皆さんは『エモい』という言葉を聞いたことがありますか?聞いたことはあるけど使ったことはないという人もいれば、よく使うという人もいるかもしれません。
ただ、全く知らない人からすると『エモい』と言われても、全くピンときませんし、何を表している言葉なのかよく分かりませんよね。
今回はこの『エモい』というワードに注目して、語源や関連するワードを紹介していきたいと思います。
『エモい』は古い?新しい?
そもそも『エモい』というのは、最近できた新しい言葉なのか、古く懐かしい言葉なのかというのも疑問ですよね。
雰囲気的に今はあまり使われなくなったギャル用語の一つのような気もします。
でも実はこの『エモい』というワードは三省堂による“今年の新語2016”で2位に選ばれたものなのです。
かといって本当に新しい言葉なのかと言うとそうでなはく、やはり2002年ごろに女子高生など若い年代の間で一度流行語になっていました。
時代は繰り返す…とはよく言ったものです。
しかし2000年代前半に流行った『エモい』と2016年から現代で使われている『エモい』は同じ意味ではないようです。
『エモい』の基礎知識
では改めて『エモい』という言葉がどうやって生まれたのか、どのようなシーンで使われているのか具体的に見ていってみましょう。
emotionの形容詞化したもの
『エモい』の“エモ”は“エモーショナル”。
エモーショナルというのはemotionの形容詞形となっており、感情的・情緒的というような意味合いを持っています。
例えば「エモーショナルなライブだった」など、音楽や芸術の分野を称賛するような場面で使われることが多い形容詞です。
ただ劇的に激しいだけではなく、哀愁を誘うような感傷的な演出があるようなもの悲しさを含んだ時に使います。
感情に訴えかける様なパフォーマンスに心を突き動かされたり、感銘を受けたようなシーンを表現する時にピッタリの言葉なんです。
意味
エモーショナルが略されて『エモい』という言葉が作られたということなので、『エモい』の意味もエモーショナルとほぼ同じです。
感傷的で情緒ある物事に対して『エモい』と表現をします。
『三省堂国語辞典』の編集委員を務めている飯間浩明さんによると、『エモい』は古語でいう“あはれ”という意味とほぼ同じなのではないかという見解もあり”「いとあはれ」と言っていた昔の宮廷人は、今の時代に生まれたら、さしずめ「超エモい」と表現するはずです”」というツイートをして注目を集めました。
(引用元※https://twitter.com/IIMA_Hiroaki/status/805678663463112704)
古語で良くつかわれる「いとあはれ(あわれ)」というのは、情緒的なこと・いとおしさ・慕わしいことという意味があります。
感動を受けてしみじみとその立派な有様を噛みしめたりするような感情を表す際にも使われます。
言われてみれば確かに似ているかもしれませんね。
2000年代前半に使われていた『エモい』
女子高生…いわゆるギャル達が主に使っていた『エモい』は、上記で紹介した意味合いとは全く違う言葉です。
エモいと聞くと、ちょっと似た響きのあるワードが思い浮かびませんか?なんとなくお察しの方も多いと思いますが、お察しの通り“エロい”と“キモい”です。
この2つが組み合わさって『エモい』という言葉になりました。
スケベで気持ち悪い様子の人に対して「なにあの人、めっちゃエモいんですけど~」なんていうギャルの様子は容易に想像できますね…。
使い方
実際に『エモい』という言葉を使っている人はどんな風に会話に取り入れているのでしょうか。
会話している様子を思い浮かべながら考えてみましょう。
例1「この曲はものすごくエモい。」
曲やライブなど音楽パフォーマンスに対して『エモい』というのは、その様子がどこか感傷的で刹那的だったりするような曲調や歌詞の場合に使われます。
激情を煽られて興奮しながらも、どこか胸の奥がジーンとするような感覚でしょう。
例2「今夜はなんだかエモい夜になりそうだ。」
どこかしっとりとした雨の日や、お洒落なバーで一服している時など、なんだかしみじみとして感傷に浸っている時も物凄く『エモみ』を感じますね。