例えあなたが相手に優しくしても、相手は優しくしてくれないこともあるでしょう。
また、もしあなたが相手を信頼して行動したとしても、もしかしたら相手はあなたを裏切るかもしれません。
人の性格は十人十色ですので、あなたの思惑と他の人との思惑が違っていることも珍しくはないでしょう。
そもそも人間嫌いってどんな感情なの?
そもそも人間嫌いとはどのような感情なのでしょうか?
自分という人間が嫌いだから、「自分を含めたすべての人間が嫌い」という人もいれば、「自分以外の人間が嫌い」という人もいるでしょう。
しかしどちらの人間嫌いでも、他人に対して極度に距離を置き、コミュニケーションや人間関係の構築を積極的に図ろうとはしません。
自分であれ他人であれ、とにかく「人間が嫌い」という点で共通しています。
『他者との距離感や付き合い方が分からない』
他者との距離感や、付き合い方が分からないから人間嫌いだという人の場合は、子どもの頃からあまり他人と親密に関わる機会がなかったことが多いです。
例えば子どもの場合、見ず知らずの子と会った時に、まずはその相手との距離を図ろうとします。
話しかけたり、一緒に遊んでみたりして、自分と相手の子どもとが仲良く出来るかどうかを無意識に考えます。
子どもでもそうして自分から相手との距離感を図ったり、付き合い方を模索したりします。
しかし、大人でそれが出来ない人の場合には、小さな頃から家族や他の子どもと関わる機会が少なかった人が多いです。
また、早い内から人間関係でトラウマが出来てしまって、そこから長い間他人との接触を避けていた人の場合にも、いざ外に出た時に他者との距離の図り方が分からないことも多いです。
「人間なんて滅ばしてやる」と言ったものではない
人間嫌いな人は「人間なんて皆滅ぼしてやる」といった凶暴な考えを持っているかというと、そういうわけではありません。
自分の世界に閉じこもってしまっていて、外に出て他者と関わることに恐怖を感じているだけなのです。
そのため、自分や周囲の人間のことを嫌いとは言っても、それが憎いというわけでもなく、また消えてしまえ、滅ぼしてしまいたいと考えているわけではありません。
例えるなら、未知のものに怯えて自分を守るために周りを攻撃している子どものような存在が、「人間嫌い」なのです。
家族であっても上手く接することが出来ない
心の壁というのは、本人が堅く閉ざしている内は、例え家族であっても簡単にその内側へと入ることは出来ません。
むしろ、家族だからこそ拒絶するという人も中にはいます。
どれだけ親しい間柄であっても、本人の気持ちは本人にしか分からないものです。
そのため、親が子どもを理解しようとしたところで、当の子どもが親に心を開かない限りは、子どもの気持ちを親が理解することは出来ないのです。
そのため、家族であっても当人とは上手く接することが出来ない場合も少なくはありません。
克服したい気持ちがあれば克服できる
人は気持ちの持ち方によって、何だって出来ます。
パイロットや宇宙飛行士になりたいと思ったら、懸命に努力をすればなれないことはないのです。
それと同じで、人間嫌いも本人が克服したいと思えば、必ず克服出来ます。
それは、「克服したい」という本人の気持ちがすでに前向きなので、積極的に自分から治していくことが可能なのです。
しかし、裏を返せば本人にその気がなければ恐らく一生人間嫌いを治すことは出来ないでしょう。
何故なら、本人に「克服したい」という気持ちが一切ないからです。
人は生きていく上で、どんなに機会を減らしても、必ず他者と関わっていかなければ生きてはいけません。
それならいっそのこと、人間嫌いを克服して、自分が生きていきやすいような環境を作っていった方が、自分自身のためになるというものです。
苦痛のない他者との関係を築き、人間関係をより円滑なものにするためにも、人間嫌いはぜひ克服しておきたいものですね。