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精進とはどういう意味?正しい用法と...(続き5)

丁寧な言い方なので相手に誠実さを伝えられる

「精進」という言葉には、自分が一生懸命に努力するという決意の表れを相手に感じさせる以外にも、畏まった言葉の響きで誠実さを伝えることが出来ます。

同じようなシチュエーションで、同じ人から「一生懸命努力します」と言われるのと、「精進してまいります」と言われるのとでは、どちらの方が誠実さを感じられるでしょうか?

大抵は後者の伝え方の方が、より誠実さを感じられることでしょう。

同じ意味を持っていても、場合によっては畏まった丁寧な言い方をする方が、相手に誠意を伝えやすくなるのです。

何でもかんでも「精進」を使うと軽く見られることも

「精進」は、礼儀正しく誠実な印象を相手に与えます。

しかし、時と場合、そして伝え方によっては、相手から信用を得ることが出来なくなることもあります。

例えば何度も失敗を繰り返しているのに、その度に「精進致します」と言われても、とてもその言葉を信用することは出来ないでしょう。

また、おどおどと落ち着きがなく、また自信がなさそうな表情や声色で「精進します」と言われたところで、「本当に大丈夫なのか・・?」と相手は不安に思ってしまうことでしょう。

「精進」には、強い覚悟や決意の意味が込められていますので、それを相手に伝える際には、堂々とした態度で伝える必要があります。

また一度伝えたのであれば、決して相手を失望させることのないように言葉通り全力で物事に取り組むべきでしょう。

「精進」を別の言い方で表現すると・・・?

「精進」という言葉を使いたくても、場面によってはその言葉がふさわしくないことがあります。

例えば友達や親しい間柄同士で話をしているのなら、堅苦しさを感じさせる「精進」という言葉を口にしても、反対に違和感を覚えさせてしまうでしょう。

また、親戚や知人に対して用いる際にも、もう少しフランクな言い方をした方が適している場合もあります。

プライベートな場面や気軽な場面で用いる際におすすめの、「精進」と同じ意味を持つ言葉をご紹介していきます。

熱中する

「熱中」とは、一つのことに夢中になることを意味します。

例えば読書やゲーム、おしゃべりなど、対象は何でも構いません。

とにかく自分が今集中していることの他には、まったく何も手につかないような状態を「熱中している」と言います。

「精進」は元々、仏教の道を極めようとする人が修行に専念する際に用いていた言葉です。

修行僧にとっては、仏教の道以外はまったく何も見えておらず、それだけにただひたすら突き進んでいくことになります。

これは言い換えれば、仏道に熱中している状態でもあります。

そのため、「一つのことだけに集中する」という意味では、「熱中する」という言葉も、「精進」と似ています。

懸命になる

「懸命」とは、「力の限り努めるさま」や「全力を尽くすさま」という意味があります。

物事に対して持てる限りの全ての力を注いで頑張るという意味ですので、一生懸命に努力するという意味の「精進」とよく似ています。

とはいえ、「懸命になる」という言葉は普段はあまり口にすることはありません。

同じ意味で「頑張る」「努力する」と口に出すことはあっても、「懸命になる」「懸命になります」と自ら口にする機会はそこまでないでしょう。

どちらかと言えば、客観的な意見として、「あの人は懸命になっている」などと口にすることの方が多いでしょう。

努力する

「精進」が元々仏教の道を極めるという目的のために、一生懸命に頑張るという意味ですので、どちらも意味がよく似ている言葉と言えるでしょう。

「精進」という言葉が堅苦しく感じられる場面においては、「努力する」という言葉で言い換えることが出来ます。

精進は正しい使い方で使うのがポイント!

「精進」の本来の意味や、正しい使い方についてご理解頂けたでしょうか?

ビジネスやフォーマルな場面においては、「精進」という畏まった言い方の方がふさわしいことがありますが、一方でプライベートやカジュアルな場面では、似た意味の別の言い回しをすることで、自分の意志や決意を相手に伝えることが出来ます。

どんな言葉でもそうですが、正しい使い方をふさわしい場面やタイミングで使うことが重要です。

正しく言葉を使えば、それだけ周囲からの評価が上がったり、信頼を得やすくなったりすることが出来ます。