自信満々な彼は、お酒を飲んだ席で友人に言う決まった台詞があります。

それは、「私の辞書に無い唯一の言葉は、不可能と言う言葉だ」というものです。

すると彼の友人が、初めての人が聞くとすごいなあと感心するのだが、我々は騙されないよ。

おまえは不可能と言う代わりに「無理!無理!」と叫んでいるよと切り返すのです。

「不可能も無理も同じ意味だろ!おまえの唯一はいくつあるんだ!」と笑いを取るのです。

ついこれだけはとか、これしかないと強調する時に使う言葉が「唯一」なのです。

考えてみると、唯一と呼べるものはたくさん持っているはずです。

唯一とは?

「唯一(ゆいいつ)」とは、世の中でただ一つという意味です。

「唯一無二」という慣用句もありますが、「無二」とは二つと同じものはないという意味で、唯一無二は絶対ひとつだけだと念を押した言い方です。

無二を付ける必要があるのだろうかと思いますが、唯一と言いながらも、二つも挙げることもあるからです。

とすると、唯一と言うことの意味としては、ひとつしかないと言うこと以外にも、他にないほど大切なものと言う気持ちがあるからです。

「わたしが唯一作れる料理は、カレーと肉ジャガです」などと平気で言う人がいるのです。

この意味は、絶対人に負けない美味しいカレーと肉ジャガを作ることができると自慢しているようです。

そんな唯一の使い方もあるのかな?と思いながら、唯一について考えてみました。

唯一の意味

唯一とは、文字通りただひとつということです。

それ以外には無いということです。

同じ意味で、無二、無比と言う言葉もあります。

これらは、二つと無い、比べるものが無いという意味で、どちらも唯一と同じ意味なのです。

余談になりますが、比べるものが無いほど優れた効き目だと言う意味で、「ムヒ」と言うブランド名のかゆみ止めの薬があります。

販売会社の自信がうかがえる名前です。

このように、他には無いひとつだけのものということです。

ただ一つのこと。他にないこと。

唯一の意味の中には、世の中でただひとつという数の意味と、他に同じ性能を持つものがないぐらい優れたものだと自慢できるもの、代りがないものという意味も含まれているようです。

唯一の四字熟語

唯一を使った四字熟語は、唯一無二です。

上の項目でも触れましたが、唯一も無二も、どちらもただひとつという意味です。

その言葉を重ねていて、絶対にひとつだけだと強調している熟語なのです。

同じように、唯一無比という使い方もあるのですが、これは国語辞典にはない四字熟語で、他に比べるものが無いくらいひとつだけのという無比という言葉を、唯一に重ねているのです。

これもかなり強調した使い方です。

時折文章に使われています。

さらに四字熟語としては、唯一不二(ゆいいつふじ)、唯一無双(ゆいいつむそう)もあります。

これらも唯一無二と同じ意味なのです。

唯一無二

唯一無二はただひとつという意味ですが、同じ意味で使われるのに「無二無三(むにむさん)」があります。

これは、仏の道はひとつだけで、他には無いという教えで、成仏するには脇目も振らずに仏の道を進むことを説いているのです。

座右の銘として使われる言葉に「不同不二(ふどうふじ)」もあります。

この言葉もふたつとないこと、同じものはないことを表すので、誰にも負けないように頑張るという決意を示した座右の銘なのです。

【唯一無二については、こちらの記事もチェック!】

ただ一つであることをさらに強調している。

唯一という言葉だけでも、ただひとつということを表しているのですが、この言葉に無二や無双、無比、不二を重ねて、さらに強調しているのです。

唯一のよくある使い方と例文


唯一は、本来これしかないという表現に使います。

聞く人に強調して説得する言葉です。

この言葉を使われると、そうかこれしかないのかと判断してしまうのです。

生きるか死ぬか、人生の分岐点に差しかかった時に使われると、重い響きの言葉になります。

知人が癌で助かる術が見つからない時に、海外から取り寄せた非合法の癌治療薬を目の前にして、これが唯一の助かる方法です!と言われると、心が重くなってしまいます。

唯一という言葉は、使われる場面によって、気持ちも明るくも暗くもなるようです。

唯一の楽しみ


趣味の話題になると、唯一の楽しみはと切り出すことが多いようです。

たくさんの趣味がある中で、一番楽しみにしていることを表現する時に使います。

「休日の唯一の楽しみは、魚釣りに出かけることです」などと使います。

その趣味に熱中していることが伝わって来るのです。

唯一の楽しみがなくなると思うと辛い。

相撲好きのファンは、ご贔屓の横綱が引退してしまうと、場所が近づいても興味半減なのです。

好きな横綱の土俵入りがもう見れないので、唯一の楽しみがなくなると思うと辛いそうです。

唯一の手段

学校に行くのも仕事に行くのも、都会ではいろんなルートで乗り物を乗り継いで行くことが可能でしょう。

しかし、地方の山間の村落では、町に出かける唯一の手段はバスしかないのです。

こんな時に唯一と表現すると実感が湧きます。

困ったときに対応できる唯一の手段はこれしかない。

困ったときには当然いろいろと対策を考えます。

しかし、どの対策も効果が期待できない時には、別の方法を探すのです。

こんな時に有効だと思われる手段が見つかると、困ったときに対応できる唯一の手段はこれしかない、となるのです。

50年に一度と言われる大雨が降り続く時に、河川が増水して溢れそうになります。

もしこのまま溢れ出してしまうと堤防決壊になり、村が濁流に飲み込まれてしまいそうです。

村民を助け出す方法を考えますが、良い対策は見つかりません。

そこで最終的に災害対策本部が考えた、村民を助ける唯一の手段は早急に非難を指示することです。

このように、考え抜いた結果これしかないという時に、唯一のと表現するのです。

唯一の取り柄

男性も女性も、それぞれ何か取り柄があるものです。

美男美女と言われる人でも、欠点はあるのです。

素敵なイケメン男性でも、残念なイケメンと呼ばれて敬遠される男性もいます。

イケメンなのに容姿にまったくそぐわない服装や趣味を持っていたり、変な性癖があって女性陣から敬遠されるのです。

そんな残念なイケメンでも、唯一の取り柄は実家は資産家ということです。

肌がきれいなのが私の唯一の取り柄だと思っている。

ある年頃の女性の場合、容姿もイマイチでそのうえ愛嬌も悪いので、なかなか恋愛も進みません。

しかし、ある時素敵な男性に巡り会ったとのことで、交際が始まったようなのです。

そこで、友人の女性がそのいきさつを聞いた所、自分の唯一の取り柄は肌が綺麗なことと告白したところ、あなたの正直なところに心が引かれたと言うことで好感を持ってもらったらしいのです。

これしかないという謙虚な姿勢が良かったのでしょう。

恋愛が始まると、綺麗な肌は化粧のノリも良くなって、化粧映えのする美人になったそうです。

唯一無二

唯一無二はひとつだけで二つと無いものという意味です。

とても大切なものという最大級の表現なのです。

唯一無二の親友だ。

親友の中でも、特に大切な人のことを、唯一無二の親友だと言います。

~の中で唯一

たくさんある中で、自分が推薦できるのはこれしかないと断言できるときに使います。

確信が無いと使えない表現です。

このグループの中で唯一料理ができるのは彼女だけだ。

サッカー仲間で集まって、自宅でパーティーをすることになりました。

飲み物は手配して段取りできましたが、料理の方は男性ばかりなので作る人がいないので困りました。

そんな時にマネージャーとして世話をしてくれていた女性がいることに気付きました。

そこで、このグループの中で唯一料理ができるのは彼女だけだと言うことで、彼女に参加を依頼しました。

喜んで合流してくれることになったそうです。

~した(する)唯一の

何かの行動を起こした理由や対象は、これだけだという時の使い方です。

私が心を開いた唯一の友達。

学生時代は悩みごとが多いものです。

勉強や就活、恋愛など悩みはたくさんあります。

簡単な相談事は友人たちがいるので、相談することはできるのです。

自分の経験や聞いたことなどの知識から、アドバイスしてくれます。

しかし、家族のこととか本当に好きになった異性問題などは、誰にでも気軽に相談することはできません。

慎重になってしまうからです。

その中でも、古い付き合いの友人がいます。

家族同士で付き合っている友人です。

彼とは、誰にも相談できないような悩みごとも打ち明けられます。

私が心を開いた唯一の友達なのです。

~が唯一の

これしかないと心に決めていることです。

読書が唯一の私の憩いの時だ。

私は、ファーストフードのお店で、毎日接客に追われて忙しい仕事をしている女性です。

仕事中は、お客様のオーダーに追われて、気が休まる時間もありません。

時間との勝負なのです。

しかし、仕事が終わって帰宅して、一息ついたころに読書をするのです。

大人の恋愛小説が好きで、仕事帰りに駅前の書店に立ち寄って、気に入った本を買って帰ります。

昔の彼女との大人になってからの奇跡的な出会いを描いた「ボクたちはみんな大人になれなかった」と言うのが好きです。

読みながら涙が出て来ることも、ストレス解消に良いのかも知れません。

眠る前の読書が唯一の私の憩いの時なのです。

~唯一~

ただひとつだけということで、区別をする時に使用します。

恐らくは唯一平常心でいられた人が犯人だと思う。

1階の職場の更衣室がロッカー荒らしの被害にあったようです。

ロッカーの数は50台ほどですが、鍵が掛かっていなかったロッカーの中の財布から、現金だけが抜き取られていたそうです。

会社の更衣室なので、犯行があったと推測される時間には、外部から侵入した不審者はいないようです。

騒ぎを聞きつけた人は集まってきて、みんな慌てて自分のロッカーを開けて財布を確認していました。

内部犯行説が浮かび上がって、ロッカーの利用者全員が集められました。

刑事さんが来てひと言「この中で唯一平常心でいられた人が犯人だと思う」と言って聞き取りを始めたのです。

1つしかないものってどんなもの?

1つしかないものという意味は、2種類あります。

世の中に本当にひとつしかない貴重なモノ、例えば歴史的な文化財や遺品などです。

王族の王冠や剣など装飾品も多くあります。

亡くなったおじいさんとのツーショットの写真なども、1つしかない貴重なものなのです。

それと形にはできませんが、彼氏にプロポーズされたときの思い出も、1つしかない貴重な出来事なのです。

あの時の場所や彼氏の顔つき、言葉、風景なども、心の中に鮮明に残っている1つしかない思い出なのです。

その時の婚約指輪はモノとして残っていますが、思い出も1つしかないものなのです。

世界中で一つしかないもの

過去の歴史の中で造られたモノは、世界中で一つしかないものとして保存されています。

これらは、世界中の人のモノでもあって、人類の歴史を表す貴重なものなのです。

世界遺産

世界遺産とは、人類共通の遺産であり、貴重な宝物として後世の人に引き継いでいくものです。

世界遺産の種類は、①文化遺産、②自然遺産、③複合遺産、に分かれています。

日本の世界遺産への参加は、1992年にユネスコの世界遺産条約を締結して始まり、翌1993年に法隆寺地域の仏教建造物と姫路城が文化遺産として、さらに白神山地と屋久島が自然遺産として登録されたのです。

2016年現在では、世界遺産条約締結国は192ヵ国で、世界遺産総数は1052件です。

その内訳は、①文化遺産は814件、②自然遺産は203件、③複合遺産は35件で、消滅危機にある遺産は55件となっています。

自由の女神

自由の女神は、アメリカ合衆国独立100周年を記念して、1886年にフランスから寄贈されたものです。

ニューヨークのリバティ島に立つ高さ約48メートルの女神像です。

右手にはたいまつを持ち、左手には独立宣言書を持っています。

1984年に世界遺産(文化遺産)に登録されました。

サグラダファミリア

サグラダ・ファミリアとは、1882年に建設が始まった巨大な未完の聖家族教会です。

設計はスペイン・カタルーニャ出身の建築家アントニ・ガウディが手掛け、完成までに300年くらいかかると言われています。

しかし、近年のIT技術の進歩によって、工期は予定の半分の150年くらいと短くなっていき、2026年完成の見込みとも言われています。

サグラダ・ファミリアの外観は、直線、直角・水平がほとんど見られず、数多くの彫刻が建物と一体となって施されているのが特徴です。

建設途中なのですが、生誕のファサードと地下聖堂が文化遺産として、2005年に世界遺産に登録されています。

万里の長城

中国の戦国時代に、北方防衛の目的で趙・燕などが築いたものを,さらに秦の始皇帝がモンゴルの遊牧騎馬民族の奇襲を防ぐために大増築して万里の長城と呼んだのが始まりです。

長さは2400キロメートル、高さは6~9メートル、幅4.5メートルという壮大な城壁です。

万里の長城は、1987年に世界遺産に登録されました。

身の回りで一つしかないもの

世界的に貴重なものだけでなくても、身の周りに自分にとって世界で一つしかないものもあります。

これも世の中で一つしか無いものとして貴重なものです。

写真

旅行の記念写真や集合写真も、撮った時にはあまり興味はなかっても、晩年になると思い出として貴重なものになるのです。

年老いて懐かしい学生時代の仲間との同窓会に出ると、誰かが昔の写真を持ってきます。

それを見ながら、昔はおまえは勉強ができなくて答を教えてやったとか、女学生の尻ばかりを追いかけていたとか、写真から当時の状況がありありと思い出せるのです。

こんな写真は、色あせてセピア色に変わっていますが、唯一の思い出の写真なのです。

手紙

手紙を大事に保存している人がいます。

特に、昔の恋人からのラブレターなどは、捨てられなくて隠しておくのです。

自分宛てに届いた、世の中に一つしかない恋文は、死ぬまで隠して持っておきたいものなのです。

思い出の物

海外に初めてホームステイした時に、現地でプレゼントしてもらった腕輪やネックレスなどは、思い出の品として大切に保管しています。

これも、世の中には似たものがありますが、もらったものは決して二つとしてありません。

大事なものです。

手作りの物

旅先で見つけた伝統工芸品の陶器の窯元に立ち寄りました。

自分で粘土をこねてカップを作り、色付けして焼いてくれるそうです。

時間があったので、友人と一緒に陶器づくりにチャレンジしました。

自分専用のコーヒーカップとお皿を作り、染料を塗って仕上げます。

これを窯で焼き上げてから自宅に送ってくれるのです。

二人で苦心しながら作ったコーヒーカップが後日届きました。

中を開けて見ると、表面はごつごつしていますが自分の名前のサインもキッチリと残っていて、素晴らしい出来上がりでした。

世界に一つだけの手作りのものなのです。

まとめ

唯一とは、本当に世界で一つだけという意味で、唯一のものとは自分に取って一つしかない大事なものです。

非常に愛着があって、誰にも譲れないもので自慢のものです。

だから、言葉で唯一の何かという時には、どこにもない自慢できるものを指しているのです。

いい加減に言う言葉ではありません。

誰かを説得する時に唯一を使う時は、充分な確信を持っている時に使うべきです。

もしも、中途半端なままで唯一を使うと、同じものが他で見つかってしまうと、その人の信用を失ってしまい、信頼されなくなるので注意が必要です。

特に、プロポーズの時に「君は僕の唯一の恋人です」などと言っておいて、他の女性に手を付けていたりすると、唯一は嘘だったとバレてしまい信用は無くなってしまうのです。

使う時を慎重に考えるべきです。