはいかない」と、一生懸命に頑張るものです。
上司の顔に泥を塗ってしまった時の6個の対処法
「顔に泥を塗る」行為は、極力されたくない行為であり、また出来るだけ自分もしないように努めなければなりません。
けれども、人によってはこちらのどんな行為が「自分の顔に泥を塗られた」と相手に思わせるのかは分からないため、気をつけていても、うっかりどこかで相手の顔に泥塗ってしまうかもしれません。
避けようのない事故であればまだ仕方がないと諦めが付きますが、明らかに「これをしたらマズイ」という行動を取ってしまった場合には、悔やんでも悔やみきれないでしょう。
うっかり相手の顔に泥を塗ってしまっただけでも事態は深刻ですが、もしもそれが会社の上司ともなれば、さらに最悪な状態になってしまうかもしれません。