パスツレラ症は犬や猫同士などでは一般的に目立った症状はあまり見られない事が多いですが、まれに死亡してしまう例もあります。
人間がパスツレラ症に感染した場合、一般的には無症状である事も多いですが、パスツレラ症のおよそ6割が呼吸器疾患が起こり、肺炎や気管支炎、重症の場合は髄膜炎になってしまう可能性があります。
そして、パスツレラ症のおよそ3割が犬や猫から受けた咬傷や掻傷が30分から数時間程度経過した後、発赤して激痛を伴い、腫脹を起こしてしまう可能性があります。
その為、ペットの爪は伸び過ぎないようこまめに切ってあげましょう。
ペットと遊んでいる時に、自分の体に傷がついているのを確認したら、すぐに消毒をしてパスツレラ症の疑いがあれば早めに病院で医師に相談をするようにしましょう。
赤ちゃんには舐めさせない
赤ちゃんがいるご家庭でペットを飼っている場合は、ペットに予防接種を必ずしておくようにしましょう。
成人と比べて赤ちゃんは肌がデリケートであり、免疫力も低いので犬や猫が持っている細菌を赤ちゃんに感染させてしまう可能性があります。
赤ちゃんのいる部屋は常に清潔に保っておくようにしておきましょう。
床に落ちているペットの毛にはホコリや、ノミなども混じっている可能性もあり、免疫力の弱い赤ちゃんにはアレルギーやぜんそくを起こす原因になりかねません。
また、赤ちゃんとペットが同じ部屋にいる時は、なるべく赤ちゃんを床などに寝かせないようにしましょう。
ペットには悪気が無くても、赤ちゃんを舐めたり、じゃれてるつもりで噛みついてしまう事もあります。
特に気を付けなければいけないのは、赤ちゃんとペットをキスさせる事です。
一見、可愛らしく見える光景ですが、上の記事でもご紹介した通り、犬や猫の口の中にはパスツレラ菌が潜んでいます。
万が一、ペットの口から口からそのような菌が感染してしまったら大変危険です。
勿論、赤ちゃんだけではなく、大人にも感染してしまう可能性がありますのでそのような事はしないように気を付けましょう。
このように、動物から人間に感染を及ぼす感染症の事を動物由来感染症(ズーノーシス)と呼ばれており、パスツレラ症もその一種です。
以前は、狂犬病の発生によって、色々なメディアで取り上げられましたが、予防接種をする事で、最近ではあまり見られなくなりましたが、近年ではペットからのズーノーシスが発生するケースが注目されています。
中には死に至る場合もありますので飼い主である人は十分理解し、家族やペットに悲しい思いをさせないよう注意しましょう。
ベビーサークルを設置する
赤ちゃんとペットを共存させる場合は、ベビーサークルを設置するのがオススメです。
犬や猫だけでなく、まだ小さな赤ちゃんは突然どんな事をするか分かりません。
大人が目を離している時に、じゃれているつもりが赤ちゃんを傷つけたり、舐めてしまうかも知れませんし、寝ているところをペットが邪魔してしまうかも知れません。
そしてこれは赤ちゃんがペットに対してもしてしまう可能性もあるのです。
お互いに嫌な思いをしないよう、予め赤ちゃんをベビーサークルの中に入れておくようにしましょう。
手洗い・うがいはしっかり
可愛いペットと目一杯遊んだら、手洗い・うがいをしっかりをしておくようにしましょう。
簡単な事ではありますが、手洗い・うがいをするだけでも、多くの雑菌を取り除く事ができるので、動物から人間への感染予防になります。
また、ペットに直接触っていなくても、ペットのトイレやケージの中を掃除をした後も、手洗い・うがいを忘れないようにしましょう。
目には見えなくても、細菌や病原体が手に付着している可能性がありますので石鹸でしっかりと洗うようにしましょう。
こまめに掃除をしてあげる事で、ペットのトイレやケージの中の細菌の増殖を防ぐ事にもなります。
このようにペットの身の回りを綺麗に保つ事は、飼い主がきちんとやってあげるべき事です。
消毒もしっかり
ペットを触った後に消毒をする事も大切ですが、ペットを触る前にも消毒をする事も大切な事です。
実際に、ペットショップなどでは仔犬や仔猫を触る前に必ず消毒をする事が義務付けられている場合があります。
勿論、その場合の消毒とは動物ではなく人間の方です。
人間の赤ちゃんと同じように、仔犬や仔猫はまだ免疫力が十分に備わっていません。
他の動物を触った手で安易に他の動物に触れるのは細菌や病原体を感染させてしまう可能性があります。
また、他の動物に触れていなくても、いつどこでどんな細菌が付着しているかも分からないのです。
また、野良犬や野良猫を触ったその手で、ペットに直接触れるような事も感染症のリスクがあります。