提供という言葉は使用範囲が非常に広いということがいえるのです。
事業に必要な資金を提供する
「事業に必要な資金を提供する」ということは、その資金の出資者が何らかの目的を持って相手の人に提供している、ということになります。
出資の名目が事業なのですから、その事業を成功させて利益の還元を目的としていると考えれば話は分かりやすいでしょう。
ただ反対に出資する人に対して非常に恩義や男意気を感じていて、ただ同然で出資金を提供している場合もありえます。
文章の前後をよく把握して文章の意図するところを理解しましょう。
2人の顔合わせの場を提供した
このケースはお付き合いを開始したい異性の二人のためにそのきっかけを作るための場所を第三者が提供した、という意味合いになるでしょう。
恋の始まりは偶然もありますが、こうやって意図的に顔合わせの場所を提供してもらってスタートすることも多い、ということですね。
店をパーティー会場として提供する
自身の知り合いや会社の同僚のために、自分が懇意にしているお店を貸し切ってあげた、ということになります。
このケースはお店をパーティー会場として提供しているのですから、「無償」という意味合いは薄いと思われます。
ただ、提供した本人はそれで儲けようとは思っていないはずです。
パーティーに参加する人達に楽しんでもらいたい、という気持ちが最優先されているからこのような形をとっているだけのはずです。
データとなる資料を提供する
データとなる資料を提供する行為は、当然ながら双方に信頼関係がなければ成り立ちません。
それほどデータや情報はお金以上に貴重なものなのです。
データを提供された側はその意図をくみ取って大切にそのデータや資料を扱い、要件が済んだら元の状態にして正しく返却する必要があるでしょう。
オーダーから提供までが早かった
この場合の提供はオーダー(注文)した料理があまり時間もかからずに出来上がって自分の席に届けられた、という意味合いですね。
お店で料理をオーダーされたら、お店サイドはなるべく早くお客様に料理を提供するのがサービスの基本となっているからです。
「提供」の類語
提供の類語には「供給」、「供与」、「用意」、「支給」、「進呈」、「献上」、「譲渡」などが挙げられます。
供給
供給とは「必要に応じて物を与える」という意味になります。
経済の話のときは「需要と供給」とよくいいますが、世の中に物が不足すればその物を投入する、つまり与える、という行動をとります。
供給には「必要性」という部分が重要になるのです。
そういった意味において「供給」は相手のために役に立つことである「提供」と類義語扱いとなるのです。
供与
供与とは「相手が欲しがっている金品や利益・情報などを与えること」をいいます。
この意味合いから判断すると「供与」には限りなく「お金や欲」といった匂いがしてきます。
ただ広義的に考えれば何かを与える・渡す、という行為となるので「提供」と似た言葉として扱われます。
用意
用意とは「必要なものを準備する、取り揃えておく」といった意味になります。
よって提供とは細かい部分まで追求すればちょっと意味合いは変わりますが、必要なものを手に入れるための行動という部分を解釈すれば類語として成り立つでしょう。
ただ提供は他者から受けるのに対して、用意は自分自身でも行える点が違ってくるでしょうね。
支給
支給とは「払い渡す」という意味があり、それは金品などを給与・給付という形で受け取る形態をいいます。
大局的に考えれば支給を受けるということは自分にとって役に立つものであり「提供」の意味するところと同義となりますので、類語扱いで問題はないと思います。