「譲歩」という言葉についてみていきましょう。

「譲歩」という言葉は日常会話で頻繁に使われる言葉です。

正しく覚えて正しく使っていくことであなたのボキャブラリーを増やしコミュニケーション能力の向上に役立ってくれることでしょう。

「譲歩」の意味や使い方を紹介!

「譲歩」の意味や使い方について紹介していきましょう。

「譲歩」の読み方は?

まず読み方ですが「じょうほ」と読みます。

特に難解な読み方ではありません。

「譲歩」の意味

では「譲歩」の意味について説明していきましょう。

自分の意見を押し通さずに、相手の考えに従うこと

「譲歩」とは、「自分の意見を押し通さずに、相手の考えに従うこと」となります。

ただ、この場合の「従う」は心から従っているわけではありません。

相手との交渉を長引かせたくなかったり交渉決裂といった事態を避けるための手段ともいえます。

いずれにしても相手の意見を採用してこちら側は引く。

そういった意味合いになります。

自分の主張を抑えて、他人の考えと折り合いをつけること


また、「自分の主張を抑えて、他人の考えと折り合いをつける」という意味にもとれます。

意見や考えなどの主張をいつまでも言い合っていては結論が出ません。

特にビジネスの場でそのような事を行なったらスピード性が損なわれ利益を逸してしまうかも分かりません。

「譲歩」の由来

それでは「譲歩」の由来についてみていくことにしましょう。

「人に道を譲る」の意味から

「譲歩」という言葉の語源は中国から伝わった言葉だという説もあるようですが、確かな説ではないようです。

元々の言葉の由来は「人に道を譲る」というところからきています。

当時は今のように道路事情がよくなかったでしょう。

危ない細い道が多かったものと思われます。

どちらかが道を譲る行為をしないとすれ違うことさえ危険な場所が多かったのでしょう。

「譲歩」はそういった背景から生まれてきた言葉のようですね。

「譲歩」を1文字ずつ読み解く

それでは次に「譲歩」という言葉を分解して1文字ずつでみていきましょう。

「譲歩」の「譲」

「譲歩」の「譲」は「譲る」という意味の言葉です。

「譲る」とは、ものや地位・権力などを人に与える、あるいは欲しい人に売る。

自分を後回しにして他者を先にする。

自分の主張を控えて他者の主張を通す。

別の機会に延ばす、などといった意味があります。

いずれにしても自身が取得するのでなく、他者の方に権利やものなどを渡す、といった行為を指していいます。

「譲歩」の「歩」

「譲歩」の「歩」は「歩む」という言葉です。

「歩く」「歩む」とは、足を交互に動かして前進する、という意味のほかに月日を経る、人生を送る、物事が進行・進展する、出かける、行く、といった意味もあります。

いずれも何かが前を向いて進行しているさまを言い表した言葉となりますね。

「譲歩」の使い方

では「譲歩」の使い方について説明していきましょう。

「譲歩」そのままでは名詞として使用

「譲歩」自体は日常会話では名詞として使います。

「譲歩」のあとに「れ」や「く」など動きを表す言葉は使いません。

よって一般的には「譲歩」一文字で一つの意味を表す単語として使いましょう。

動詞として使うには「譲歩する」など

ただ全く名詞的な活用だけというわけでもありません。

時として動詞的な活用もします。

例えば「譲歩する」といった使い方です。

「する」「しなさい」などを後ろにつけることによって動詞としても使える言葉なのです。

自分が折れるというニュアンスを含む

「譲歩」という言葉のニュアンスには「自分が折れる」といった意味合いが強いでしょう。

単に相手に道を譲るといった単純な解釈にならないケースも結構あるということです。

「自分が折れる」ということは論戦に完璧に敗れた場合、もしくは話が長期化しそうなので事態を収めるために今日のところは自分が引き下がっておく、といった使い方も派生してきます。

そういった場合、少なからずも自分の心に「敗北」というマイナスのイメージを植え付ける可能性もある言葉であるということも理解しておきましょう。

ビジネスシーンでも使われる言葉

「譲歩」という言葉はビジネスシーンにおいても頻繁に使われます。

相手の言い分とこちらの言い分を調整しながら進めていくのがビジネスの基本です。

一方的にどちらかの言い分を聞き入れるような展開はビジネスとは言いにくいでしょう。

円滑なビジネスにまとめるためにはどれだけ利益を確保できるかどうかにかかってきますが、相手との信頼関係の構築なしには良きビジネスは生まれません。

譲るべき点は譲って、お互いの儲けを見出す。

そのためには「譲歩」という手段は欠かせないのです。

「譲歩」はビジネスにおいてなくてはならない駆け引きの一手なのです。

譲歩した相手の前ではあまり使わない

「譲歩」という言葉はそれを行った相手の前では口にしないのが鉄則です。

そこを恩着せがましく「譲歩してやったから」みたいな言い方になってしまうとせっかくまとまりかけていた話も頓挫してしまうでしょう。

「譲歩」という言葉には、相手に卑屈さを感じさせてしまう要素も含まれます。

相手の言い分をやむにやまれず飲まされる展開も往々にしてあるからです。

よって「譲歩」という言葉はできたらあまり口に出さない方が相手のプライドを壊さないで済むかもしれません。

「譲歩」の例文


それでは「譲歩」を用いた例文をみていきましょう。

彼女があの映画が見たいと言うので今回は僕が譲歩した

この例文の「譲歩」の対象は、観たい「映画」です。

主人公である「僕」は彼女と映画の趣味が少し違うようですね。

彼女は主人公の興味のない映画にぞっこんのようです。

主人公はどうせ行くなら違う映画に行きたかったのでしょうが、彼女との関係がこじれるのもよくありません。

結局、今回は自分が「譲歩」して映画を見る優先度を彼女に渡した、ということになります。

お互いにとってより良い提携を結ぶためにこちら側が譲歩した

この例文の背景はビジネスシーンなのでしょう。

企業同士の提携関係を結ぶにあたって、是非とも提携しておきたい企業との交渉が少々、こじれたようです。

しかし、この提携関係を結んでおけば生来的には損失は少ないと見込んだのでしょう。

契約を結ぶ段階においてこちら側が「譲歩」して相手有利な関係で提携を結んだ、という図式になるのでしょう。

食事に対しては何を言われようと譲歩するわけにはいかない

この例文の主人公は、食べることにかなりこだわりを持っているのでしょう。

食事に関しては「譲歩」できない部分が多数、あるようです。

「譲歩」できない部分ははっきり分かりませんが、もしかしたらテーブルに並ぶ料理の数、あるいはメニュー、はたまた素材にこだわりがあるのか。

そのあたりは定かではないですね。

食べることに命を懸けている方も多いのは間違いありません。

美味しい食事は何よりの楽しみですからね。

あまりに低姿勢過ぎると、かえって譲歩してもらえなくなる

ビジネスや商談の場においては、相手との適正な距離感、空気感というものが重要です。

つまりあまりに上から出てもいけないし、かといって下手に出過ぎても相手の機嫌を損なってしまう可能性があるからです。

相手が「譲歩」してくれるかどうかはこちらの出方次第のところもあります。

話の要点や肝を的確に掴み失礼に当たらないように話を進めていく。

運命の分かれどころは教科書にも書いていません。

自分の経験と勘が頼りになってくるでしょう。

とても厳しい条件を目にして、私は取引先に譲歩を求めた

ビジネスの場において、取引条件がこちらにとって非常に厳しくなるケースは往々にしてあることです。

黙ってそのままにしていたら相手の言い値通りで決められてしまいます。

何とかしてこちらの言い分を聞いてもらい「譲歩」してもらうためには相手の懐に飛び込んでいく覚悟がいるのです。

ビジネスとはいつ、いかなる時でも命懸けです。

少しでも有利な条件を獲得するために双方、必死な商談を行います。

ただ、安易に「譲歩」を頼んでも相手は簡単に容認してくれないでしょう。

ただ、相手も人間です。

話の中に心を打つような何かを感じさせれば決行、「譲歩」も取りにくいものではないのですよ。

「譲歩」の類語

それではここからは「譲歩」の類語をみていきましょう。

妥協

「妥協」とは、対立していた問題につき、双方が譲りあって一致点を見出して穏やかに解決する、という意味になります。

双方が、という点で少々ニュアンスが変わりますが、譲るという部分においては疑う余地のない類語となるのです。

「譲歩」も片方だけの立場で見れば「妥協」したといってもいいかも分かりません。

ただ細かい意味合いは確かに違ってきますので、使うべき場面をよく見極めて使い分けたいものです。

折り合い

「折り合い」とは、「譲り合って解決する」という意味になります。

「折り合い」も双方がよく話し合った末にお互いが一致点を見出すさまは「妥協」とよく似た意味の言葉となります。

そう思うと「譲歩」は片方が一歩下がってその場の一致点を探る行為になります。

つまりもう片方は終始、強気に出ているということがいえますね。

このあたりのニュアンスが微妙に意味合いを変えているということになるのです。

歩み寄り

「歩み寄り」とは、意見や主張の違う両者が条件などを譲り合う行為をさしています。

この言葉も「妥協」や「折り合い」と同じ意味をなしてきます。

ただ、「譲歩」も片方のみとはいえ相手の主張に対して歩み寄った末の結果というふうに捉えられます。

しかし、歩み寄るにしてはかなり苦渋の決断を強いられた結果の答え、ともいえるでしょうね。

折衷

「折衷」とは、いくつかの異なった考えの良いところだけを取り合わせて一つにまとめた考え方になります。

つまりこれも双方が「妥協」した発想になります。

「折衷」で代表的な例は「和洋折衷」という言い方になるでしょうか。

特にお正月の定番、おせち料理などによく使われる言葉です。

双方のいいところだけを取り入れたものですね。

ただ、厳密にいえば全てのいいところを取り入れてもらっているわけではありません。

取り入れてもらっているのはごく一部だけです。

そのあたりの思いを考慮すれば「譲歩」した、という解釈も成り立つ言葉といえるでしょう。

協調

「協調」とは、利害や立場が違うもの同士がお互い歩み寄って協力しあうさまをいいます。

この際、双方が歩み寄る際に互いの考えや主義を「譲歩」して手を握り合っているということになるわけです。

よって、協調という行動は組織が円滑に機能するために非常に有効なものであると同時に、「我慢」と「忍耐」が常に隣り合わせていることも忘れてはなりません。

そういった意味では「譲歩」にも限界があるということになるのです。

ただ、主義主張の違う人間同士が手をつないで戦争や紛争による災禍を最小限に食い止めるためにはこういった「譲歩」の発想が欠かせないのです。

それが行えないケースが交渉決裂、あるいは議論の平行戦となるのです。

どちらかが自分たちの利益ばかりを優先的に主張ばかりしていたらいつまでたっても争いのない世の中はやってこないということになりますね。

互譲

「互譲」とは、読んで字のごとく「互いに譲り合う」という意味になります。

この「譲り合い」の精神が大いに発揮されるのは自動車の運転があげられるでしょう。

狭い道路を通行する際どちらも互いに譲り合う精神を持っていれば嫌な思いをせずに済むわけです。

この考えが世の中を住みよい社会にするために欠かせないものなのです。

「互譲」の精神には恐らく「譲歩」するという意識があるはずです。

相手の立場を考えず自分の事ばかり考えていたらとても狭い道路は渡り切れないでしょう。

少し自分の主張を後退(譲る)させるだけで世の中は円滑に回るということです。

「譲歩」を覚えておけば色んな場面で使える!

今回は「譲歩」について紹介してまいりました。

「譲歩」という言葉は私たちが生きていく上での様々な場面で登場しています。

それほど使用頻度が高い言葉ということになるのです。

「譲歩」の正しい意味をしっかり把握し、タイムリーに使っていきましょう。

必ずやあなたのコミュニケーション能力のお役に立ってくれることでしょう。