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「俄然」とは?「断然」との違いや正...(続き3)

自分の人生において、とても重大なことを決める際などには使われることが多いです。

かなりの差で

「断然」の類義語には、「かなりの差で」という言葉もあります。

そもそも「断然」が、他とは比べ物にならないほどに強い、または大きいといった意味合いがありますので、「他と比べてとても差がある」というところから、「かなりの差で」という類義語が使われるようになりました。

「断然」や「決定的」よりも、「かなりの差で」というシンプルな言葉を使った方が、周りの人にも分かりやすい場合がありますので、相手や場面によっては「断然」ではなく、「かなりの差で」という言葉を使った方がいいこともあるでしょう。

また、「断然」は使う人によっては、なんとなく嫌味な言い方に聞こえてしまうこともあります。

例えばクラス対抗で1組と2組が競争し、大きく差をつけて2組が勝った場合に、「断然2組の方が強かった」と言えば、少なくとも1組にとっては嫌味に聞こえてしまうことがあるかもしれません。

しかし、同じ意味でも「かなりの差で2組が勝った」と言えば、まだそこまで嫌味には聞こえないことでしょう。

このように、微妙なニュアンスによっても使い分けることがあります。

俄然と断然、正しい使い方の例文を見てみよう

「俄然」と「断然」の意味をきちんと理解できていれば、間違って使ってしまうことはそうはないでしょう。

とはいえ、どんなシチュエーションの時にどちらの言葉を使えば良いのかを、いまいち判断がつかない人もいるかもしれません。

とくにこれまで「俄然」と「断然」の意味を誤解していた人や、間違った使い方をしていた人では、いきなり正しい使い方をしようとしても、なかなか上手くいかないという人もいるでしょう。

そこで、どのような場面でどちらの言葉を使い分ければ良いのか、以下に例文でご紹介していきます。

いまいち使い分けができないという人は参考にしてみてください。

「AとBなら断然Aを選ぶ」

例えばAとBの2つから、どちらかを選ぶことになったとします。

普通なら「Aの方がいいな」「Bの方が良いかもしれない」などと意見を言いますが、「自分は絶対にAの方がいい!」という強い気持ちがある場合には、「断然Aの方がいい」と言うことがあります。

「断然」と使うことで、それだけAの方がBよりもいいのだという強い意思を他人に示すことになりますので、絶対に自分の意志を曲げたくないという時には「断然」という言葉を使って強調することができます。

一方で、類義語の「決定的」や「確固たる決意」「かなりの差で」などはこの場合には適さないでしょう。

「決定的にAの方がいい」や「確固たる決意をもってAの方がいい」「かなりの差でAの方がいい」など、類義語を用いると言葉に違和感が生じてしまいますので、例文の場合には「断然」という言葉を選択するようにします。

「俄然」では意味が合わなくなってしまう

AとBのどちらかを選ぶというシチュエーションの場合に、「俄然」という言葉を用いると言葉の意味が合わなくなってしまいます。

「俄然」は「急に状態や状況が変化する」という意味ですので、もしも「俄然Aの方がいい」と誤った使い方をしてしまうと、「急にAの方がいいと思う」といったように、意味不明な言葉になってしまいます。

「俄然」と「断然」の意味の違いをちゃんと分かっていない人は、このように誤用してしまうことがあるため、後になってから間違いに気づくと恥ずかしい思いをしてしまうでしょう。

「俄然」では意味が合わないシチュエーションもありますので、きちんと意味を理解して正しく使い分けるように気を付けましょう。

「俄然状況が転じた」

突如として状況に動きがあった場合に、「俄然状況が転じた」という使い方をすることがあります。

例えば今までは勝負で劣勢だったのが、あることをきっかけにして一気に優勢に転じた時や、前触れもなく突然何事かが起こった場合などに、「俄然優勢に転じた」や「俄然〇〇が起こった」などと表現することがあります。

場合によっては「俄然」ではなく、「急に」や「突然」などの類義語を用いることもありますので、この例文の場合にも、「突然状況が転じた」や「急に状況が変わった」などと使うことができるでしょう。

さらには「にわかに状況が転じた」と表現することもできますが、より分かりやすく状況や状態を伝える際には、「俄然」「急に」などの言葉を用いた方がいいでしょう。

「断然」でも通らないわけではないが…

状況が転じることに対して、場合によっては「断然」という言葉を使うこともあるかもしれません。

その際の意味としては、「はっきりと状況が転じた」や「決定的に状況が転じた」となり、「断然」を使っても何となくはその意味が通じます。

しかし、例文では物事の状況が転じた、すなわち変化があったことを言っているわけですので、状態や状況を表わす言葉である「俄然」の方が、使い方としてはより正確です。

もし「断然」を使うのであれば、「断然状況は好転した」や「断然これまでの状況よりはましになった」などのように、多少文章を変えて使った方が意味も分かりやすく、誤用とは思われないでしょう。

文章によっては、「俄然」と「断然」のどちらを使えばいいのか曖昧だったり、どちらでも使えそうなものだったりすることもあります。

その場合には前後の文章からより適した言葉を選択するようにしましょう。

「俄然立ち上がる」
「俄然立ち上がる」とは、いきなり立ち上がることです。