「郷に入れば郷に従え」という言葉の意味をご存知でしょうか。

この言葉は日常においてわりと頻繁に耳目にする言葉だと思います。

この記事では、意味や使い方・例文をご紹介していきます。

「郷に入れば郷に従え」って?

「郷に入れば郷に従え」。

さてどういう意味なのでしょうか?よく耳にはする言葉だと思うのですが、詳しい意味までは考えた事もない方もいらっしゃるでしょう。

さっそく中身をみていきましょう。

ことわざの1つ「郷に入れば郷に従え」

「郷に入れば郷に従え」はことわざの1つです。

だから日常会話で耳にする機会が多かったのです。

「郷に入れば郷に従え」読み方は?

読み方は「ごうにいればごうにしたがえ」と読みます。

読み方的にはそんなに難関な読み方ではないのですが、少々、ひっかけがかかっている箇所がありますね。

「入れば」は読み間違えやすい

その箇所は「入れば」です。

普通に読めば「はいれば」となります。

しかし「郷に入れば郷に従え」という言葉になっていたら「いれば」と読みます。

もし学校でこれがテストに出たならば読み方を間違えないように記憶しておけば確実に得点できる問題になるでしょう。

「郷に入れば郷に従え」の意味


それでは「郷に入れば郷に従え」の意味をみていきましょう。

新しい土地に入ったときはその地の習慣に従うべきだ

「郷に入れば郷に従え」の意味の1つ目は「新しい土地や国に入ったなら、その土地や国の習慣や慣わしに従うこと」です。

つまり、自分の考えを通しすぎずに、まずはその地の習慣や風習といったものを最優先せよ、という事です。

日本は世界規模でみれば小さな国ですが、それでも北から南まで様々な地域があります。

それぞれの地域にはその地域独特の風習・習慣・慣わしがあります。

それらをまず最優先にして守ってそこの人々と足並みを揃えることが重要、ということですね。

別の環境に入ったならそこでのやり方に従うべきだ

意味の2つ目です。

新たな別の環境に入ったなら、そこでのやり方に従うべきである、です。

新たな環境は町や村であったり会社や学校も含まれます。

自身の身を置く環境がそれまでと変われば、当然ながらやり方も今までと違ってきます。

そして優先されるのは今、自分が身を置く環境なのです。

その環境に長く身を置く人物の言う事をよく聞き、上手に協調していくことが世の中を渡る秘訣になることでしょう。

組織に属したときはその組織の規律に従うべきだ

今までと全く違った組織に属するようになるのなら、何をおいてもまずその組織のやり方やルール・規律などをいち早く覚えてそれを守って行動していくことです。

組織を構成する単位は人間です。

結局、その組織の人間の上下関係や先輩・後輩関係に十分注意して行動せよ、ということです。

ただ、中にはそのような行動は性に合わない。

自分のやりたいようにやるんだ。

という方もいらっしゃると思います。

それはそれで否定はできません。

ただ、世の中というものは出る杭は必ず叩かれます。

その真意を理解せずにいたずらにスタンドプレーを繰り返すと組織の中で浮いた存在になってしまうのは明白です。

賢く世の中を渡りたいならその組織の行動規範から逸脱するような行動は慎んだほうがいいでしょう。

その場でのルールに合わせることが賢い生き方だ

「郷に入れば郷に従え」の意味には「その場のルールに合わせること」こそが賢い生き方であり良き選択である、といっています。

どのような環境に変わっても以前にいた環境下のルールややり方を踏襲すると必ずや軋轢というものが生まれます。

そこには難解な人間の主義や信念が絡んでくるから簡単には説明がつかないからです。

人というものは今、自身が所属している組織やチームが絶対なのです。

いくら以前にエリートコースの組織に所属していても今の自分の持ち場が何をおいても絶対なのです。

そこで全力を賭けることが出来ないのならその人は淘汰されるだけなのです。

このあたりの理屈を踏まえて生きていくことが賢い生き方というわけなのですね。

自分の価値観と違っても集団に合った行動を取るべきだ

「郷に入れば郷に従え」という言葉の意味には「自分の価値観とその集団の価値観とが合わなかったとしても集団の価値観を優先させる」ということが鉄則となります。

価値観というものは自分そのものなのですが、それはあくまで自分の中だけにあるもの。

一旦、組織というところに所属したならばその組織や集団の価値観に合った行動を取らないとメンバーから総スカンを喰らうのは目に見えています。

価値観の優先順位。

これを気付けるかどうかが社会で生き延びる重要な要因となるでしょう。

「郷に入れば郷に従え」の意味まとめ

「郷に入れば郷に従え」の意味、お分かりいただけましたでしょうか。

「郷」イコール「組織」「集団」「ルール」「やり方」「価値観」ということになります。

つまり、人は社会に出れば何らかのチームや組織に所属します。

そこでのルールや人間関係の優先順位を間違えないようにすることが一人前の社会人であり、仕事が出来る人間として求めてもらえるかどうかの分岐点となるのです。

「郷に入れば郷に従え」は、人が世の中を上手に渡っていくための超有効なことわざといえるのです。

「郷に入れば郷に従え」の語源

では次に「郷に入れば郷に従え」の語源について簡単に触れておきましょう。

中国から入ってきたことわざ

「郷に入れば郷に従え」は古代中国より我が国に入ってきたことわざだと言われています。

出典はいくつかの説がある

「郷に入れば郷に従え」が使用されていた出典は鎌倉時代から明治時代中期まで日本の初等教育で用いられた「童子教」にておさめられた説が有力のようです。

また語源として遡れば、中国禅宗の歴史書「五灯会元」という書物の中に使われた「入郷随俗」という言葉がこの言葉の語源とみられているようですね。

「郷に入れば郷に従え」の使い方


それでは「郷に入れば郷に従え」の使い方をみていきましょう。

自分が指導をする立場のとき

使い方の1つ目にあげられるのは、「自分が指導をする立場になったとき」です。

指導者というものはその人が所属しているチームや組織の行き地引。

つまりルールや規則などを公平に体現できる人でないと務まらないでしょう。

指導者が自分勝手な振る舞いや独自のやり方に則った、やりたい放題のやり方をやっていたらその組織の「郷」は説得力も何もなくなってしまいます。

指導者自身がその「郷」を見事に体現してこそ、「郷に入れば郷に従え」という教えを自分自身が体現できるわけです。

自分が新人となる立場のとき

自分自身がその組織やチームなどで新人になったときは、有無を言わさずこの言葉の方針に従うべきです。

組織もチームも会社もそれぞれのルールや社風、文化というものを持っています。

その中に所属している人々はそういったものの中で互いの関係性をセーブ、調整して社会性を形成しているのです。

そんな中に例え新人とはいえ、やりたい放題の人間が一人入るだけで秩序は大きく乱れるでしょう。

秩序の乱れは職場の生産性を著しく悪化させる原因となります。

よって、新人は自身がこれから所属する組織に対しては「郷に入れば郷に従え」方針で臨むことが最も望ましいのです。

コミュニティの様子を表すとき

「コミュニティ」は何らかの共同体です。

地域的なものもあれば趣味で知り合ったコミュニティもあるでしょう。

そういったものの中では見事に「郷に入れば郷に従え」の精神がその全体層を表しています。

つまり、そうやっていかないとたちどころにつまはじきにされる可能性があるということです。

悪く言ってしまえば「ムラ社会」の発想。

自分たちの殻を作ってしまって新しい文化や改革的なものを排除してしまう考え方のことです。

ただ、そこでずっとやっていきたいと思うのなら余計な波風は立てない方が無難でしょう。

狭いコミュニティに慣れ親しんだ人間は、自分たち以外の価値観を認めたくなくなってしまう傾向があります。

いいか悪いかは別にして「コミュニティ」という空間の特異性はしっかり認識しておいたほうがいいでしょうね。

「郷に入れば郷に従え」の例文

それではここからは「郷に入れば郷に従え」の例文を紹介していきましょう。

今の会社では郷に入れば郷に従えの雰囲気が漂っている

今の会社に入った主人公は、その会社の独特の社風に少々、抵抗感を感じているようです。

会社というところは1つとして同じ社風はありません。

1万の会社があるとしたら1万通りの社風があります。

その中には居心地のいいところもあれば、大きく違和感を抱くところもあるでしょう。

例え、違和感を抱く会社であっても入ってしまったからにはそこの社風に合わせていかなければならないことを表した例文です。

新しい環境の中では郷に入れば郷に従えという意識が大切だ

世の中を上手に渡っていくための秘訣ということでしょう。

新しい環境に身を置くときは、その環境の雰囲気ややり方をいち早く感じとって対応せよ、ということです。

その環境に合わないやり方をしていたら、いずれ自分にその逆効果が表れる、ということをいっているのです。

郷に入れば郷に従えと言うようにそこでのルールを守るべきだ

ルールというものは大前提となる部分と細部に渡って細かく整備されている部分があります。

そして組織や環境が変わればそこにあるルールも変わってきます。

これをいち早く吸収してそこのムードに合わせる。

ルールを素早く頭に入れておくことは世の中を渡っていくためには非常に重要なのです。

ルール違反を平気で繰り返している人間が、組織の中で重要なポストに就くのを見たことはないですからね。

それくらいルールというものは平等に皆が守っていかなければならないものなのです。

郷に入れば郷に従えを守れば人間関係でトラブルが起きにくい

人間関係でトラブルを起こさないためには、そこでのやり方やマークすべき人物などをいち早くつかみとって先手を打って挨拶したり従順な態度をとる工夫が必要です。

そういった行動が「郷に入れば郷に従え」の模範行動となるのです。

どんなことをやったら周囲から白い目で見られるようになるのか。

最初のうちにしっかり五感を働かせて収集すべきことでしょう。

上司の怒った顔は郷に入れば郷に従えと言わんばかりだった

上司ということですから例文の主人公は会社員なのでしょう。

それも新人のはずです。

主人公は会社での規律やルールを理解せず、自分勝手な行動を繰り返してしまったのかも知れません。

いくら以前は自由にふるまえていたとしても所属する組織が変わってしまった以上、守るべきことは守らなければいけません。

上司が怒ってくれているうちが花です。

無視されるようになったら終わりです。

早急に手を打って対策すべきでしょう。

「郷に入れば郷に従え」の類語

それでは今度は「郷に入れば郷に従え」の類語を紹介していきましょう。

国に入ってはまず禁を問え

「国に入ってはまず禁を問え」。

読み方は「くににいってはまずきんをとえ」と読みます。

意味は、その国に入るならばまずその国で禁じられていることを知っておいてから入りなさい、という意味になります。

解釈的には「郷に入れば郷に従え」と同じですね。

禁じることを知っておいてそれに反しないようにするのですから両者は同じ意味になり類語の関係となります。

俗に入っては俗に従え

この言葉の意味は「今、住んでいる土地の習慣や風俗に従い生活をすることが賢い生き方である」という内容になります。

まさしく、「郷に入れば郷に従え」と同じ意味ですね。

里に入りては里に従う

この言葉は「郷」と「里」が変わっているだけで意味的には全く同じになります。

「郷」も「里」もそれぞれ国であり地域です。

または「組織」「チーム」とも読めます。

人は異郷の地に入ったならその地の風土・風習・文化・風俗に馴染んでそれに沿った行動をとることが賢く上手な生き方ですよ、ということを訴えているのです。

人の踊るときは踊れ

この言葉の意味は、「人が何かをやるときは自分も一緒になってやる方が余計な詮索を受けずに済む」という事になります。

つまりは「郷に入れば郷に従え」の発想と同じということになります。

何事も右に習えではないですが、目立つ行動やわがままな振る舞い、自分勝手な行いをやると同志から反感を買う、という戒めの意味がこもっているのです。

門に入れば笠を脱げ

この言葉は礼儀の大事さを問うた言葉です。

人の家に入るときはかぶっていた笠を脱いでから入りなさい、という意味になります。

つまり人間関係上において礼儀や挨拶をわきまえて行動せよ、という戒めですね。

「郷に入れば郷に従え」も新参者から挨拶に出向くのが礼儀である、という発想がありますから類語扱いとなるのです。

所の法に矢は立たぬ

「ところのほうにやはたたぬ」と読みます。

その土地や地域の定めは例え不合理であったとしても、そこにいる限りはそれに従うしかない」という意味になります。

意味的にはまさに「郷に入れば郷に従え」ですね。

そこのしきたりや風習が時代遅れで不合理甚だしいものであったとしても、そこに所属している以上、文句を言うと厄介なことになるので大人しくしていなさい、という解釈になるのです。

「郷に入れば郷に従え」古くから伝わる処世術

今回は「郷に入れば郷に従え」という言葉を徹底的に解説してまいりました。

私たちは常に何らかの組織に属しています。

住まいのある地域、学校、会社、趣味の集いなど「郷」の形は様々です。

しかし、それらのどれにしても人と人の関わりは無くなることはありません。

つまりいかにしてより良い人間関係を作れるかが、賢い生き方としての永遠のテーマになるのです。

人の心は弱いものです。

疑心・恐れ・不安・嫉妬などはマインドコントロールしようにもなかなか出来るものではありません。

相手からそのように思われないように手を打っていくことが肝心なのです。

何事も最初が肝心です。

手を抜かずに礼儀とマナーを守っていきましょう。