世代間ギャップを痛感したことでしょう。
「働いたら負け!」の意味の誤解について
「働いたら負け!」
この言葉を大人がきくと、次のように解釈することが多いようです。
「特に学歴も技能もない状態で、普通に働いたら手取り15万円も貰えない。それよりも働かずに「生活保護」を受けたほうがいい。」
ですが、この言葉をはいたニート自身の感覚はそうでは無かったようです。
「生活保護を受けるなんてとんでもない。そんな惨めな境遇はごめん。親のスネをかじっていられるんだから、こんな買い手市場に慌てて就職するなんて馬鹿なことはしたくないだけ。そのうち何とかなるさ。(若者特有のポジティブ思考)」
ニートがこの言葉を吐いた背景について
ニートのこの若者は馬鹿っぽく見えますが、それ程馬鹿な訳でもありません。
彼らは親世代が馬車馬のように働いて、それでも生活が決して楽ではない様子を見ています。
世間では大企業は最高業績を更新するなどと景気の良いニュースが出ますが、庶民にはちっとも利益が回ってきていないように見えます。
会社の命令で無理をして働きすぎて身体を壊してしまったり、不幸にして若いうちに亡くなってしまう例も見ています。
会社のためにと頑張ってきたのに突然リストラで解雇されてしまったり、会社自体が倒産して路頭に迷ってしまったりなんて様子も当然見聞きしています。
そして、多くは親のスネをかじることで、働かなくてもある程度の生活レベルは維持できる状態にあるのです。
「今の世の中、普通の条件で働きに出るのは全く割に合わない!」
と判断するのは、当人にとってはそれなりに理にかなっているのです。
その証拠がニート63万人というデータだったのです。
あの伝説のニートは今?!
ともあれ、当時は当時です。
今は景気も働く人への処遇もかなり良くなっています。
・現在新卒の学生は空前の売り手市場となっています。
・有効求人倍率は、全国47都道府県すべてで1倍を越えています。
・電通の新人女性社員の過労死事件などを受けて、社員の待遇改善も声高に叫ばれて改善の機運が高まりつつあります。
あの伝説のニートは今どうしているのでしょう?
消息を追ってみますと、確かな情報はたった1つですが見つかりました。
2011年にニコ動に登場
2011年1月にニコ生動画に本人が登場してインタビューに答えたのです。
ハンドルネームD-chanという人が「【働いたら負け】ニート君がニコ生やります」という題目で、生放送をしました。
当時の状況や近況について、コメントに答える形で2時間半に渡って生放送を行いました。
動画にでてきた人物の顔付きとインタビュー当時の写真を見比べて、ほぼ間違いなく本人と特定されています。
違いは、当時ラフなTシャツだったけれどニコ生では背広を着ている点、当時は坊主頭でしたが、ニコ生では髪を生やしてフサフサだった点ぐらいです。
顔も歯並びも、そして幸せそうな表情も変わりありません。
放送は、2011年1月22日、土曜日の夜です。
当時のテレビ取材の状況のくだりでは、あの「働いたら負け!」は実は何処かからのパクリだったことを明かしました。
2011年当時、あのインタビューから6年経過して30歳、まだ就活中とのことです。
かなりの就活数をこなしているいるとのことですが、希望年収はボーナスを別にして500万円を譲らずとのことです。
本人も無理なのは良く分かっているというのですから、「働いたら負け!」を未だ実践中と見ることも出来ます。
就活中とも噂が
そして現在2017年は、ニコ生インタビューから更に6年たってもう36歳です。
最初に紹介しましたが、ニートには15歳~34歳までという年齢制限がありますので、あの伝説のニートは就職していようと、居まいともはやニートではありません。