平安時代の”うつくしむ”の変化
この慈しむという言葉はもとは平安時代から使われている「うつくしむ」の変化であることはご存知でしょうか?
もともと「うつくし」には「可愛らしい」という意味があり、それの動詞が「うつくしむ」にあたるのです。
よく枕草子などで書かれていることが多いかもしれません。
学校の授業で習った人もいるでしょう。
「うつくしむ」というのは元々その「可愛らしい」という古語だったのですが、現代になるにつれて「慈しむ」という形に変化をしていった言葉になるのです。
慈しむの連用形
慈しむの連用形であるのが「慈しみ」です。
まず連用形というのは、用言が連なるということです。
具体的に言うと、動詞と形容詞のことを言います。
例えば「遅く歩く」という言葉があるとします。
この時の「歩く」という言葉は動詞になります。
そしてこの後ろの「遅く」というのが連なっているので、「歩く」という言葉が連用形になるということです。
これを「慈しみ」に例えて説明をすると、「深い慈しみ」となった時に「慈しみ」という言葉が連用形になるということです。
「深い」という用言が連なっているので「慈しみ」が連用形になるのです。
少し難しいとは思いますが、慈しみというのは基本的に連用形だということを覚えておきましょう。
恵み
慈しみは、恵みという意味でもあります。
恵みという言葉は愛おしい、可愛いという意味からきたものです。
例えば「天からの恵みだ!」という表現がよくあると思います。
この様な表現は何かの送り物という形で捉えることが多いですよね。
また「自然の恵み」という表現でも使われることが多いと思います。
自然のパワー、自然そのもの、ということで使うことが多いです。
「恵み」という言葉は慈しみという意味も入っているのです。
慈愛
慈愛の心を持つという言葉もよく聞くのではないでしょうか。
慈愛というのは、「可愛がるということ、深い愛情を持つ」というような表現をする時に使う言葉です。
️慈しみの使い方・例文
基本的には人に関することが多く、その時の気持ちを表したり、その気持ちを受けたりとする時にこの「慈しみ」という言葉を使います。
小説などではよく使われていたりすることがあるので、実際に使われている文章を見たことがある人も多いかもしれませんね。
ではどの様な使い方をするのか具体的に見ていきましょう。
子どもへの慈しみ
「子供への慈しみ」とは、“子供への愛情を注ぐ”という意味です。
これは親が子供のことをとても愛おしく思うという時に使う表現です。
相手の気持ちを考えることもありますが、つい自分のことも考えてしまいますよね。
ですがこの様な状況の時は、相手のことを第一に考えるという状態になるのです。
親の深い慈しみ
「親の深い慈しみを感じる」という時にもこの表現を使います。
この場合は親の立場ではなく、慈しみを受け取る「自分」ということになりますね。