物事が上手くいっている時に、ふとしたことから始まってしまう、ブランクというマイナス要素。
「せっかく努力の甲斐があって順調だったのに悔しいな」と思ってしまうかもしれませんが、実はブランクにはただ悪い要素だけがあるわけではなかったのです。
この記事では、ブランクとはどういう意味なのかや、ケースバイケースの許されるブランク期間などについてご紹介していきます。
ブランクは良くも悪くも意味のある期間
ブランクという言葉は、通常上手く行っている人が自分の意志に反して、どうしても休む時間を持たなければならなくなる意味とか、強制的に休息を取らざるおえない状況に追い込まれることなど、悪い時にだけ使う言葉だと思っている人が大勢います。
でも、ブランクを取得することで、例えそれが本人の意思とは違っていたとしても、いい結果が得られることもあるんです。
1.ブランクとは?
そもそもブランクとはどんな意味なのかというと、英語では「空白」や「空欄」という意味で使われていて、日本語のように「一時的に休息を取る」とか「一時的に仕事が途切れる」なんて意味には使われていないんです。
1.空白の期間
日本語の「ブランク」だと、多くの人が「空白の期間」という意味で使われていると理解していますよね。
例えば、陸上の長距離選手が怪我をして、自分では望んでいなかったけれどブランク期間ができてしまったとか、仕事命の営業マンが大手との取引でへまをしてしまって即刻クビになり、思いもよらずに仕事を失って、働かない期間ができてしまったとか、そんな風に使う言葉だと理解されていると思います。
2.途切れている期間
陸上の長距離選手が怪我などでブランクに突入してしまうと、場合によってはそれが人生を左右する大きな痛手になることも、またそれが良い転機となることもあるかもしれません。
例えば、その選手が箱根駅伝に出たいと思っているくらい、限られた時間の中で一世一代の大勝負をしている人なら、足首のアキレス腱を切ってしまったとか、膝を骨折してしまったなどの場合は、もうその年の箱根駅伝は出られない、諦めなければならない状況になってしまうかもしれません。
その怪我が大変な状態・複雑な状態になってしまえば、一生走れなくなるとか、選手生命が断たれてしまうこともありえます。
途切れている時間に、上手く自分をコントロールできなくて、イライラする人はブランクを乗り越えられなくて、結果レギュラーから補欠に回り、その後チームを辞めるなんて人もいたりします。
有名なスポーツ漫画といえば、「スラムダンク」ですが、この物語の中で、バスケットができない期間、つまり「ブランク」を上手く過ごすことができなかった三井寿という元バスケットボール選手は、その後ヤンキーの仲間入りを果たすまでに落ちぶれてしまい、挙句の果てには自分が好きだけどできないバスケットボールを楽しんでいる生徒に腹が立ち、自分の学校のバスケットボール部を友達のヤンキーとともに襲撃してしまうという暴挙に出てしまうのです。
三井寿率いるヤンキー軍団の突然の襲撃に、最初はこらえていたバスケットボール部員でしたが、次第にイライラがつのり、最後にはヤンキー軍団に手を挙げてしまいます。
この漫画の主人公・桜木花道や、流川楓、赤城先輩ら、バスケットボール部の選手全員がこの三井寿・ヤンキー軍団にやられてしまいそうでもう後がないという瞬間、閉じていたはずの体育館のドアがあいて、三井寿の元師匠である安西先生がやって来るのです。
その姿を見た三井寿は涙を流しながら「安西先生・・・俺はバスケットボールがしたいです」とやっと本音を伝えることができます。
この三井寿という選手は、スラムダンクという漫画の中のあるキャラクターなので、実在する人物ではありませんが、この三井寿と同じような道を辿ってしまった人や、三井寿のことを知って「俺も素直にならなきゃ」と思って立ち直れた人も大勢いるくらい、若い世代に影響を与えている人物です。
だから何がいいたいのかというと・・・それだけ「ブランク」という期間はスポーツ選手からすれば、とても重要な期間・選手生命を左右し兼ねない危険な時間だということが言えるのです。
その後、安西先生のおかげで復活した三井寿はどうなったのかというと、ブランクになる前の優秀な才能を再び開花させます。
例え彼にブランクがあったとしても、ブランクになる前に彼が努力した技術や実力は、そのまま消えてはおらず、凡人プレイヤーからすれば、到底かなうレベルのものではなかったのです。
しかしブランクをとってしまった三井寿は、全てに問題がなかったのかというと、そうではありません。
問題は「体力がなくなってしまった」「体力が落ちてしまった」という問題が発生します。
これはいくら才能がある人でも、1か月入院してほとんど動けない場合は、筋肉が減ってしまうので、どうしても仕方のないことですよね。
問題は、ここから悔しい思いをしながらでも這い上がることができるのか・・・。
これががブランクをとった人の最大の課題・難題になるのだと思います。
三井寿の場合は、体力を回復させる為の禁煙も、きついランニングも、何度も繰り返すシュート練習も、すべてがまたバスケットボールをやれるという喜びに変わっていきました。
バスケットボールができない苦しみよりも、きつい練習はない!、ブランク期間は彼にとってとてつもなく辛い時間であったことに間違いはありませんが、このブランクがあったこそ、彼のバスケットボールは変わることができるのです。
最近で似たようなシチュエーションになっている人といえば、体操の内村航平選手ですが、内村航平選手は先日、7連覇のかかった試合で、足首を痛めるというアクシデントにあってしまいました。
帰国後の彼は「今まで試合をしている側からすれば、時間はあっという間に過ぎていましたが、見ている方・待っている方はこんなに長かったんだなという
ことに気が付きました」とマスコミにコメントを残しています。
ブランクがあったからこそ、気が付けることがある、試合に出られなかったからこそより「出たい」という思いが強くなる・・・きっと内村航平選手なら、三井寿と同じように、ブランクがあったからもっと上にいけたんだという結果を残してくれる人になると、とても期待しています。
内村航平選手の怪我・ブランクがもっと早く訪れていたとしたら、これまでの彼の偉業は見れていなかったかもしれません。
でも6連覇をすでに果たした今だからこそ、彼に良いチャンスを与えているに違いないと思えるのです。
ブランクを迎えるタイミングというのも、とても重要になってくるということが言えますね。
2.分野によってその期間は様々
ブランクとは、ある一定の期間お休みをとることですが、その期間は分野によって様々な違いがあるようです。