もし、誰かの助けになりたい、誰かの気持ちを感じ取りたいと思うなら、その人についてよく知らなくてはいけません。
人の事を観察すれば、その人のいつもの様子、そしてストレスを感じているときの様子などを知る事ができます。
家族でも、お互いをよく観察している仲のよい家族は、「今日は疲れているな」、「今日は元気だな」、「今日は何かやなことがあったのかな?」という相手の様子の変化を一瞬で感じ取る事ができますよね。
それは、普段から相手のことを観察していなければわからないことでしょう。
そして、人をよく見ている人は、その人が得意とすることや逆に苦手とすることも見て取ることができるようになります。
性格、考え方や感情の傾向、行動パターンなども、観察することによってわかることです。
相手のことをよく知ろうとしている、ということはその人への関心があり、その人に注意を払っている、ということですね。
そのような人への関心や気遣いは、思いやりを持って接することへの第一歩ということができるでしょう。
人の行動を先読みできる
人を観察していると、その人の行動パターンや傾向というものを知ることができる様になりますよね。
それで、「あ、これをしているから次はこれをするな!」と、その人の行動をある程度先読みすることができるようになります。
例えば、家族であればご飯のあとには毎日コーヒーを飲む習慣がある人がいるなら、「あ、そろそろコーヒーがほしいかな」ということの察しがつくわけです。
それで、言われる前にコーヒーを差し出すことができたら、「なんて気がきくんだ!ありがとう」と相手に感謝されることでしょう。
疲れている様子だったら、「あ、きっと今からちょっと部屋に入って一人になるんだろうな。そっとしておいてあげよう」と気持ちを配慮して、ちょうどお願いしたかった仕事があっても、それを後回しにできるかもしれません。
それで、人の行動を先読みできるなら、いちいち言われなくてもその人が必要としていることをしてあげられたり、相手にとってもベストと思える行動をすることができるんですね。
人の気持ちを察せる
人の気持ちって他人には100%わかるわけではありませんよね。
だから、言葉にして表現してもらえないとわからないこともあります。
でも、言わなくてもこちらである程度考えて察することもできるでしょう。
しかし、それができるようになるためには思いやりが必要です。
なぜなら、人の気持ちを察するためには、その人の立場に立って考えることができるようにならなくてはいけないのです。
それで、人の気持ちを察することができる人というのは、いつも「自分だったらどう思うだろう」、「自分だったらどう感じるだろう」ということを考える事ができているのです。
それができていない人は、自分の主張だけを押し付けたり、自分の側から見た意見や考えだえで行動してしまうことがあるかもしれません。
「自分が相手の立場だったら・・・」ということを考えることができるなら、真実なことでも「今コレを言ったら相手はどんな気持ちになるかな?」ということを考えることができるので、言うべき場所やタイミングというものを考えるでしょう。
それに言い方にも配慮することができるでしょう。
そして、相手の気持ちを察することができる人は、自分の言葉や言動が相手にどんな受け止められ方をするのか、どんな影響を与えるのか、ということを考えることができて、相手に取って受け入れやすい方法で伝えようとすることができるのです。
それに、気持ちを察することができる人は、誰か他の人の言葉や言動でその人が傷ついていたり、迷惑をしているときなどに、その人を守ってあげる行動も取ることができます。
人の本当の気持ちなんてわからない、言葉にしなければ伝わらないんだから、考えてもしょうがないという意見の人もいるかもしれませんけど、「自分だったらどうしてほしいかな」とか相手の立場に自分の身を置いて「自分だったらどう感じるかな」ということを考えることはできます。
相手のことをよく観察しているなら、表情や仕草などでも相手の気持ちを察してあげることができ、その気持ちに寄り添って行動することができるでしょう。
積極的に声をかける
気持ちを察する事ができるから、その人が不安そうにしていたりとか、何か困っている事に気づくことができます。
でも、それに気づいただけで何もしないなら気づかなったと同じことになってしまいます。
それで、本当の思いやりがある人は、自分が気づいたことに基づいて自分から行動することができます。
何か困っていそうにしている人がいたら「大丈夫ですか?」と声をかけるだけでも、その人を気遣っていることを知ってもらう事ができますよね。
実際には、何も助けてあげることができないとしても、その人に関心を払っていることはよく示すことができ、その気持ちがその人にとってすごく慰めになったり励ましになったりすることができます。
職場でも、部下のことをよく観察して思いやりをもっている上司は、落ち込んでいる部下の事を気にかけて「ちょっと飲みにいこう」と声をかけてくれることもありますよね。
その部下が気持ちを話せる機会を自分からつくってくれるのです。
そんな部下思いの上司がいたらいいですよね。
他人に関心をもち、思いやりを行動に表すことができる人は、困っている人や助けが必要な人に”自分から”声をかけることのできるやさしさをもっているんですね。