それはつまり、自分が人からどう思われようと気にならない性格ということです。
周囲の視線や他人の意見に左右されやすい人からすれば何とも豪胆で羨ましく思えるかもしれません。
とはいえ、とんちんかんな人はあまりにも気にしなさすぎるきらいがあるため、自分の振舞いによっては自分の立場や首を絞めてしまうことにもなりかねません。
とんちんかんになってしまう原因とは
とんちんかんな人は、生まれつきとんちかんなのでしょうか?
それとも、成長していく過程で何かの理由があってそのような性格になったのでしょうか?
人によって原因はさまざまですが、一般的に周りの人から「とんちんかんな人だ」と称される人に多い理由を以下にまとめました。
1. コミュニケーション障害
最近では「コミュ障」と称されることも多いコミュニケーション障害ですが、何かと「自分はコミュ障だ」と自称する人は大抵コミュニケーション障害ではありません。
少し人付き合いが苦手だったり、他人と関わることを億劫に感じたり、自分に都合が悪いことがあると「コミュ障だ」と言い訳をしているのが大半です。
本当にコミュニケーション障害の人は、視覚や聴覚、発声や発語、知的障害などにより自分の意志を相手に伝達したり、相手の意志を理解して他人と円滑なコミュニケーションを取ることが出来ません。
性格云々の問題ではなく、実際に障害があって他人とのコミュニケーションを上手に取ることが出来ません。
そのため、コミュニケーション障害が原因でとんちんかんな行動になってしまっている人の場合は、その人に対してあれこれと求めるのではなく、周りがその人を受け入れる体制を整える必要があります。
とはいえ、コミュニケーション障害は多くの精神病のように、目に見えて分かるものではないため、中々理解され難い現状があります。
2 アスペルガーの可能性も
アスペルガーは、正式名称を「アスペルガー症候群」と言います。
何らかの理由により、脳に微細な損傷が生じ、その結果当人の人格にさまざまな問題を引き起こしてしまいます。
知能自体は一般的な人と何ら変わりはありませんが、社会性や社会の中での適応性が低く、他人とのコミュニケーションが上手く取れない、場の空気が読めないなどの人間関係におけるトラブルが発生しやすいです。
また、自分の中での決め事は絶対で、少しでもそれが狂うと途端にパニックを起こしたり、手順通りに物事を進めなければ上手く出来なかったりもします。
アスペルガーもコミュニケーション障害同様に、目で見えるものではないため大抵は周りから「本人の努力不足」や「甘えている」と冷たい評価を下されることが多いです。
しかし、れっきとした精神的な障害の一つですので、決して本人が悪いわけではありません。
ただそれを周りの人が理解出来ないことが多いため、世間からさまざまな冷たく厳しい評価や態度を受け、当人がとても辛い思いをしているのが現状です。
3. 自閉症の可能性も
自閉症は、脳の発達や成熟が何らかの原因によって障害されることにより、他者との心を通わせることが不自由になる神経発達の病気の一種です。
自閉症の場合は3歳までに発症すると言われているため、一般的なコミュニケーション障害とはまた少し違っています。
自閉症の人は自分の世界の中だけで生きていることが多いため、他者に対して興味を抱かず、また社会性に乏しい特徴があります。
アスペルガー同様に自分の中での決め事は絶対で、それが少しでも狂うとパニックを起こします。
他の人から見れば奇妙に思えるような行動も多く、極端にコミュニケーションを苦手としているため、人と話をする時にも目線を合わせることが出来ません。
また、他人に対して愛着を示しにくいのも特徴の一つと言われています。
もしとんちんかんだと称されている人が、極端に人との接触を避けたり、あたかも自分の世界に浸っているような場合には、自閉症の可能性もあります。
とはいえ、自閉症の場合には大抵子どもの頃からそうだと分かっているため、社会に出る際には障害手帳を持ち歩くなど、周囲が予め把握していることも多いです。
4. 生育過程で親との会話が正常ではなかった
子どもは学校に通い始める前から、家庭の中である程度の社会性を学びます。
特に自分の親となる存在とは非常に距離が近く絆も強いため、子どもの性格は親の教育の影響がダイレクトに表れます。
もし生育過程で親との会話が一般的な家庭の会話ではなかったり、親子間が不仲だったりした場合には、人間関係において十分なコミュニケーション能力を身につけることが出来ずに、成長してからも周りの人とは少し違った性格になることが多いです。
もちろん個人の性格はその人によって違いますが、生育過程で多少なりとも問題があった人の場合には特に、一般的な常識や物事の考え方、人とのコミュニケーションの取り方などが一般的ではないことが多いです。