「黙認」という言葉についてみていきたいと思います。

意味や使い方を例文や類義語を使って説明していきます。

「黙認」の意味や使い方を学ぼう!

「黙認」という言葉の意味や使い方を詳しく学んでいきましょう。

「黙認」の読み方は?

読み方は「もくにん」です。

難しくないと思います。

そのまま覚えましょう。

「黙認」の意味


それでは「黙認」についてみていきましょう。

暗黙のうちに認めて許可すること

「黙認」とは暗黙のうちに認めて許可する、という意味になります。

つまり採択や議論、認可をとったりする労力を行うことなく決まってしまう、という形なわけです。

暗黙とは

さて「暗黙」とはどういう意味でしょうか。

それは「口に出さないで黙っている」ということになります。

多くはその分野や領域について話し合いや詮索することが禁じられていたり触れてはならない範囲であることが多いでしょう。

知らないふりをして見逃すこと

「黙認」の意味のもう1つは、「知らないふりをして見逃すこと」です。

とにかく余計な論議、質問などを行わず黙って認めてしまう行為をさしていいます。

「黙認」は漢字を見ると分かりやすい

今度は「黙認」を構成する漢字を分解して説明していきます。

「黙認」の「黙」

「黙認」の「黙」は「黙る」という意味になります。

つまり一言も発しない状態というわけです。

黙るということは、触れたくない部分があるからですね。

それ以上、知られたくない、詮索されたくない秘密がある場合、黙認という状況が生まれやすくなります。

「黙認」の「認」

「黙認」の「認」は「認める」ということになります。

「認める」とは相手の言い分や要求、あるいは力量などを受け入れる行為です。

黙認するということは無試験で相手の人となりを受け入れた、ということになるのです。

「黙認」の使い方

それでは「黙認」の使い方について紹介していきましょう。

文章中では名詞として使用

「黙認」は文章中では名詞として使います。

つまりいかなる場合も「黙認」という形で使うわけです。

「黙認」の後ろや前に接続語や修飾語などをつける必要はないということです。

「黙認する」などと活用

使い方で多いのは「黙認する」という使い方です。

活用する際の言い方になるわけですね。

否定形では「黙認しない」

一方、否定形で使う場合は「黙認しない」となります。

ここではあまり意味を深く考えすぎずに「する」「しない」という言い方で覚えておきましょう。

やむなくルール違反や過失を認めるとき

「黙認」という言葉を使う場面は、やむなくルール違反をやったり過失を認めざるを得ない場合に使います。

使い方の具体例はこのあと、例文で紹介していきましょう。

「黙認」の例文


それでは「黙認」を使った例文をみていきましょう。

高速道路では超過速度が黙認される風潮がある

高速道路は道交法が適用される道路です。

つまり速度超過に関してです。

速度超過。

つまりスピード違反は車を運転する人にとったら厳に慎んで行わなければならない重大な違反です。

制限時速80キロの高速道路ならばおのずとそれ以上のスピードで走れば違反です。

ところが実際に高速道路を走ったことのあるドライバーならば経験済みでしょう。

実際に80キロ以上出して走っている車がほとんどだということを。

これが道交法を執行する警察からみた「黙認」と呼ぶのです。

確かに法定速度以上で走ればルール違反です。

罰則や罰金の対象になります。

ところがこういったルールには公言できない裏のルールも存在します。

スピード違反に例えれば超加速度の何パーセントかは多めにみているようです。

もし、警察が高速道路を走っている車全てに厳重に道交法を当てはめたらほとんどすべての車が違反で検挙されるでしょう。

そういう事態になったらそれはそれで警察も対処できなくなるでしょう。

物理的にどうしようもなくなる、というわけです。

よって、暗黙のルールを作って超過速度の処罰対象を内内で作っている、というわけなのです。

あの先生は適度なおしゃれなら黙認してくれる

この例文は、おしゃれに対する学校内の規律を取り上げています。

通常、学校というところはおしゃれとは無縁のところです。

特に義務教育の学校ならば尚更でしょう。

規律を破ればそれ相応の厳しい処分があるはずです。

ところが学校にもよりけりでしょうが、この規律を個人の裁量で見てくれる時もあるようです。

例文のようにある先生はおしゃれに対する度量が大きいようです。

本来なら処分されるはずのものがセーフにしてらえるのですからね。

ただ、仏の顔も三度までです。

規律破りの常習者には、やはりそれなりの罰則がいつかは下されるでしょう。

安全のために労働者の危険な行為を黙認しない

労働者が勤める職場は事故を防ぐために数々の規則が掲げられているようです。

どのような職場かは特定されていませんが一般的には現場作業を行う職場。

そこには重機や機械などちょっとした油断で事故やケガが発生する可能性があります。

よって安全第一のために危険行為は厳禁なのですが、なかにはその監視の目が行き届かなくなっているケースもあり、それが暗黙の了解としていつしか常態化していました。

それを戒めるために危険行為につながる一切の作業に鋭いメスが向けられた、ということを意味しているのです。

セクハラの黙認が現代の社会問題となっている

各種のハラスメントは令和の今となっても完全撲滅されていないのが現状です。

その中にあってパワハラとセクハラは相変わらず、社会問題となっているテーマです。

特にセクハラに関しては働く女性全般に少なからず影響を与える問題です。

これを放置して黙認してしまうことはその企業の今後の展開に重大な悪影響を与えることとなるでしょう。

セクハラを黙認している組織は、多くがブラックと形容される問題ある組織です。

そのような組織に女性が活躍の場を求めにゆくことは現状ではありえない話になってくるでしょう。

業務のため時間外残業は黙認せざるを得ない

企業にとって労働基準法の順守は今後の採用活動にも大きく影響を与える問題です。

その中にあって時間外残業を強要することは法規違反として多大なる弊害を生んでしまうのです。

ただ、させたくなくても人手不足が慢性的に解消されないようではやむを得ないのかもわかりません。

そのような状況を打開するためにも経営者側の雇用の健全化を図る対策が急務となるでしょう。

「黙認」の類語

それではここからは「黙認」の類語を紹介していきましょう。

看過

「看過」とは、「あることを目にしていながらそのまま放置したり見逃したりする行為」を指していいます。

ということで意味的にも「黙認」とほぼ同様の意味となります。

ただ、黙認には上層部からの圧力的なものを連想させますが「看過」には個人の裁量が意味をなしているようです。

つまり「看過」は組織ぐるみ的なイメージがほとんどない、といってもいいでしょう。

容認

「容認」とは、「よいとして認め許す行為」となります。

認める部分においては「黙認」と同じ結果になっています。

ただ、認める過程が違ってきます。

「黙認」はそれこそ相手の行動一切を見て見ぬふりをしている状況ですが「容認」は質問や問いかけに対する返答次第で結果が変わる性質はあります。

ただ、上層部から最初から容認指示が出ていればその内容は限りなく「黙認」と同じになるでしょう。

許容

「許容」とはそこまでのレベルならば多めにみて許す、という意味になります。

つまり認める中身に条件をつけて制限を設けていることになります。

そういった意味では「黙認」とは意味合いを異にしてきます。

ただ、こちらの場合も内容次第になります。

今日範囲が限りなく広ければそれは「黙認」したのと同じになります。

このあたりの解釈はその場、そのシーンでの状況次第ということになってくるでしょう。

寛容

「寛容」とは、心が広くて他者の意見にも耳をよく貸し、他の罪や落ち度などを厳しく責め立てない態度をさしていいます。

ただ、黙認とは内容的にかなり温度差があります。

確かに最終的に認めていますからその点は同じです。

しかし、「寛容」には黙って何でも認めているスタイルはありません。

そこには審査や問いかけが必ずあります。

つまり相手の言い分や説明をよく聞いたうえで判断しているということです。

その際、取り立てて相手が不利になるような理不尽な裁定は行わないということです。

黙って相手の行為を全て認めてしまう「黙認」とはそのあたりが大きく違うということがおわかりいただけますでしょうか。

スルーする

「スルー」とは、「受け流す」「そのまま通過する」「何もしないで待っている」という意味になります。

意味的には「黙認」とよく似ています。

黙って相手の行為を見逃しているわけですから「黙認」の類語として問題ないでしょう。

ただ、細かくみていくと意味合いは違ってきます。

「黙認」は、対象となる行為・行動に一応の監視が入っているのですが「スルー」は完全にその部分もありません。

つまり「素通り」状態だというわけです。

本来、物事にはチェックする側とそれを受ける側とがあります。

「スルー」はそのチェックする側にその様子が全く見受けられないところに特徴があります。

「黙認」にはまだチェック側の意志が働くかも分からないという緊張感があります。

しかし、スルーにはそれが全くないのです。

日本語の意味は本当に細部にわたるまで広範囲な意味が存在しているということなのです。

見て見ぬふり

「見て見ぬふり」とは、相手の動作や行動・言動などを見ていることは見ているのですが、特にそれらに対して何の判断も指示も下さずに素通りさせている状態をいいます。

例えてみますと駄々っ子に手を焼く両親の様でしょうか。

特に一人っ子となると子供可愛さのあまり子供のわがままやむずかりに叱ったりせず、ただじっと様子をみている風情を思い起こさせます。

「見て見ぬふり」は多くの意味合いにおいて間違いなく「黙認」の類語扱いとなります。

相手に対して明確な意思表示がないですからそのようにとってもらっていいでしょう。

知らん顔をする

「知らん顔をする」。

つまり相手にしていない。

あるいは無視する、といった意味合いになります。

よって広義の意味では「黙認」と類語扱いになるということになります。

ただ、知らん顔は相手の行いや行動に対して無視を決め込んでいるだけで相手のことを認めているわけではありません。

そのあたりは「見て見ぬふり」と同じ解釈が成り立ちます。

知らん顔をするということは、こちらの気分を害された腹いせに行ってしまう行為でもあります。

俗にいう「意地悪」ですね。

よって「黙認」のように黙って相手のことを認めているわけではない、ということを頭に入れておきましょう。

大目に見る

「大目に見る」とは合格基準には達していないがお情けで通過させる、といった意味合いになります。

つまり甘い裁定、ということになるでしょうか。

大目に見る行為は黙認のように、黙って認めているわけではありません。

一応の審査や試験のようなものを行った結果の裁定です。

よって広義の意味で捉えれば「黙認」と類語の扱いをしてもいいでしょうが、狭義の解釈を行えば意味合いは微妙に違ってくるのです。

ただ、最終的に合格基準に達していないのに通過させるのですから「黙認」と意味合いは大きくは違わないでしょう。

「黙認」を正しく使いこなそう!

今回は「黙認」という言葉について解説してまいりました。

「黙認」という言葉はさまざまな場面で用いられます。

組織を問わず多くの広い用途に使われます。

そして意味合い的には限りなくグレーな解決手段です。

審査基準や合格ラインに達していなくてもOKを出しているのですからあまり表舞台では使いにくい表現でもあります。

しかし、用途が広いため日常茶飯事に使われる言葉であることに変わりはありません。

「黙認」を正しく理解して正しい使い方をマスターしていってください。