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「俄然」とは?「断然」との違いや正しい使い方を解説

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「俄然やる気が出てきた」や「断然こちらの方が良い」など、自分の中の心情の変化や意思を強調したい時に、このように言葉の前に「俄然」「断然」と付け足して使うことがあります。

日常会話の中でも使われる頻度は少なくないため、誰かが口にしているのを聞く機会もあれば、自分で「俄然」や「断然」と使うこともあるでしょう。

しかし、この2つの言葉の意味の違いについて、実は詳しく知らないという人もいます。

それぞれの意味の違いをきちんと理解していなければ、間違った使い方をしてしまい、人から指摘されて恥をかいてしまうことがあるでしょう。

社会人であれば当たり前に知っておきたい「俄然」と「断然」の意味や使い方をご紹介します。

この記事の目次

俄然と断然の違い、分かりますか?

あなたは「俄然」と「断然」の違いが何なのか分かりますか?

「然」という漢字が同じくついていることや、言葉の響きが似ていることから、この2つの言葉は意味が同じだと思っている人も少なくはないでしょう。

しかし辞書を引けばそれぞれの言葉の意味が違っていることが理解できるはずです。

そしてまた、意味が違えば当然使うタイミングや使い方も違ってきます。

学生の頃に「俄然」や「断然」という言葉を授業でやった人もいるかもしれませんが、大人になるにつれて、意味が混同してきたり、使う頻度の少なさから意味を忘れてしまったりすることもあるでしょう。

そして曖昧な状態のままで言葉を使っていたら、ある日上司や同僚、友人などに「使い方間違ってるよ」と指摘されてしまうことがあるかもしれません。

言葉の間違いは、大人になってから指摘されるとかなり恥ずかしい思いをすることになるでしょう。

もし年下や自分の部下に指摘されようものなら、恥ずかし過ぎて誤用を認めることができなかったり、理不尽に逆切れを起こしてしまったりするかもしれません。

それこそ大人げない行動ですので、恥をかかないためにも改めて「俄然」と「断然」の違いについて、しっかりと理解を深めておきましょう。

「依然」もあるけれど少し意味が違う

「俄然」や「断然」の他にも、「依然」という言葉もあります。

「依然」も前の2つと言葉の響きが似ており、また使われている漢字も近いため、こちらも意味を混同してしまう人もいるかもしれません。

しかし、「依然」も意味がまったく違っています。

辞書によれば、「依然」とは「もとのままであるさま」や「前と変わらないさま」という意味があります。

よく「依然として」という言葉が使われることがありますが、これが例えば「依然として静かな様子である」という文章であれば、その意味は「前と変わらずに静かな様子である」となります。

「依然として〇〇だ」という使い方をする時には、「〇〇」を指すものが前と少しも変わらない状態であるということを表わしています。

小説などでは、そのものの状態を示す描写の際に使われることが多く、とくに様子が変わっていないということを読者に強調したい時にも多く使われています。

人によっては、「俄然」や「断然」よりも、使ったり目にしたりする頻度が高いかもしれませんね。

俄然とは

俄然とは何か説明している
「俄然」とは、「にわかなさま」や「突然ある状態が生じるさま」「急に状況が変わるさま」などの意味があります。

私たちが日常的に使うのは、急に状態や状況が変わるという意味での「俄然」でしょう。

「俄然やる気が出てきた」や「俄然忙しくなってきた」などのように、何もない状態からあることをきっかけにして、急にやる気が出たり忙しくなったりする際に使われる言葉です。

また、同じように「俄然やる気が出てきた」と使っても、実際の意味としては「にわかにやる気が出てきた」という場合もあります。

こちらの意味はあまり日常的に使われることはなく、小説やコラムの中で「にわかに」の意味として「俄然」が使われることはあります。

しかし、「俄然」の意味をきちんと理解していない人が読むと、「俄然やる気が出てきた」は「急にやる気が出てきた」という意味だと判断することでしょう。

その意味としても通じる場合もありますが、前後の文章から作者の意図を読み取って、「急に」ではなく「にわかに」の意味として文章を読み解くことができれば、文章を通して作者の言いたいことがより正確に理解できるでしょう。

「俄然」の類義語は?

急に状況や状態が変わる際には、「俄然〇〇になった」などと表現することが多いですが、場合によっては「俄然」という言葉を使わないこともあります。

例えば子ども相手に話しかける時には、「俄然」と言っても意味が通じませんし、またどんな意味かと説明したところで、まだ幼いためいまいち意味を理解するのは難しいでしょう。

そこで、子ども相手に話す時には、同じような意味の、別の言葉を使うことがあります。

また、年齢層がさまざまな人が集まる場所でスピーチをする時にも、どんな年齢層の人たちにも言葉の意味が通じるように、分かりやすい言葉を選択する必要があるでしょう。

さらには、知っておけばいつでも俄然の類義語を使いこなすことができますので、俄然の類義語にはどのようなものがあるのかを確認しておきましょう。

にわかに

「俄然」の意味でもある「にわかに」とは、急に物事が起こるという意味の言葉です。