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「兆候」とは?意味や使い方、「徴候...(続き5)

漢字の違いから考えてみると

まず初めに、兆候という言葉の使われている漢字に着目して考えてみましょう。

兆候という言葉に使われている漢字である兆という字には、もともと占いという言葉の意味が含まれています。

知らないという方も非常に多いかもしれませんが、兆候の兆の字には占いを意味するひびの印が意味として込められています。

というのも、昔は占いなどを行ったりする際には今と違って亀の甲であったり獣の骨などを使って占いを行っていました。

もっと具体的な方法としては、亀の甲や獣の骨などを火で熱し、そこからひび割れていく様子などを占いの印として用いていました。

そのひびこそが兆という字に表れており、兆という字には占いを意味するひびを反映させているということです。

実際に、兆という字について考えたみると、吉兆や凶兆、予兆などの言葉に兆という字は用いられています。

これらの言葉はよい兆しであったり、悪い兆しなどを意味しており、占いにおける前触れなどを意味している言葉でもあります。

つまり、兆候という漢字の兆は占いに出た印という根本的な意味を持っている言葉だということです。

また、さらに細かく漢字について考えてみると、徴候という言葉に使われている徴にも実は意味があります。

徴という漢字には実は王様が隠れている人材を見つけるという意味が隠されています。

もともと徴という言葉は物事の気配を表面に浮かび上がらせる、物事の起こりを予想させるという意味があります。

このことから、気配を感じ取る、という意味を込めて物事の起こりを表すしるし、証拠となるしるしという根本的な意味が含まれています。

なので、両者の言葉を比較して考えてみると、表面上の意味は同じでも、細かい根本的な意味は違いがあるということになるのです。

兆候と徴候の使い分けはどうしたらいい?

兆候という言葉の意味には「占いに出た印」という意味があり、徴候という言葉には「証拠となる印」という意味があるとお伝えしました。

表面上の意味は同じでも、根本的な意味の違いがあるということになりますが、ここで疑問に感じるのが使い分けの問題です。

いくら根本的な部分に意味の違いがあったとして、表面上の意味が同じなのであればどのように使い分ければいいのかわからないと感じる方も多いはずです。

そこで、兆候と徴候の使い分けについても簡単に触れていきたいと思います。

まず、大前提として意味自体は両者それぞれ同じ意味になるので、使い分けを行う必要性はあまりありません。

基本的にどちらの言葉を使っても同じ意味として解釈することができますので、無理に使い分けて文書に組み込む必要性はないのです。

しかしながら、一般的に考えてみると、兆候という言葉のほうが認知されている傾向にあります。

同じ意味を持っていたとしても、兆候という漢字になれていると、徴候という言葉を使うと違和感を感じてしまうこともあります。

実際に、報道機関などにおいては兆候という言葉で統一されており、徴候という言葉で表現されることはありません。

なので、どちらが間違っているというわけではないのですが、一般的な目線で考えてみると兆候という言葉のほうに軍配が上がるといえます。

しかし、使われていない理由に関しては非常にシンプルで、間違っているから使われないというわけではありません。

兆候という漢字と徴候という漢字を比較して考えてみると、兆候という漢字の方が画数が少なく、簡単な漢字が使われています。

難しい漢字などは敬遠される傾向にありますので、それが理由で簡単である兆候が用いられていますので、決して間違っているというわけではありません。

なので、結論はどちらを使っても問題はないということになります。

基本的には兆候が馴染みがある

兆候と徴候の使い分けは、どちらを使っても特に問題はないとお伝えしました。

しかし、時と場合によっては漢字の使い分けを行う必要性があります。

そもそも、兆候という言葉と徴候という言葉は意味は同じですが、辞典によっては用いられている漢字が違います。

例えば、医療業界を考えてみた時に、医学用語辞典などには何かの前触れのことを表現する際に徴候という漢字が使われています。

兆候という漢字は医療業界では用いられず、徴候という言葉に統一されて使用されています。

なので、医療業界においては兆候という言葉を使わないで、徴候という言葉を使ったほうが適していると考えられます。

もともと医療業界に限ったことではなく、様々な分野のそれぞれの専門用語などに関してはもともと指定された漢字を使っていることが多いです。

なので、今回のように同じ読み方や同じ意味だからと言ってどちらを使っても問題ないというわけではない場合もあるということです。

医療業界以外の方であれば問題はないかもしれませんが、医療業界に携わっている方であれば、前触れを意味する際には徴候という言葉を用いるほうが正しいといえます。