自分勝手に振舞う人のことを、「あの人はわがままだね」と表現することがあります。
わがままな人は周りにあまり良くない影響を与えることが多いため、「わがまま=性格の悪い人」と思われることが多いです。
そんなわがままと似た意味を持つ言葉には、どのようなものがあるのでしょうか?
また、わがままを良い言い方で表現する方法はあるのでしょうか?
わがままの類語やさまざまな表現方法についてご紹介していきます。
「わがまま」の類語を知ろう
あなたはどんな人に対して「わがまま」だと感じますか?
他人の都合や事情を考慮せず、自分勝手な振る舞いをする人、人の気持ちも考えずに自分の思ったことをずけずけと口にする人、または自分の主義主張だけを強引に押し通して、他の人の主張は無視する人など、往々にして他人よりも常に自分中心で、自分のことだけしか頭にない人のことをわがままだと表現することがあります。
そして、そうした性格の人は、周囲の誰からも同じように迷惑に思われていたり、嫌がられていたりします。
自己を少しでも振り返ったり、反省をしたりする人は、そうした周囲の評価を気にして自分の性格や振る舞いを改めようとします。
しかし、本当にわがままな人というのは、周囲の反応などまったくお構いなしで、わがまま三昧を繰り返します。
そんなわがままな人を称する時に、わがまま以外の言葉でも表現することがありますが、どんな類語があるかあなたは知っていますか?
同じ意味の言葉にもいくつかのバリエーションがあるように、わがままにもいくつかの類語があります。
それをご紹介していきますが、その前にまずはわがままの意味についてきちんと理解しておきましょう。
「わがまま」の意味
「わがまま」は、「我が儘」と書きます。
「我」は自分を意味し、成り行きに従うことや、思い通りであることを意味します。
この漢字の意味が示すように、わがままとは「他人のことを考えず、自分の都合だけを考えて行動することやさま」や「思う通りに贅沢をすることやさま」という意味があります。
主に使われる意味としては前者です。
どんな人間にも自我がありますので、自分ことが何よりも大切だったり、優先したりすることは何も悪いことではありません。
しかし、集団の中で生活していく上では、わがままに振舞ってばかりもいられません。
そもそも、みんながみんなわがままに振舞っていては、社会や組織など成立しませんし、協調や協力もなく誰もが自分のことだけを考えて争い合っていることでしょう。
しかし、人間には同時に自我を抑える理性も存在しますので、私たち一人ひとりがそれをコントロールして、必要なところではわがままを言うことなく、みんなで協力し合って生きています。
そう考えるとわがままとは、人間に本来持ち合わせている本能的な感情でもあると言えるでしょう。
「わがまま」の使用例
まだ自我の抑制が上手くコントロール出来ない子どもの日常を見ていれば、どんなことに対してわがままが当てはまるのかということがよく理解出来ます。
例えば子ども同士でおもちゃの取り合いをしているのを目にしたことがある人は多いでしょう。
どちらも「おもちゃは自分のだ!」と主張して譲らずに、実力行使でおもちゃを奪おうとします。
この行動自体がわがままそのものであり、上手く理性を働かせることが出来ない子どもだからこそ、どちらかがおもちゃを奪ってどちらかが泣くまで、そのわがままは続きます。
これが大人になると、対象がおもちゃではなく他の何か欲しいものになった時に、本心ではそれが欲しいけれども、理性や思い遣りの感情を働かせて、相手に譲るという行動が取れるようになります。
もちろん大人になったら常に自分が我慢して譲らなければならないというわけではありません。
自分が譲る時もあれば、同じくわがままを抑えた相手から譲られることもあります。
このお互いに気遣い合うということが出来ずに、大人になってもわがままに振舞っている人は、周囲から嫌われたり呆れられたりして、周りには人が集まり辛くなってしまいます。
「わがまま」の対義語
「わがまま」には、正式に辞書に載るような対義語はありません。
そのため、それに近いと思われる言葉が、わがままの対義語になります。
わがままの対義語として最も多く挙げられるのは「素直」です。
素直とは「ありのままで飾り気のないさま」や「性質・態度などが、穏やかでねじれていないさま」「物事が支障なく、すんなり進行するさま」「従順」などの意味があります。
わがままも自我のままに振舞うことですので、ある意味では素直と言えるかもしれません。