まずは測量の分野でのベンチマークについて見ていきましょう。
建造物の位置や高さの基準点
測量をする際に大事になるのは、絶対に動く事の無い物です。
この動くことのない物を基準(ベンチマーク)とするのですが、動く事の無い物として代表的な物には、敷地や建物の高さの基準レベル点などを意味します。
建築業では、工事中の場合撤去する事のない物や、動く恐れのない道路構造物をベンチマークに使うのです。
ベンチマークとして使用される道路構造物には、道路の縁石やマンホールなどをベンチマークとする事が多いようです。
また、建築で使う設計図にはベンチマークの事を(BM)と略して記入します。
コンピュータでのベンチマーク
コンピュータの分野でもベンチマークという言葉を使うのですが、このコンピュータの分野でのベンチマークという物は、主に指標という意味での使い方をします。
主にハードウェアやソフトウェアの性能を測定する時に使います。
ソフトウェア・ハードウェアの性能測定の指標
コンピュータでは、ソフトウェア・ハードウェアの性能の測定の指標となるのですが、性能の測定の指標と言ってもピンと来ませんよね。
例えば、コンピュータの動作速度などを調整したり評価したりする際の基準という意味で使用するのですが、1つまたは複数のプログラムを実行しした結果を使用して比較又は評価しますが、この時に結果を記録したものをベンチマークスコアと呼びます。
ベンチマークテスト
実際にコンピュータの性能を比較する事を「ベンチマークテスト」と言います。
これは、同種の製品を比較するためのテストという意味で使用されます。
テストでは、テスト用プログラムを使用してソフトウェアやハードウェアの性能を計測します。
CPUの処理速度やメモリアクセス速度、またグラフィック描画速度などを評価します。
また、時にはコンピュータのシステム全体の処理性能を評価する事もあります。
これは、具体的な数字を元にシステム全体を評価する事でコンピュータシステムや製品がどの程度優れているのかを、知る事を可能にします。
オンラインゲームなどでベンチマークテスト版を配布する場合もあるので、ゲーマーの形には、やや馴染の深い言葉では無いでしょうか。
また、特定の結果を返す様なプログラムを作成するときに、複数の手法がありどの手法が最も効率的なのかを知りたい場合にもベンチマークテストを実施する事があります。
これは、既存のベンチマークソフトを使用するのではなく、数項目の調査をできる処理を作成し、プログラムに埋め込んで計測するのです。
また、同じソースでもコンパイラの設定で実行速度も変わりますので、どの設定が最善なのかを調べる際にもベンチマークテストを行い調査します。
自動車でのベンチマーク
先にお話いたしましたが、自動車の場合にはベンチマークの設定が少し違い、頻繁にベンチマークが変わってしまいます。
これは、目標という意味で用いられている事が要因でしょう。
その為、完成度の高い自動車がベンチマークとされ、更に完成度の高い自動車が発表されるとその車が新しいベンチマークになってしまいます。
しかし、歴代で評価の高い車が存在しているのですが、その様に評価の高い自動車は他にも優れた車があってもベンチマークにされることがあります。
フォルクスワーゲンのゴルフや、ポルシェであったり、BMWやスズキワゴンRなどがベンチマークとなる事が多いです。
これは、誰もが憧れる車種や、画期的だった車に多いようです。
とはいえ、自動車業界で使用されるベンチマークには、定義がほとんど無く、自動車評論家と言われる人たちの評価によって決められているので、他の分野で使用されるベンチマークとは違い、個人的な趣向等も含まれた曖昧なものの様です。
最近では、燃費を気にする方が多いかと思いますが、10・15モード燃費などカタログに記載されているような物が本来であれば、ベンチマークとされるべきですが、その様な項目がベンチマークになる事はほとんど無いようです。
カタログ数値は運転の技術によって変わってしまう事が原因かもしれませんね。
高評価の車のこと
自動車業界でベンチマークと言えば高評価の車だとお話しましたが、高評価というのはどの分野かと思われていらっしゃる方もおられると思います。
一般の方たちの高評価というと「安全性」例えばトヨタセーフティやホンダセンシング、アイサイトなどがあげられるかと思いますが、自動車に対して評価をしているのは、自動車評論家でありこの自動車評論家が評価した、乗り心地や加速感、ハンドリング等の項目でベンチマークが設定されてしまい、この項目の中で評価の高い車をベンチマーク(目標)と設定しています。
なので、最新の自動車が発表されると評価が変わりベンチマークも変更されてしまいます。
自動車業界での目標
ベンチマークの自動車を目標としては、過去に人気があった車種を目標として、更に乗り心地や燃費、安全性能を向上させてより良い車を発表しようとする傾向から、開発や設計また政策の過程で、過去の車自動車をベンチマークと設定する事があるようです。