いくつになっても親を好きになれない
反抗期では、それが過ぎると両親との仲は戻ります。
散々両親を毛嫌いしていた子どもが、まるでつきものが落ちたようにけろっとしていつも通り親と笑い合ったり、相談事をしたりします。
しかし一方で、親嫌いの人はいつまで経っても親嫌いが直ることがありません。
親嫌いを直そうと思ったら、自分が親を嫌いになってしまった原因を根本から正す必要があります。
しかしそれは、当人のみでなく、親もその原因を正すために心を入れ替えたり、行動したりしなければなりません。
そのため、どちらかが「自分は悪くない」と思っていたら、いつまで経っても関係を修復することは不可能でしょう。
なぜ親嫌いになってしまうのか
両親からたくさんの愛情を受けて育った子どもは、まず親嫌いになることはありません。
また、時々家族の仲にヒビが入ることはあっても、お互いに歩み寄ってそれを直そうと努力する家庭もまた、最終的には円満な家族愛に落ち着くことでしょう。
親嫌いになるには、必ず何かしらの理由や原因があります。
何もないのにただ親が嫌いな子どもなどいやしないのです。
ではどのような原因で、子どもは親を嫌いになってしまうのでしょう。
下手をすると親が死ぬまで一生親嫌いが続くかもしれなくなってしまう、その親嫌いの理由を以下にご紹介していきます。
暴力を振るわれた・振るわれている
子どもが親嫌いになってしまう大きな原因の一つに、親からの暴力行為が挙げられます。
まだ幼い頃に両親のどちらかに、もしくは両方に暴力を振るわれた経験がある子どもは、その多くが無垢な心を酷く傷つけられ、トラウマになってしまいます。
子どもが小さいほど、親の存在とは絶対的なものです。
そのため、たくさん愛情を注いでもらえば、子どもにとって親は自分を守ってくれる、温かくて愛情深い存在になるでしょう。
しかし一方で、自分に理不尽な暴力を振るう親は、子どもにとっては自分を傷つけるとても恐ろしい存在になってしまいます。
そのため、子どもの頃から親の暴力に怯えている子どもは、大人になっても暴力や怒声を極端に恐れるようになってしまいます。
そして、そんな原因を作った親に対して強い嫌悪や憎しみといった感情を抱いてしまうことがあるのです。
褒められた事がない
人は誰でも承認欲求を持っています。
「すごい・えらいと思われたい」「自分の存在を認めてもらいたい」などと、他者から自分に対しての理解を求める感情は、誰でも当たり前に持っているものです。
そしてそれを一番初めに求める相手が自分の親です。
両親から褒められたい、両親から認められたいという感情は、その先で両親から愛されたいという感情に結び付いています。
親が時に子どものすることを褒めることで、子どもは嬉しくなって自らもっと成長しようとするのです。
しかし、親から一切褒められることのない子どもは、いつだって心に寂しさや虚しさを抱えています。
大人になれば褒められるためではなく、自分のためや家族のために頑張るのが当たり前になりますが、子どもの内は親から褒められたいがために勉強や手伝いを一生懸命にする子どもが多いのです。
しかし満足に親に褒めてもらえない子ども時代を送ってきた人は、大人になってからもずっとそのことを覚えていて親嫌いになってしまうことが少なくはないのです。
厳し過ぎる躾をされた
昔気質な人ほど子どもへの躾が厳しい場合がありますが、その根底に愛情さえ感じられれば、子どもが親嫌いになることはないでしょう。
しかし、躾が厳しい親の中には、自分たちの世間体を気にして子どもに厳しくしている親もいます。
例えば代々エリート家系では、子どもの将来も親が初めから勝手に決めてしまっている場合があります。
その場合、小さい内から勉強や習い事を強制し、家のルールも一般家庭よりもかなり厳しくして、少しでも子どもがそれに反すればきつく叱りつけます。
子どもにとっては抑圧された環境が長年続くと、次第にそんな自分の家や両親に対して嫌気が指すこともあるでしょう。
親の都合で厳し過ぎる躾をされた人は、そんな自分の環境に疑問を抱く頃から徐々に鬱憤が溜まり、親嫌いになってしまうことがあります。
両親が不仲
物心ついたころから両親が不仲な家庭では、絶えず喧嘩が起こるため、それを目の当たりにする子どもにとっては当然悪影響でしょう。