社外用あてのお礼のシーンで
日頃自分の会社と取引関係にある会社や、お世話になっている会社に対してお礼の言葉を述べる機会があると思います。
例えば取引関係のある会社同士での飲み会や打ち合わせなどで、日々の感謝を伝えつつ、さらに今後も頑張っていく旨を相手に伝えることがあるでしょう。
その際には、「いつも○○社の皆様には大変お世話になっており、心より感謝申し上げます。今後も我々は日々精進を重ねていく次第でありますので、今後ともより良い関係を築いていけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」といった内容のお礼を伝えることが多いです。
飲み会の席のように、ややフランクな雰囲気になっている時や、会社同士が親しい間柄の場合にはもう少し親しみやすい柔らかな言い回しをすることも多いです。
とはいえ一般的には礼儀を尽くした言葉で伝えることが多く、またメールのような文面で相手に伝える場合には、より丁寧な言い回しで送ることが多いでしょう。
お礼を言われた相手側も、「精進する」と言われて悪い気はしません。
また、一方的に取引先の会社から「頼りにされる」のではなく、向こうも精進してくれるのであれば、お互いに今後も良好な取引関係を結んでいけることでしょう。
年賀状で
年賀状は、さまざまな人に送ります。
親戚や仲の良い友人であれば、そこまで気を遣った内容でメッセージを書く必要はありません。
「あけましておめでとう!今年もよろしくね」や、「今年もよろしくお願いします」といった簡単な挨拶でも十分でしょう。
一方で、会社関係者に対して送る年賀状は、友人に送るようにフランクな内容で書くことは出来ません。
本心はどうであれ、昨年はお世話になりましたというお礼と、今年も良好な関係を続けていきましょうといった内容を丁寧な文章で書く必要があります。
そのため、例えば上司に宛てた年賀状の場合、「明けましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。今年も一年間、会社に貢献出来るよう精進してまいりますので、何卒ご指導のほどよろしくお願い致します。」といった内容で送ることが多いです。
上司には普段からお世話になることが多いため、昨年お世話になったお礼をした上で、今年一年も自分が努力していくという決意を伝えるのには、「精進」という言葉を使うのがふさわしいでしょう。
また、上司から部下に宛てて返す年賀状の場合には、「今年も互いに精進していこう」といったように、「一緒に頑張っていこう」という励ましの内容になっていると、部下に対する期待や熱意などを伝えることが出来るでしょう。
社内での挨拶で
「精進」は、社内での挨拶として使うことも出来ます。
例えば新入社員が最初に自己紹介をする時に、「○○と申します。これからこの会社で精進を重ね、少しでも会社の売り上げに貢献出来るように精一杯勤めますので、何卒よろしくお願い致します。」と自分の決意を伝えるために「精進」という言葉を用いるのも良いでしょう。
また、上司から激励を受けた際に、それに答える形で「精進してまいります」と自らの決意を告げるのも良いですし、企画のリーダーなどに抜擢された際に、皆の前で一生懸命頑張っていく意思を伝えるために「精進」の言葉を用いても良いでしょう。
「精進」は、例え形式上口に出すだけであったとしても、言葉を使うタイミングが上手だと、周りの人には頼もしく映り、それだけで高評価に繋がる場合もあります。
そのため、もちろん本心から精進するつもりで言葉を使った方が良いですが、人心を掴むために効果的に言葉を用いるテクニックも磨いておくと便利でしょう。
仏道修行に専念する時
仏教の道を極めるために修行に入る際にも、「精進致します」と言葉にして決意を表わすことが多いです。
元々は修行に専念する際によく用いられている言葉ですので、ビジネスやフォーマルの場で用いるよりも、より確固たる決意の表れを感じさせます。
また、仏道を極めて悟りを開くことは中々出来ることではありません。
何十年かかっても、死ぬ間際まで悟りを開けない人もいますので、仏道修行に入った人は、文字通りかかる時間に関係なく、いつまでも「精進し続ける」ことになるのでしょう。
「精進」はどんなイメージ?
あなたは「精進」という言葉に対して、どのようなイメージを持っていますか?
葬儀に参列したことのある人や、仏教の方面に明るい人では、まず仏語としての意味を持つ「精進」をイメージすることでしょう。
しかしそうではなく、ビジネスやフォーマルな場面において用いられる「精進」に対するイメージとは、どのようなものがあるのでしょうか?
一般的にイメージされやすいものを以下にご紹介していきます。
人間関係を円滑にする敬語
「精進」という言葉は、人間関係を円滑にする敬語というイメージを抱く人は多いです。
精進はあくまでも、「自分自身が一生懸命に努力する」という意味を持つ言葉です。
それは自分に対して発している言葉であり、自分に対してのみ厳しさを発揮するものでもあります。
相手に対しては何一つ強要しておらず、また求めているわけでもありません。
そのため、相手からすれば「あなたと今後も良い関係を続けていくために、私は一生懸命に努力しますね」と宣言されていることになりますので、悪い印象を抱くわけはないのです。
そうしたところからも、「精進」という言葉を用いることで、人間関係をより円滑にするといったイメージが強いのです。