日本語には、同じ読み方、音でも、漢字の違う言葉があります。

例えば「恋」と「鯉」。

「神」と「髪」や「紙」などがありますね。

漢字が違うと当然意味も変わります。

名詞などは分かりやすいですが、今回のテーマである「頂く」「戴く」「いただく」は、一見同じ使い方で問題ないように感じる人も多いでしょう。

しかし、やはりそれぞれで意味や使い方が違うのです。

今回は「頂く」、「戴く」、「いただく」の意味や使い方について詳しくお伝えします。

同じ読み方で使う場面が違ってくる日本語

冒頭でお伝えしたように、日本語は同じ読み方、音でも違う意味の言葉が多くあります。

同じ読み方でも言葉の意味が違うと、使う場面は変わります。

「頂く」、「戴く」、「いただく」も、それぞれ使う場面が変わります。

しかし、正しくその使い分けができる人は少ないかも知れませんね。

間違った使い方をしているかも

実際にメールや手紙などで、この「頂く」、「戴く」、「いただく」の間違った使い方をしているかも知れません。

会話であれば音が同じなので問題ありませんが、字として書く場合は間違いが残ります。

知らず知らずのうちに間違った使い方をしているケースは意外とあるのではないでしょうか?

「頂く」「戴く」「いただく」に意味の違いはあるの?

「頂く」、「戴く」、「いただく」に正しい使い方があるということは、文字の違いだけではなく、意味の違いもあるということでしょうか?

「鯉」と「恋」の意味が違うように、文字が違えば意味が変わるであろうことは容易に想像できます。

実際にこの3種類の言葉には、意味の違いがあるようです。

音としての意味は、「頭の上にのせる」、「主君を敬い仕える」といったものがあります。

さらに漢字の違いで「もらう」や「食べる」の謙譲語としての意味もあります。

以下で詳しく説明しましょう。

「頂く」の意味

この「頂」という漢字を使用した場合の頂くの意味は、「食べる、飲む」、「もらう」の謙譲語として使用します。

常用漢字のため、使用する頻度が高い漢字です。

例として、「おいしい料理を頂く」「夕食を先に頂く」といった使い方ができます。

「戴く」の意味

こちらの漢字の戴くは、食べるという意味はありません。

この漢字では「もらう」「ありがたく受ける」といった意味の言葉として使用します。

「戴」という漢字自体が常用外の漢字なので、あまり使用する機会がありませんが、正しく意味を伝えるためには使用するべきでしょう。

例として「卒業証書を戴く」や「高価なお土産を戴く」などが使用できるでしょう。

似たような文章でも、漢字が変わると意味が変わります。

以下のような例が分かりやすいでしょう。

「お土産のケーキを頂く」「お土産のケーキを戴く」。

この二つの例文の意味の違いが分かるでしょうか?

最初の分は食べるという意味の「頂く」を使用しているので、「お土産のケーキを食べる」という意味の例文です。

二つ目の文の「お土産のケーキを戴く」の意味は、ありがたく受けるという意味のある「戴く」を使用しているので、「お土産のケーキをありがたく受け取る」という意味があります。

「いただく」の意味

さて、最後に漢字を使用していないひらがなで表記された「いただく」の意味ですが、こちらは補助動詞として使用されます。

例えば「お越しいただきありがとうございます。」「ご覧いただく」などの表現が可能です。

補助動詞として使用する場合は、ひらがなを使用すると、文部科学省が指定しているので、ひらがなの使用が正しいといえます。

「頂く」「戴く」「いただく」の使い分け方


前章で「頂く」「戴く」「いただく」の意味の違いをお伝えしました。

この章ではさらに詳しく掘り下げて、それぞれの使い方についてお伝えし、使い分け方ができるようにしてゆきます。

正しく使い分けができれば、あなたの文章力もアップします。

そうすれば、プレゼンやメールの質も上がり、評価につながる可能性もあります。

「頂く」と「いただく」の違い

「頂く」と「いただく」は、よく同じような意味合いで使われています。

文章の流れで意味は通じるので、相手を困らせることもあまりありません。

しかし、意味の違いでお伝えしたように、本来はきっちりと使い分けるべきです。

「頂く」は主に何か食べ物を食べる際の使用する時に使用し、ひらがなでの使用を控えると、使い分けがしやすいでしょう。

動詞に付属し”いただく”と使う場合、ひらがな表記

先ほどお伝えしたように、ひらがなの「いただく」は、補助動詞として使用すると、文部科学省により指定されています。

つまり、動詞に付属して「いただく」を使用する場合は、ひらがな表記が原則であるということです。

「お乗り頂く」と、「乗る」という動詞に「頂く」を使用するのではなく、ひらがな表記で「お乗りいただく」と表記することが、「いただく」の正しい使い方です。

動詞の後にいただくを使用する場合はひらがな表記で、と覚えておきましょう。

「頂く」と「戴く」の違い

「頂く」と「戴く」も意味に違いがありました。

ここではさらにその違いについて詳しくお伝えします。

言葉の意味を覚えると表現の幅も広がります。

正しい使い分けをマスターして、より表現力のある文章を書けるようになりましょう。

漢字1つ違うだけで意味がガラリと変わる

「頂く」「戴く」。

漢字1つ違うだけですが、意味が変わります。

よく外国人の人は、日本語を勉強すると、漢字が特に難しいと感じるようです。

それには画数の多さ以外にも、こういった意味の変化と使い分けをする必要があるからでしょう。

私たち日本人にとっても難しい場合が多々あります。

しかし、一度覚えてしまえば、後は簡単です。

正しい使い分けを覚えて、正しい意味の文章を書けるようにしましょう。

「頂く」「戴く」「いただく」の例文

ここでは「頂く」「戴く」「いただく」の例文と、その文の説明をしてゆきます。

多くの例文を見ることで、体験的にそれぞれの違いや使い方が分かるようになるでしょう。

簡単なパターンが把握できたら、後は応用して自分で文章を作成することも簡単にできるでしょう。

美味しいごちそうを頂く

この文章は、ごちそうを食べる、という意味の文章ですね。

そのため食べる、という意味のある「頂く」を使用します。

ひらがなでも文章の流れとしては、意味は通じると思います。

しかし、正しい使い分けのためには「頂く」を使用しましょう。

正しく「頂く」と使用できれば、それだけで評価に差がつく可能性もあります。

お土産を頂いた

この場合も「頂」を使用しているので、食べるという意味で使われています。

つまりこの文は、お土産を食べた、という意味がある文章です。

因みにもし「戴いた」と、表記されていれば、お土産をありがたく受け取った、という意味の文章になります。

大分意味が変わりますね。

素晴らしい賞を戴く

こちらはありがたく受ける、という意味のある「戴く」を使用しているので、素晴らしい賞を受け取る、という意味の文章です。

あまり使わない漢字ですが、この際使い方を覚えて、正しく使い分けができるようになりましょう。

先日はお菓子を戴きありがとうございました。

こちらはお菓子を受け取った事に対するお礼の文章です。

もしも「頂く」を使用するとしたら、意味が変わります。

その場合の意味は「お菓子を食べた」という意味になるので、お礼の理由が変わってきますね。

微妙な使い分けができると、日本語でより豊かな表現ができるでしょう。

明日はお休みさせていただきます

この文章では補助動詞として使用しているので、ひらがな表記です。

主に店舗などでお客様に休みのお知らせを伝える場合などに使用されます。

時々「頂く」を使用している文章をみかけることもありますが、正しくはひらがな表記ですので、正しい使い分けができるようにしましょう。

動詞の後に使用する場合はひらがな表記です。

〇〇の件は△△にお願いさせていただきました

上の文章と同じく、補助動詞として使用しているのでひらがな表記です。

ただし、このような表現自体は、人によっては過剰な敬語と感じることもあります。

その場合は「お願いいたしました」などとする方が好感を持たれる場合もあります。

これはケースバイケースなので、その時の状況で的確に判断しましょう。

「いただく」の間違いやすい使い方


ここでは「いただく」の間違いやすい使い方をお伝えします。

間違えやすい使い方を覚えて、実際のビジネスや人間関係に活かしましょう。

正しい使い方を覚えれば、より気持ちが伝わる言葉の使い方ができるようになるでしょう。

「ご利用いただきまして」は間違い

「ご利用いただきまして」とは、よく耳にする表現に聞こえますが、実はより感謝を伝えるという意味では間違いであるといえそうです。

例えば「ご利用いただきましてありがとうございます」という文は、利用者主体ではなく、お店などの施設主体の表現です。

そのため、より利用者が利用してくれたことに対して感謝の意を述べるには利用者主体の表現に変える必要があるのです。

「ご利用くださいまして」が正解

そこで、利用者主体で感謝の意を述べる場合は、「ご利用くださいましてありがとうございます」が正解といえます。

この文だと直接利用者に感謝をしている表現になるので、より心がこもった、正しい使い方をしているといえるのです。

「〇〇をお送りいただき」も間違い

この表現も間違いになる場合があります。

例えば「資料をお送りいただきありがとうございました。」という文章があるとします。

この場合は資料を送ってくれた人や、その行動にお礼を言いたいので、より相手のことを立てる言葉使いにした方が正解といえます。

「お送りくださいまして」が正解

資料を送ってもらったことに対するお礼の場合、「資料をお送りくださいましてありがとうございました。」という表現が正解といえます。

資料を送ってくれた相手を立てている表現だからです。

ただし、こちらが相手に資料の送付を促していた場合は、自分が主体的に働きかけていたケースも考えられます。

そのような場合は「〇〇をお送りいただき」という表現でも良いでしょう。

「いただく」以外にも使い方で意味が変わる言葉がある

今回詳しくお伝えしました、「いただく」の使い方以外にも、日本語には使い方や漢字の違いで意味が変わる言葉が多数あります。

この章ではその中から代表的なものを紹介します。

ひとつでも多く知っておくと、表現力が上がりますし、正しい使い分けができるようになるので、文章の意味もより正確に通じるようになるでしょう。

「関わる」と「係わる」

「関わる」と「係わる」は、どちらも対象とつながる、関係をもつといった意味合いがあります。

実はこの2つの漢字の使い分けに明確な違いはありません。

そのため、文章のニュアンスで使い分けをすると良いでしょう。

例えば「命の係わる」や「試験に関わる」などがよく使われる使い方です。

ただし、どちらの漢字も常用外の漢字なので、公的な文書には使用できません。

公文書ではひらがな表記で表すようにします。

「足」と「脚」

「足」と「脚」はどちらも「あし」と読めます。

しかし、正確にはその意味する部位が異なります。

「足」は足首から下の全体を指し、「脚」は、足首から上の骨盤までの部位のことをいいます。

英語では「足」が「foot」、「脚」が「leg」とすると一番近いかも知れません。

同じ足だと思ってしまいがちですが、実は違いがあるのですね。

あなたの日本語、間違っているかも

いかがでしたでしょうか?

意外と正しい使い分けができていなかった人も多いのではないでしょうか?

多少間違えても意味は通じるので、大きなトラブルにはならないと思いますが、正しい使い方ができた方が、社会での信用度が上がります。

また、作家を目指している人は正しい使い方をマスターする必要があるでしょう。

今回お伝えした「いただく」以外にも同じ音で意味が違う言葉はたくさんあります。

自分でそんな言葉を探して、正しい使い方を調べてみることも面白いかも知れません。

間違った日本語を使わずに、正しい日本語で豊かな表現をしましょう。

言葉が豊かになると表現力が上がり、人生が豊かになりやすくなるともいわれています。

正しい言葉を豊かに使い、人生をバージョンアップさせましょう。