「関与」という言葉は相手があって成り立つ言葉です。
「関与」だけでは、相手に意味が十分伝わらない言葉なのです。
話し言葉よりも書き言葉で多く見られる
「関与」という言葉は、話し言葉として使うよりも書き言葉として使うことが多いのが特徴です。
これは「関与する」という言葉のイメージが、いいことよりもむしろ悪いことを連想させる言葉だからでしょう。
人前で相手の人のことを「関与した、関与した」などと連呼しようものなら、なにか犯罪人と決めつけている印象が持たれてしまうからです。
現在のことにも過去のことにも使える
「関与」という言葉は現在・過去、どちらの状況においても特に違和感なく使えます。
人と関わるという行為は明らかに過去形です。
これから起こり得る未来のことについては関わりは分かりませんからね。
良い意味にでも悪い意味にでも使える
「関与」という言葉は、良い意味にでも悪い意味にでも使われます。
「関与」が名詞という分類になっているのですからこれはコミュニケーション上、抗えないことといえるでしょう。
悪いニュアンスで使われることが多い
ただ現状の世の中の常識などから想定するにおいて、「関与」という言葉は良いシーンで使うよりもむしろ悪いシーンで使う言葉、という意味合いが浸透しているでしょう。
多くの汚職事件や陰謀・政府転覆・企業乗っ取り事件などに頻繁に使われるのですから無理もないことでしょう。
「関与」の例文
ではここからは「関与」に関する例文を紹介していきましょう。
実際に使用用途をイメージして馴染んでいってください。
あの日の出来事は今日の出来事に密接に関与している
この例文の「関与」は今日の出来事に対しての関わりを意味しています。
あの日に起こった出来事があったから今日の出来事が起こった、というわけですね。
この「関与」には、意味深な因果関係を連想させる意味合いが濃いといえます。
面倒が起こりそうなことには関与したくない
この「関与」は「面倒なこと」を避けるため予防線を張っている関係性をうかがわせています。
つまり今ここであの人の頼みに応じて仕事や依頼を受けたりしたらきっと面倒なことになる、という未来の展開が容易に読めるというわけです。
人間、面倒なことやややこしいことには首を突っ込みたくないですからね。
彼は被害者への関与をほのめかしていた
この例文の「関与」は明らかに被害者に対する「加害者」の共犯者というイメージがわくことでしょう。
「関与」という言葉はこのようによくない事象のときによく使われる言葉なのです。
ほのめかしていた内容は明らかに被害者に対して何らかの行為・行動を起こしたことを裏付けています。
つまり悪いことに加担した、ということになります。
私の父はこの事件に関与した警察官です
今回の「関与」はいいことに対しての内容となっています。
それは対象となる人物が警察官だからです。
恐らくその父たる警察官は、かつてある事件の捜査に加わっていたのでしょう。
そして何がしかの働きを行えたのです。
恐らく記憶に残っているほどのことだったので「関与した」とはっきり言えたということでしょう。
他者の関与がこの問題を大きくしている
この例文の「関与」は他者の関わり方です。