例えば、「うちの犬がいうことをきかないのは往々にしてあるんだよね」「私の子供ったらいつも同じ繰り返しをしていて、それが往々としているのよ」なんて使っている人もいるかもしれません。
そのやり方では往々にして失敗する
「往々にして」という言葉は、よくあること、という意味のほかにそのようになる場合が高い、その傾向が強いときにも使われるとのことでした。
この文章では、「そのやり方では失敗する可能性が高いよ」という意味になります。
このように「往々にして」という言葉は、これから先の悪い未来を予言するときにも使われるんです。
人は往々にして他人を傷つけてしまう
これは「人は、よく他人を傷つけてしまう傾向がある」という意味になります。
あれれ?ちょっと不思議な感じがする!と思われた方は、しっかりこれまでにお伝えしたことが頭に入っているのかもしれません!どこが不思議な感じがするのかといいますと、きっと”よく”と”~する傾向がある”という二つの「往々にして」の意味が含まれているところのはず。
「往々にして」は、このように”頻度を表す意味”と”この先の傾向を表すとき”の二つの意味を同時に表していることもあるんです。
このように”よく~する”という意味と”~する可能性がある”という二つの意味を含んだ文章ってたくさんありますよね。
そのような文章のなかで悪い意味を持っているものに「往々にして」を使うことができるんです。
人の勘違いは往々にしてある
これは「人の勘違いは、よくあることだよ」という意味になります。
この文章で使われている「往々にして」はどのような意味を持っているか、もうパッとわかるようになったのではないでしょうか。
そうですね。
「頻度を表す意味」をもっています。
しかし、話の流れによっては「~する傾向がある」という意味を使うこともあります。
その場合は、「人は勘違いをするものだ、する可能性がある」となります。
また、これら二つの意味を同時に持っているものもあるので、その会話の流れ、文章の流れをしっかりと汲み取ってから意味を解釈しましょう。
そうすれば、間違える心配はありません。
このような事例は往々にしてある
この文章は、「このような事例というのは、よくあることだ」という意味になります。
これは「頻度」を表す意味を含んでいますね。
その事例は、”奥さんに冷たくされた旦那が浮気をする”ことかもしれませんし、”旦那が子育てに協力的ではない家庭の奥さんがノイローゼになる”事例かもしれません。
この世界では毎日のようにさまざまな出来事が起きています。
そのなかでも、特定のパターンがうまれているものってたくさんあるんです!そのパターン化したものであれば、「よくあること」と解釈できますよね。
では、少し応用をしてみましょう。
この文章に、「往々にして」のもうひとつの意味である「~する可能性がある」という意味があてはまるのかどうかを確認してみましょう。
そうすると「このような事例が起こる場合が多い」となりますよね。
たしかにこれでも意味は通じますし、文章の中ではこちらの意味で使われるかもしれません。
応用というのは、”文章の流れによって、自分なりに解釈できる”ということになります。
さまざまな書物や新聞、会話のなかで「往々にして」が登場したときには、それがどの意味で働いているのかを考えてみてください。
考えるまもなく、会話の流れでなんとなく理解できるはずです。
そうすれば、あなた自身も「往々にして」を正しく使えるようになります。
往々にしての良くない使い方
「往々にして」の意味を確認しながら例文をチェックすると、「往々にして」というのがどういう存在なのか、言葉なのかをなんとなくわかるようになったのではないでしょうか。
この言葉だけではなく、「なんとなく理解できないな」「実体がわからないな」というものこそ、その関連したものをたくさん見てみるんです。
聞いてみるんです。
そうすると自然にその物事についての特定のパターンや、解釈できるあなたの思考回路が出来上がります。
その結果、知らないうちにあなたの言葉となってあなたの知識に組み込まれるようになるんです。