今回は「神のみぞ知る」という言葉について解説していきましょう。
この言葉はどういった意味がありどういう使い方をするのか。
詳しく見ていきたいと思います。
「神のみぞ知る」の意味や使い方を学ぼう
「神のみぞ知る」という言葉の意味や使い方を学びましょう。
この言葉は、比較的よく使われる言葉です。
正しい意味を踏まえて覚えていきましょう。
「神のみぞ知る」の読み方は?
読み方は「かみのみぞしる」です。
特に難しい読み方ではありませんね。
そのまま覚えていきましょう。
「神のみぞ知る」は誰の言葉?
「神のみぞ知る」という言葉。
さて誰が言った言葉なのでしょうか?答えは古代ギリシャの哲学者、ソクラテスです。
ソクラテスはこの言葉以外にも多数の名言・格言で知られている歴史的偉人ですね。
「神のみぞ知る」の意味
それでは「神のみぞ知る」という言葉の意味についてみていきましょう。
直訳「神だけが知っている」
「神のみぞ知る」という言葉、直訳すれば「神だけが知っている」ということになります。
つまり全知全能の神にしか分からないのだから無知な人間ごときに分かろうはずがなかろう、という解釈になりますね。
古語表現で強調の「ぞ」
「神のみぞ知る」という言葉の中に使われている「ぞ」という文字。
これは古代表現の強調を表す意味になっています。
つまり「神」の偉大さを知らしめる意味が含まれていることになります。
つまり「人間には知る由もない」
「神のみぞ知る」の意味。
つまり「人間には知る由もない」という事に落ち着きます。
さらにへりくだって解釈すれば、人間が神の領域にまで立ち入って神の権威を汚してはならない、という一種の警告じみた意味合いにも取れます。
全てにおいて全知全能の神だけが知り得ることを、中途半端で永遠に完成品にならない人間如きが出しゃばって訳知り顔をするのは十年早い、という意味合いになるということですね。
身近な表現「誰にも分からない」
さて、「神のみぞ知る」の意味、一般的に認識される身近な表現は「誰にも分からない」という事になります。
神だけが知っていることなのだから私たち盆民が分かるはずがなかろう、という解釈です。
下手にしゃしゃり出て訳知り顔で発言してしまったら、その後の責任問題や進退問題にまで発展する恐れも私たちの社会にはあります。
それを戒めるための言葉ともいえるでしょう。
「神のみぞ知る」の使い方
それではここからは「神のみぞ知る」の使い方についてみていきましょう。
誰もその物事を知らないとき
まず使うべきシーンは「誰もその物事を知らないとき」に使います。
例えば、自分の財布をどこかに置き忘れてしまった。
その人の財布のありかなどその人が思い出さない限り誰にも分からないのが普通です。
そのような状況のときに「財布のありかは神のみぞ知る」というふうに使う訳ですね。
いくら考えても分からないとき
いくら考えても分からない、結論が出ないといった時にも「神のみぞ知る」という言葉は使えます。
仕事において企画を考えなければならない時、ありきたりの企画は思いついても決定的なものは誰も思いつきません。
皆がさじを投げたような状態になったときにこの言葉は使えるという事です。
いくら考えても分からない、という状況は日常生活において結構、出てくる場面でしょう。
先のことが全く読めないとき
これから先に起こる展望や展開が全く読めない状況の時にも「神のみぞ知る」という言葉は使われます。
例えば野球の試合。
ツーアウト、満塁。カウント3ボール2ストライク。
この1球で勝負の行方は決着します。
果たしてどちらのチームが勝つのか、どんな展開が待ち受けているのか誰にも分かりません。
このような展開を読めない状況の時にこの言葉は効力を発揮するというわけなのです。
答えが出ないことに悩むとき
何かの出来事で答えを見つけられないときも「神のみぞ知る」という言葉が使われます。
例えば入試です。
合格か不合格か、その答えは分かりません。
結果発表の当日になるまで分かりません。
だからこそ、この言葉が生きてくるのです。
勿論、入試が正しい手段で行われていることが大前提です。
不正入試をやっていたら誰かが操作しているわけですから「神のみぞ知る」という言葉が真価を発揮しなくなってしまう、ということになりますね。
「神のみぞ知る」の例え
それではここからは「神のみぞ知る」という言葉の例えを紹介していきましょう。
自分では知り得ない答え
「神のみぞ知る」という言葉が使われる場面は「自分では知りえない答え」が求められる場面において使われることが多いです。
スポーツなど試合の結果
スポーツなどの試合の結果は誰にも分かりません。
スポーツは真剣勝負の醍醐味があるから面白いわけです。
結果が最初から分かっていたら、それはスポーツとは言えません。
結果が分からないからこそ、人々はスポーツの醍醐味を味わえるわけなのです。
就職試験での面接の結果
就職試験における面接の結果も最後まで分かりません。
1次、2次選考を通過してやっとたどり着いた面接試験。
いわゆる最終試験です。
この結果は最初から分かろうはずがありません。
いわゆる「神のみぞ知る」という言葉が相応しい世界なのです。
当然ながら最初から縁故入社などで結果が分かっているものについては論外ですが。
計画が成功するかどうか
何かのイベントの計画が成功するかどうかについても誰も分かりません。
やってみなければ答えは出ません。
当然ながらその結果は「神のみぞ知る」、という世界になるのです。
ただ、その計画があまりにもずさんで、最初から成功する見込みのないようなものも時として存在します。
そのような時は参加者もある程度、結果を想定できるので誰も「神のみぞ知る」という心境にならないでしょう。
「神のみぞ知る」という心境になるときは真剣勝負の時だけなのです。
この恋愛がうまくいくか
恋愛というものの成り行きは当事者には勿論、周囲の者にも全く先行きが見通せません。
よって恋愛は「神のみぞ知る」という境地の権化ということになります。
恋愛には様々なアクションやイレギュラーな結果が待ち受けます。
それほど男女の仲というのは神さえも介入できないという難しい領域なのです。
テストが何点だったのか
テストの結果というのは誰もが気にかけるものでしょう。
ある程度、自己採点で何点取れたのかは把握もできるでしょうが、1発勝負のテストの結果というのは自分の判断ではどうしようもなく分からない部分もあり得ます。
よって、テストの点数というものは半永久的に「神のみぞ知る」領域から逸脱できないのです。
叶えられない願望
叶えられない願望というものにも「神のみぞ知る」が用いられます。
叶えられない願望とは自分だけの力では到底かなわない願いです。
それらについて集めてみましょう。
未来の自分を知りたい
未来の自分がどうなっているのか。
そのような願望は人間の誰もが夢見る願望です。
しかし、未来を予知できる能力など人間には備わっていません。
いえ、そういった夢を叶える機械も商品もいまだに開発されません。
未来のことを知ることができるなどということは、SF映画に出てくるような夢物語だからです。
よって、このような願望は「神のみぞ知る」という領域になるでしょう。
過去のことを確かめたい
過去のことを確かめたい。
すなわちそれは自身の数年前の出来事の確認などという範囲ではなく、遠く100年以上前の過去の話に遡るのです。
そのような歴史的な過去を確かめにいく方法などありません。
タイムマシンのようなものでもあれば話は別でしょうが、現在の人類の科学力ではタイムマシンは開発できません。
よって、この話も「神のみぞ知る」ということになるのです。
相手の本音が聞きたい
相手の本音を何から何まで手に取るように分かったら人生は面白いかも分かりませんね。
しかし、このような超能力じみた出来事、およそあり得ません。
相手の本音を自由に聞き取ることなど神業に等しいのです。
よってこれにつきましても「神のみぞ知る」ということになるのです。
20代のうちに結婚したい
20代のうちに結婚したい。
この問題は本人にその気があるならば実現可能な問題になります。
しかし、ただ漠然とそうしたいとだけ思っているのなら実現は難しいでしょう。
ただ、婚活を積極的に行っているにも関わらずいい結果が出ない。
このような場合ならば本人にとって限りなく「神のみぞ知る」という心境になるでしょう。
「神のみぞ知る」の類語
それでは次にまいります。
今度は「神のみぞ知る」の類語をいくつかご紹介していきましょう。
運任せ
「運任せ」とは、自身がやれるだけのことをやって、その結果は運に委ねる、という心境をいっています。
「運」とは偶然ともまぐれともとれるかも分かりませんが、努力というものがあるかどうかでそれは変わってきます。
「運」は良い結果を待つことに相違ありません。
ただ、「運」も実力のうちともよく言います。
何も手を打たないのにいい運だけを待っていてもそれはかなわない現実となるでしょう。
「運任せ」にするという心理は、どこかに逃げの気持ちが含まれている要素が強いでしょうね。
予想できない
「予想できない」とはこれから起こる事象に対して決定的な判断を下せない状況をいいます。
例えば競馬の予想ですね。
レース前にどの馬が1着でゴールを走るかなど誰にも分りません。
だから公営ギャンブルとして成り立っているのです。
もし全てのレースを予想してピタリ当てる人間がいたら世の中の脅威になってしまうでしょう。
このような能力はまさに「神のみぞ知る」というものに当てはまるのです。
分からない
「分からない」。
つまり答えがみつけられない状態というわけです。
答えを導くための経験も知識もデータもない。
まさに手探り状態なわけです。
「神のみぞ知る」という心境になっている状況なのです。
ただ、何でもかんでも「分からない」を連発してしまったらいけません。
本来、分からないことがあったら調べて勉強するのが人間の定めです。
はかりかねる
「はかりかねる」とは、「理解できない」「この先どうなるか分からない」といった意味があります。
まさしく「神のみぞ知る」という意味の類義語扱いとなります。
「はかりかねる」という言葉はかなり丁寧な意味合いで使われる言い方になってきます。
使うべき場面やシーンをよく考えて使いましょう。
運を天に任せる
「運を天に任せる」。
この言葉はほぼ「神のみぞ知る」と同じ意味をなします。
やるべきことをやり切った。
あとの結果に関してはもはや自分自身の思惑ではどうしようもない、という状況です。
またこの言葉は日常会話においてもよく登場します。
しっかり覚えておきましょう。
天命に任せる
「天命に任せる」とは、「自然な行動に任せる」という意味合いになります。
最終的な行動に関しては自身の手を委ねていませんので「神のみぞ知る」の類語として扱ってもいい言葉でしょう。
ただ、やり切るところまでやり切らずに天任せにしている印象も受けますので、細かく捉えればニュアンスは違ってくるでしょう。
ランダム
「ランダム」とは「無作為・任意」という意味になります。
つまり決め打ちをするのではなく大きく範囲を広げて行ってみる、ということになるでしょうか。
よってその結果については自分の予期せぬ事態になり得るということですね。
そういった意味において「神のみぞ知る」という心境と共通するというわけです。
運否天賦
「うんぷてんぷ」と読みます。
人の運命は天の定めによる、という意味になります。
つまり「運を天に任せる」という解釈に繋がります。
まさに「神のみぞ知る」という意味合いとピタリ一致するということになるのです。
「神のみぞ知る」を正しく使いこなそう!
今回は「神のみぞ知る」という言葉についてみてまいりました。
この言葉は応用範囲が広いので様々な場面で使われます。
しっかり学習して自身のボキャブラリーの一つにしてしまって思う存分、使い切っていきましょう。