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「俄然」とは?「断然」との違いや正...(続き2)

子ども相手には難しく、意味が通じないことがありますが、大人相手の場合には、大抵は意味が通じることでしょう。

とはいえ、「にわかに」の意味をよく知らない人は、言葉の響きから「なんとなく」という意味で認識している人もいるかもしれません。

その場合、「にわかに雨が降り始めた」という文章を、「なんとなく雨が降り始めた」と間違った意味で捉えてしまうことになりますので、きちんと本来の意味を知っておくべきでしょう。

「にわかに」の意味をしっかりと分かっている人であれば、「俄然」という言葉を使われるよりも、「にわかに」という言葉を使われた方が、その意味をはき違えることがないため、「にわかに」を使ってもらった方が、都合が良いという考えの人もいるかもしれませんね。

また、「俄然」という言葉の場合には、なんとなく言葉の響きに強調性を感じることがありますが、「にわかに」という言葉を使った時には繊細で柔らかい言葉の印象になるため、人によっては好んで「にわかに」という言葉を使うこともあります。

急に

「急に」は、「前触れもなく物事が起こるさま」や「変化が突然なさま」「差し迫っているさまや急なさま」などの意味があります。

突然何かが起こることや、変化が急激という意味は「俄然」と同じですので、誰にでも分かりやすく「急に」という類義語を用いる人は多いです。

例えば「俄然調子が出てきた」という文章であれば「急に調子が出てきた」と言い換えることができますし、また例えば「俄然嵐が迫ってきた」という文章の場合には、「急に嵐が迫ってきた」と言い換えることができるでしょう。

文章や言葉の調子によっては、「俄然」よりも「急に」と用いた方がしっくりくることも多いため、言葉や文章に合わせてその都度類義語と使い分けるといいでしょう。

突然

「突然」は、「予想外の物事が前触れもなく起こるさま」です。

「いきなり」や「突如」と表現することも多く、何の前触れもなく何かが起こった時には、「突然〇〇が起きた」と使うことがあります。

例えばさっきまで誰もいなかった場所に、前触れもなく誰かが現れた時には「突然その場所に人が現れた」と表現しますし、また例えばさっきまでは風が凪いでいたのに、何の前触れもなく強風が吹いた時には「突然強風に煽られた」と表現することがあります。

「にわかに」や「俄然」では言葉の意味がいまいちピンとこない人でも、「突然」と言えば直ぐにその意味が理解できることでしょう。

例えば大勢の前でスピーチをするような時には、誰にでも分かりやすい言葉を選んで使う必要があるため、「急に」や「突然」を用いた方がいいでしょう。

断然とは

断然とは何か説明している
「断然」とは、「態度がきっぱりとしているさま」や「最後まで押し切って物事をやり遂げるさま」「きっぱりと心を決めるさま」「決して・絶対に」「ずばぬけて・なみはずれて」などの意味があります。

例えば赤色の服と青色の服があった場合に、絶対に青色の服の方が良いと思えば「断然青色の服の方がいい」と言いますし、また例えばAとBのプロ野球チームがあった場合に、Aのチームの方が良いと思ったら、「自分は断然Aチームの方がいい」と表現することもあるでしょう。

「断然」という言葉には、ゆるぎない強い意思が込められていますので、それだけはっきりとした主張がある際に用いられることが多いです。

また、これらの意味からも分かるように、一見似ているように思える「俄然」と「断然」では、意味がまったく違っています。

そのため意味をよく知らずに似たような使い方をしてしまうと、言葉として意味が成り立っていなかったり、誤解が生じてしまったりすることがありますので、誤解を防ぐためにもきちんと意味の違いを理解しておきましょう。

「断然」の類義語は?

「断然」には、いくつかの意味があります。

「絶対に」という強い意思を表すこともあれば、「はっきりと自分の意志が決まっている」ことを示す場合にも用いられています。

「断然」は日常的に使われる言葉ですので、言葉の意味をちゃんと理解している人も多いですが、場合によっては類語を使った方がその意味をより強調できることもあります。

また「俄然」同様に、子ども相手やさまざまな年齢層が集まる場所では、断然よりも分かりやすい言葉を使った方が良い場合もあります。

では、「断然」にはどのような類義語があるのでしょうか?場合によって使い分けをすることができるように、以下の類義語を知っておきましょう。

決定的に

「決定的」とは、「物事がほとんど決まっていて、動かし難いさま」をいいます。

決断までに余地がある場合や、まだ変更が利く場合にはこの言葉を使うことがありません。

よほどのことがない限りは、もう変更することはないといった確定の状態を示す際に、「決定的だ」などと使うことがあります。

「決定的」という言葉自体は日常でも使われる頻度が高いため、ほとんどの人はその言葉の意味もきちんと理解していることでしょう。

また、「断然」という言葉の場合には、その響きから個人的な考えや意見を思わせることが多いため、主観的な使い方をされることが多いです。

一方の「決定的」は、大勢の人の相違や客観的な考えからの結論で使われることも多いため、個人的な意見としてではない場合には、「断然」よりも「決定的」の方が使われることが多いです。

確固たる決意

「確固」は「しっかりしていて容易に動かされないさま」という意味です。

また「決意」は「重大なことについて、とるべき行動や態度をはっきり決めることや、それを決めた気持ち」という意味ですので、「確固たる決意」とは、「ある事柄や物事に対して、こうすると決意したこと」を意味する言葉です。

例えば「夫の暴力の被害に遭っていた妻が、離婚する確固たる決意をした」や、「夢を叶える第一歩として、家を出る確固たる決意をした」などのように、自分がこうと決めたことを示す際には「確固たる決意」と使うことがあります。

「確固たる決意」は、一般的な決意や決定よりも、より意志の強さを感じさせる言葉ですので、そこまで頻繁に使われることはないでしょう。