時々どちらか一方は相手を愛しているものの、もう一方はそこまで愛していないということがあります。
それが最初からなのか、それとも片方に気持ちの変化があったのかはカップルによってそれぞれですが、片方からしか向かわなくなった時点で、その愛の概念は酷く脆いものになってしまうでしょう。
何せどんなに愛したところで相手にはその想いが届くことはないのです。
それはつまり、それ以上愛を育むことはできないということです。
愛は時間をかけて2人で育てれば、それだけ強く深い絆を結ぶことができます。
しかし一方的な想いや恋では、そこまで気持ちを育てることはできません。
そのため基本的には1人でも成立するのが恋、2人で成立するのが愛だとされています。
条件を重視しているかどうか
あなたは今好きな人、もしくは付き合っている人を、どのような理由で好きになりましたか?
顔が良いから、スタイルが良いから、性格が良いからなど、人によってさまざまな理由があるでしょう。
人を好きになるきっかけは十人十色ですし、好きになったきっかけが例えどんなに不純な動機や適当な理由であっても、それがいずれ愛に変わるのであれば、理由などたいした問題にもならないでしょう。
しかし、人を好きになること自体に条件を課しているような人の場合、惚れた腫れたで相手を好きになるのとはまた少し感覚が違いますので、その恋が愛に変わるのは難しい場合があります。
例えば付き合う相手に高収入を求めている人の場合、相手の収入が安定している間は交際も順調ですが、もしも相手が仕事をクビになったり、転職して収入が減少したりしたなら、相手への気持ちが冷めてきてしまうでしょう。
恋人や結婚相手への条件を重視してしまっている人は、いってもせいぜい恋愛止まりで、どんな相手でも受け入れられるような愛には至らないことが多いです。
自分が中心か相手が中心か
恋とは基本的に自分が中心であり、愛とは相手が中心です。
どんなに相手に尽くすタイプの人であっても、自分が気持ちを捧げて尽くした分だけ、内心では相手にも同じように想ってもらいたいと思うものです。
それ自体は何もおかしなことではありませんが、根底に自分に対して相手に何か求める気持ちがある内は、愛ではなく恋であることが多いです。
一方で、相手にとくに見返りを求める気持ちはなくても相手のために尽くそうとしたり、相手の気持ちや都合を当たり前のように優先して考えたり行動したりできるのが愛です。
恋「自分を幸せにしてほしい」・愛「相手を幸せにしたい」
恋も愛も、相手のことを大事に思う気持ちには変わりありません。
その上で、恋とは「自分を幸せにしてほしい」という気持ちが強く、また愛は「相手を幸せにしたい」という気持ちが強いです。
例えば女性の場合、自分よりも力や経済的な面で強い男性に守って欲しいと思ったり、幸せにしてほしいと思ったりすることがあるでしょう。
しかしただ自分が一方的に「幸せにしてほしい」と望むだけで、自分も同じくらいに相手を「幸せにしたい」と思われなければ、それは愛ではなく、恋止まりの感情や、自己愛が強いだけでしょう。
男性に幸せにしてもらいながらも、同時に自分も相手のことを幸せにしたいと思い行動するのが愛です。
それは男性から女性への気持ちでも同じことが言えるでしょう。
気持ちが安定しているか
恋をしている時は、気持ちがいつもドキドキしたり、ワクワクしたり、ハラハラしたりします。
恋人が他の異性と仲良くしている姿を見たら胸がモヤモヤして嫌な気持ちになりますし、離れている間は心配事も増えます。
どんなに浮気の心配のない相手であっても、喧嘩をすればそれが原因で相手を嫌いになってしまうこともありますし、相手の欠点を許せなければ、気持ちが冷めてしまうこともあるでしょう。
恋とはそれだけ感情の起伏が激しいものでもあり、気持ちが不安定なものでもあります。
一方で愛は、恋のように感情が激しく揺れ動くことがありません。
一喜一憂、さまざまなトラブルや経験を経た上で愛とは芽生えるものですので、荒れ狂う嵐のような時期はとうに通り越してしまっています。
そのため愛は基本的に気持ちが安らかで、離れている間も安心して相手のことを信じていることができます。
恋を経験する間に互いの考えや価値観なども理解し合っていますので、少しくらい喧嘩したところで仲直りの方法も心得ていますし、付き合いの年数が長いほど、阿吽の呼吸や暗黙の了解で互いの気持ちが理解できるでしょう。
信頼しあっているか
恋をしている内は、どんなに相手のことを信じたいと思っても、ふとしたことで疑う気持ちが生まれてしまいます。
恋人が他の異性がいる飲み会に参加したり、遊びに行ったりすると、どんなに恋人を信用したくても、どうしても不安な気持ちが生まれてしまいますよね。
自分に自信がない人は、ちょっと自分よりも容姿や性格が優れた同性が現れると、恋人の気持ちがそちらに移ってしまわないかと心配になってしまうでしょう。
恋をしている間は、どうあっても互いを心底から信頼し合うのは難しいです。