お客が何時までにどこに行きたいのか、どこで何をしたいのかという気持ちを汲んだ上で予定を立てたり移動手段を手配したりしますので、常に相手の気持ちになって考えて行動できる人がコンシェルジュには向いています。
「自分だったらこうしたいから」という考えで仕事をするよりは、まず「このお客様はどのような性格の人なのか」を探り、その上で相手が考えるであろう行動パターンを推測して仕事をします。
その結果が違っていることもありますが、それはそれで経験として自分の中に積み重ねていけばいいだけの話です。
基本的に、何をするときでも「自分がこうしたいから」ではなく、「自分が相手だったらどうしたいか」と、相手の都合や事情を優先して思考を働かせることができる人がコンシェルジュには向いているでしょう。
結婚式や旅行のプランナーは、「お客様がどうしたいのか」という気持ちを考えて常に仕事をしています。
そのため、上手くいけばお客から「こちらの希望に沿ってもらえた」と感謝されることも多いでしょう。
コンシェルジュの仕事もそれと同じように、常にお客の立場になって仕事をする必要がありますので、相手の気持ちを理解できる繊細さや細やかな気配りの有無が仕事では強く求められています。
責められても落ち込まない
コンシェルジュの仕事をしていると、時には理不尽なことでクレームを受けたり、責められたりすることもあります。
例えばホテルのお客から、いきなり「今から〇〇へ行きたいから2時間後の飛行機の予約をしておいて。」と頼まれても、直近の便のチケットを確実に手配できるとは限りませんよね。
オフシーズンなどでは飛行機もかなり混み合っているので、お客の要望に沿えないこともあるでしょう。
そのような時に、仕方のない事情であってもお客から責められたり、クレームを入れられたりすることがあります。
しかし、それで一々落ち込んでいるようではコンシェルジュの仕事は勤まりません。
1日の間で10件コンシェルジュに対する意見があるとしたら、その内の何割かはクレームであることもあるのです。
責められたことは反省すべきですが、いちいち落ち込んだり、いつまでも引きずったりしていては仕事になりませんので、気持ちの切り替えが早い人の方が向いているでしょう。
わがままや怒りを上手に受け止められる
お客や住民にはいろいろな人がいますので、親切で優しい人ばかりではないでしょう。
時にはわがままを言う人もいますし、理不尽に怒ったり、怒鳴ったりする人もいます。
そうしたわがままや怒りを上手に受け止められる人であれば、コンシェルジュとしてもやっていけるでしょう。
怒っている人にも笑顔で対応出来たり、常に冷静な判断ができたりする人であれば、お客のわがままに振り回されたり、怒られて萎縮してしまったりすることもないでしょう。
温和な性格の人や、オンオフの切り替えがしっかりとできる人もコンシェルジュには向いています。
反対に、ちょっとしたことで感情的になってしまう人や、仕事に私情が出てしまいがちな人には向いていないかもしれません。
ストレスの発散が上手い
コンシェルジュの仕事は、一般的なサービス業と比べればさらにストレスの溜まりやすい仕事です。
常にお客や住民の要望を叶え続けるわけですし、同時に何人もの要望に応える必要もあるため、1日の内で頭を使わない時間はないと言っても過言ではありません。
マンションコンシェルジュのように、通常接する相手や人数が決まっている仕事であれば、一通り住民の性質を把握すれば多少は精神的に楽になれます。
しかし、ホテルや観光地、デパートなどのコンシェルジュは、常にさまざまな人たちの要望に応えるため、とても大変ですし常に忙しいです。
そんなストレスの溜まりやすい仕事ですから、ストレス発散の術を上手く身に付けておかなければ、ストレスで自分自身が潰されてしまいかねません。
逆にストレス発散を日頃から上手くできている人であれば、コンシェルジュとしてもやっていけるかもしれませんね。
自分の中に溜め込まない
ストレス発散が上手な人は、鬱憤を自分の中に溜め込まないように、適度に吐き出しています。
例えば一日仕事で溜め込んだストレスは、夜にお酒を飲んだり、お風呂に入ってリラックスしたりして小まめに発散させますし、休日には思い切り好きなことをして充実した時間を過ごします。
そうすることで「また明日からも仕事を頑張ろう」と気持ちの切り替えができますので、いつまでもストレスを溜め込み続けることがありません。
一方で、ストレスを小出しにしたり、適度に発散したりできないタイプの人は、先週の疲労を今週も引きずってしまうことになるため、どこかで「もう無理」と限界がきてしまいます。
一度爆発してしまうと、一気に気力が抜け落ちてしまうため、仕事を続けるのも難しくなってしまうでしょう。
溜め込むタイプの人は、コンシェルジュの仕事は心身にとってきついかもしれませんね。
罪悪感や無力感を抱かない
誰でも自分が仕事をする中で、失敗したり周りに迷惑をかけたりすることがあれば、罪悪感や無力感を抱いてしまうことがあります。
しかし、時には自分は何も悪くないのに周囲から責められることで、不要な罪悪感を抱いてしまうこともあるでしょう。
コンシェルジュの仕事でも、客側からのどう考えても無理な要望に応えられなかったときに、お客からクレームや叱責にあうことは少なくありません。