ないものを欲しがること
「ねだる」という言葉を漢字で書くと、「強請る」となります。
“強く請う”という言葉のイメージからすると、無理に願う事や望むことが関係しているように思います。
実際に「ないものねだり」を辞書で引いてみると、「持っていないものを無理を言って欲しがること」とあります。
自分がすでに持っているものをさらに欲しがる人はまずいないと思います。
また、少し努力すれば手に入るものであれば、他の人に「ねだらなくても」良いのではないでしょうか。
ということは、ないものねだりという言葉には、自分では努力せずに、あるいは他力本願な気持ちで安易に自分の持っていないものを欲しがる気持ちが意味合いとして含められていると感じます。
実現できないことを望むこと
さらに、「ないものねだり」にはどんなに自分が望んだとしても実現できないようなことを望む気持ちも含められています。
無くて当たり前のことであったり、手に入らないような、明らかに無理だと分かる願望や注文をすることもそうでしょう。
持っていないものや、手に入らないと分かっているものほど余計に欲しいと望んでしまうのが、「ないものねだり」なのかもしれません。
ないものねだりの例
では実際に、ないものねだりをするどんな例があるかを見てみることにしましょう。
ないものねだりをするという事がどんなことかがある程度理解できると思います。
後身長10cm欲しかった
自分の力では絶対にどうしようもできないけど、つい欲してしまうものの中に「あと10センチ身長が高かったらな~」とか「あと◯センチは身長欲しかったんだよな」という願望があるかもしれません。
伸びた身長はこれ以上縮めることも、伸ばすこともできないわけですから、こうしたお願いはただの「ないものねだり」になってしまうと言えます。
こうした身長のコンプレックスは女性よりも男性の側に多いかもしれません。
男性は長身の方がうらやましいと思われることが多いからです。
女性で長身の人が「あと10センチ低かったら…」と思うこともあると思いますが、その長身を生かした仕事や、活躍できる場もたくさんありますから必ずしもコンプレックスにはなりません。
背の小さい女性が「あと10センチは欲しかったな」と思うことがあっても、小さい女性を可愛らしいと思う男性は多いです。
そう考えると、「あと10センチ身長が欲しかった」と、コンプレックスに感じているものでないものねだりをしてしまうのは、男性の側に多いと言えるかもしれません。
いずれにしても、身長はどんなに努力しても、たとえ牛乳をいっぱい飲んだところで伸びるわけではありませんから(笑)、ないものねだりをしていることになるのでしょう。
イケメン・美女に生まれたかった
これもよくある「ないものねだり」かもしれません。
自分の容姿にコンプレックスを感じ、近くにいるカッコイイ人やきれいな人と自分を比較して、「あんな顔に生まれたかった」「もっとカッコよかったら、あるいは可愛かったら、素晴らしい人生になっていたかもしれない…」などと考えてしまうのです。
生まれつき父親と母親の遺伝子を受け継いだ容姿は、変えることができない、仕方のない現実です。
整形などをする人は別として、もともと自分には持っていないものをどんなに望んだとしても、それはただの「ないものねだり」で落ち込んでしまうだけかもしれません☆
勉強しないで合格したい
学生の人であれば一度は思う事ではないでしょうか。
勉強漬けの毎日が嫌で嫌で、「あ~勉強しないでも合格できたらいいのに」と思ってしまうことがあるかもしれません。
勉強もせずに楽に合格するなんて絶対に不可能だと分かっているんですが、無理な願望だと分かっていてもつい思ってしまったり、自分で努力せずに手に入らないかと考えてしまうのも「ないものねだり」の特徴です。
個人的には受験の時に、ドラえもんのポケットの中にある、「暗記パン」とか「どこでもドア」を使ったり、タイムマシンで受験をひとっとびできたらこんな楽なことはない…なんて思ったものですが(笑)
こうした実現不可能なことを望む感情も「ないものねだり」だったのかな、と思いました。
安物に高品質を求める
私たちは何かの商品を購入する時に、その価格に見合ったものを求めると思います。
100均で売られているものに高品質や高性能を期待することなんてないのではないでしょうか。
500円で買った洋服が、使って早いうちに襟とかが伸びたとしても、500円だから仕方がないと思いますよね?
もし価格が安いものに対して高性能や高品質を求めるとしたら、それは無理な注文や要求です。
もしそんなことを求めるとしたら「ないものねだりもいいところだ」と言われてしまいますよね☆