「自尊心が傷つく」という表現と、使われる状況は似ていますが、傷ついただけでなく、失うほどになってしまうこともあるわけです。
失った自尊心を取り戻すためには、時間がかかる場合も少なくありませんね。
自尊心を慰める
「自尊心を慰めている」とか「自尊心を慰めようとして〜」と使うこともあります。
「慰める」とは、悲しい気持ちや苦しみを紛らわそうとしている、心をいたわっている、なだめているという意味があります。
自尊心が傷ついたときや、もともと自尊心が低い人が、他の人に「きみはダメじゃないよ!」とか、「あなたはすごい」というような言葉を欲しがることがよくあります。
自分の傷ついた自尊心をいたわってっほしい、という感情なのでしょう。
別の例として、他人を卑下することによって自分の自尊心を慰めようとする人もいます。
そのような人は、自分自身では自分という人間に誇りを持つことができなかったり、自分の存在を大切に思えないという苦しみが根本にあって、自分の存在価値を他の人を低めることで上げようとしているのかもしれません。
実際には自分のボロボロの自尊心を慰めて、少しでも辛い気持ちを紛らわしたいと思っているわけですね。
自尊心を捨てる
「自尊心を捨てる」、あるいは「プライドを捨てる」という表現を聞くことがあります。
どちらかというと、「プライドを捨てる」という言葉のほうがよく使うかもしれません。
今まで、自分にとって妥協できない点とか、ここは絶対に譲れない!と思ってやってきた点を守り通す事ができずに、他に流されてしまったというときには、自分はプライドを捨てたんだな・・・と思う事があるかもしれませんね。
そして、他の人がそのように自分の信念や生きる上で大切にしてきたこと、守り通したいと思ってきた誇りのようなものを捨てたのを見たときに、「あの人は自分のプライドを捨てたんだ」ということもあるでしょう。
よく、欲に負けて自分の思う正義や今まで大事にしてきたことを犠牲にした人を見たときなどに「あいつはプライドを捨てたんだ!」と言うことがありますね。
あるいは、その自尊心というのが自分にとって過度に大きくなりすぎて、独りよがりな傾向を持っている自分に気づいたり、どうしても高慢になりすぎる事があったときに、自分という人間を過度に重要視する気持ちを捨てる、という意味で「プライドを捨てる」という表現を使うことがあります。
でもその場合、捨てているのは自尊心というよりは、自尊心を超えた高慢で高飛車な考えなのかもしれませんね。
️自尊心が低い人の特徴
「自尊心」という言葉の使い方について見てきましたが、社会には自尊心が高い人や低い人がいますよね。
普段は、そんなに自尊心について意識することがなくても、何か自信をなくすことや、自分の価値を確信できないような出来事が起きると、自尊心が傷つけられることもあり、自尊心がボロボロに踏みつけられているような気持ちになることもあるでしょう。
そんな経験をしたことがある人も多いと思いますが、もともと自尊心が低い人もいます。
では、そのような人の特徴はどのようなものがあるのでしょうか?
ネガティブで物事のマイナス面ばかり気になる
自尊心が低い人は、ネガティブな傾向があります。
物事を良い方向で考えるより、最悪のことを想定して考えてしまいます。
同じ物事でも、見方が変われば考えも違ってきますよね。
例えば、失敗も、それ自体は辛いことでしょう。
しかし、見方をちょっと変えれば失敗から学んだことや、この失敗がなければ得られなかった重要な教訓というものがあったかもしれません。
見る角度によって、同じ一日を過ごしていても「充実した一日だった」と思えることもあれば、「最悪の日だった」と考えることもできるのです。
自尊心が低い人は、とかく物事や自分自身に対してもマイナス面をクローズアップして見る傾向があります。
物事の良い点については、深く考えないのに、物事の悪い面については深く、そして長く考え続けるので、いつも最悪なことばかりが起きているような気になってしまいます。
そして、もっと自分に自信をなくしたり、ネガティブな考えばかりが心と頭を占領して、全てがうまくいかないと思うようになっているのでしょう。
自分のことが好きではない
自尊心が低い人は自分のことが好きではないという特徴があります。
物事をネガティブに捉えがちな人は、自分自身のことについてもネガティブに考えているかもしれません。
「自分なんて・・・」、「どうせ私は・・・」というのが口癖になっている場合もあります。
考え方が、そのような否定から入ってしまうことが多いのです。
それで、自分の価値を自分で見出す事ができなかったり、物事をいつもネガティブに捉えるゆえに、自分の事が嫌いだ、と思い込むようになってしまうのかもしれません。
嫉妬心や劣等感を感じやすい
嫉妬心や劣等感を感じやすいのも自尊心が低い人の特徴です。