つまり花があたかも友人や気心の知れた人たちかのように親しげに、かつ優しく自分に微笑みかけてくれている、といった心境を表しているのです。
先程の海といい、花といい、どちらも人間ではない対象が人間が行うような行動を取っているかのような表現こそ、比喩における「擬人法」の真骨頂といえるのです。
直喩
比喩に用いられる「直喩」とは「2つの物事を使って直接的に比較した表現法」となります。
つまりその2つの物事は全く同じ意味をなしています。
直喩も比喩の一種となるのです。
彼の饒舌さは落語家のようだ
この例文は落語家が流れるように饒舌に話すことを前提として、彼の話し方を直喩しています。
つまり彼の話し方は落語家顔負けなほど饒舌だと言っているのです。
一般的に落語家が話し下手で、たどたどしく話すようなイメージは持たないでしょう。
落語家と名の付く人はご多分に漏れず饒舌で話し好きです。
彼の話しっぷりはまさしく落語家と同じだと比喩しているのです。
幽霊のように存在感がない
この例文の幽霊に対して使われている対象は、人なのか物なのか判別がつきません。
ただその対象は幽霊のように存在感が恐ろしくないことを比喩しています。
つまりそのものは幽霊と同じような存在感を持っている、という直喩になっています。
もしこの対象者が人間だったらありがたくない比喩でしょう。
その人はあまりにも物静かでどこにいるのか気配すら感じられない、ということですからね。
直喩に使う言葉があまりありがたくない言葉を使う場合は、配慮と気遣いも必要になってくるでしょう。
隠喩
さて次は「隠喩」です。
隠喩とは通常の比喩による表現、「〇〇のようだ」ではなく「〇〇は〇〇だ」というように別の言葉をダイレクトに決めつけた表現手段となります。
ではその例文を以下に紹介していきましょう。
君の瞳はダイヤモンドだ
この例文は、好きな女性に対して何とか気を引きたい男性が使っている場面なのでしょう。
女性に気に入られるためにはとにかく褒めることです。
瞳がダイヤモンドと同じだと言われて悪い気はしないと思います。
最高の褒め言葉となる可能性は大きいでしょう。
隠喩表現はこのように単刀直入に言い切ってしまうのが使い方の基本です。
君は僕の太陽だ
この例文も相手を褒めちぎる言葉です。
「君は僕の太陽だ」と言い切るのですから、相手に対する好意は並々ならぬものがあります。
太陽とはあらゆる生物が生きてゆくためになくてはならないものです。
相手の人物なしでは自分の人生も終わりになる、という思いをこの例文から受け取ることができるでしょう。
「比喩」の類語
それでは次にまいります。
今度は「比喩」の類語について紹介していきましょう。
形容
「形容」とはものごとの姿、形、本質、性質、ありさまといったものを他のものに例えて言い表すことを意味します。
他のものに例えるという表現方法は、まさしく「比喩」と同じ意味となり類語として認識されるべきものでしょう。