まさにデコトラは、光のアート作品と言えます。
こうした背景から、デコトラは、別名「アートトラック」とも呼ばれています。
関東風と関西風がある
デコトラの始まりは、錆びたトラックの車体を補修するために、ステンレスの板を用いたことがキッカケと言われています。
ステンレス板から始まり、その後、商店や企業の看板を装着するようになり、更に、運転手の趣味を表現したアート作品へと発展していった歴史があります。
電飾や装飾が発展していく中で、次第に地域性が生まれてきて、関東風と関西風それぞれに、独特な個性的アート作品へと進化していきました。
関西風はイルミネーションを多用しています。
ウロコステンレスや色彩豊かなマーカーランプにより、派手さを追求しているところが特徴になっています。
一方、関東風はイルミネーションを控えめにしています。
メッキパーツを駆使してエッチング加工を施したステンレス鋼板を多用し、バスフェンダーと呼ばれる後ろのフェンダー部分が大きいのが特徴です。
また、メッキや鏡面ステンレス、蛍光灯を内蔵したアンドンで装飾するパターンもあるのが関東風です。
有名な映画『トラック野郎』
1970年代後半の有名な映画『トラック野郎』シリーズの大ヒットにより、デコトラの存在が世間に知れ渡るキッカケとなりました。
トラックの車体を電飾やペイントで装飾して疾走する“アートトラック”が全国的に増えることとなりました。
派手な電飾や極彩画で装飾された長距離トラックの疾走する姿は、多くのファンを増やし、プラモデルの世界にまで広まりました。
どんなものでデコレーションされている?
デコトラには、色々な装飾のパターンがあります。
派手な電飾やペイント塗装、アニメの主人公を描くなど、人目を惹く派手さで自己表現しています。
デコレーションの手段で、トラック運転手の自己主張をしているのです。
デコレーションは、外側からは見えないトラックの内装まで凝った装飾が施されていることが少なくありません。
電飾
トラック用の電飾は、夜間の長距離運転の際に、夜道を照らす目的に使われます。
しかし、一方では、デコトラの存在をアピールするために、大切な装飾品としての役割を発揮しています。
電飾はデコトラの派手さを演出するためには欠かせない必需アイテムです。
電飾で装飾された長距離トラックが夜間疾走する姿は、圧巻の存在感を発揮します。
電飾ランプには、色や形、明るさ、サイズなど色々な種類があります。
更に、LEDランプやランプ周辺機器などを多用して様々なカスタマイズが出来るのです。
電飾を多用することで、夜間走行の際には、バリエーション豊かなイルミネーションを演出してくれます。
ペイント塗装
デコトラのペイント塗装は、トラックの荷台やコンテナ部に色鮮やかに施され、デコトラの派手さと存在感を大きくアピールします。
“目立ちたい”気持ちを抱いているデコトラの運転手にとっては、派手なペイント塗装を施すことで、“自己アピール”の手段になります。
ペイント塗装の方法には色々ありますが、パソコンでデザインした絵柄をトラックのコンテナ部分に塗装することもあります。
メッキ塗装
メッキ塗装は、トラックの車体をピカピカに光り輝かせる効果があります。
ですから、デコトラの存在をアピールするためには、欠かせません。
昼間の走行でも、メッキ塗装したピカピカのデコトラは、派手さを益々発揮させるために大きな効果があります。
外装だけでなく内装まで?!
デコトラは、外装の派手さが大きなポイントです。
しかし、デコトラへの熱意が強いトラック運転手は、内装にも煌びやかな装飾を施しています。
外装の派手さは、運転手自身が運転中には味わうことが出来ません。