ほとんどの人は、「書類を忘れた」という事実だけに着目して、ショックを受けたりイライラしたりするでしょう。
しかし、書類を忘れた事実には、それが起こった原因が必ずあります。
何故その原因が生まれてしまったのか、それを見つけて反省することで、二度と同じミスは繰り返さないようになるでしょう。
例に挙げた書類の忘れ物であれば、それが起きてしまった「Why」の原因は、前日家で書類をまとめた後で、寝る前にカバンにきちんと書類を仕舞わなかったからです。
書類を忘れたことをいつまでも落ち込むのではなく、その原因を素早く探って把握することで、「次は必ず寝る前に書類をカバンにしまうようにしよう」と反省して次に活かすことが出来ます。
ビジネスの場では、この例のように、何かあった時にはそれに動揺するよりも前に事が起きた原因である「Why(なぜ)」を探る癖をつける必要があります。
何か起きた時に直ぐにその原因を見つけることが出来るようになれば、例え大きなミスをしてしまったとしても、素早くそれを修正したり挽回したりする行動に移ることが可能になります。
そうした臨機応変さは、社会に出ると誰にでも求められるようになるのです。
What
「What」は、「何を・何が」という意味の言葉です。
例えばあなたが職場の部下から慌てた様子で「すみません!仕事でミスをしてしまいました!」と報告を受けた際に、「何があったのか」をまず確認するでしょう。
また、たくさんの仕事の種類がある中から、「仕事をします」と言われると、「何の仕事をするのか」と具体的な仕事内容を相手に確認するでしょう。
「What」は、その人がこれから一体何をするのか、または何をしたのかという具体的な内容を指しています。
この「What」があることで、それが起きた原因や理由である「Why」を探ることが出来るのです。
仕事をする上で、「報連相」は必須です。
「報連相」とは、「報告・連絡・相談」を意味する言葉です。
上司や部下、同僚に対して、自分の仕事内容を相談したり、または第三者からの意見を報告したり、必要事項を連絡したりと、報連相はどれもビジネスにおける重要なポイントです。
この報連相を行う際には、必ず「何を(What)するのか」ということを相手に伝えなければなりません。
そうしないと、誰が何をするのか、したのかを把握できずに、現場が混乱してしまう可能性があります。
上司や部下に報告を行う際には、まず「何があったのか」「何をするのか」を第一に伝える必要があります。
社会人としてはごく当たり前のことですが、案外この「What」が出来ていない人もいます。
一方で、「What」をきちんと毎回報連相出来ている人は、職場でのコミュニケーションや同僚たちとの連携も上手く取れる人が多いです。
When
「When」は「いつ」という意味の言葉です。
物事には常に期限というものがあります。
自分の好きなことや趣味、やりたいことであれば期限がないものも多いですが、例えば旅行に行くのであれば、「いついつ旅行に行く」と計画を立てますし、役所へ書類を提出しに行くことがあれば、提出期限も「いつまで」と定められているものが多いです。
仕事では、ほとんどの仕事内容に期限が設けられています。
例えば発注・受注作業をいつまでに行うとか、プレゼンの発表をいつ行うとか、必要書類をいつまでに揃えるとか、全ての作業に期限や納期を設定して、それに従って間に合うように仕事をしています。
そのため、報連相をする際にも、まず「何(What)」について報連相するのかということを伝えた後で、必ずそれに「いつ(When)」という期限を付けます。
例えば「来週の金曜日(When)に部署内で飲み会(What)があるので、参加する人は今週末(When)までに幹事に連絡してください」というように、「What」と「When」がセットになっていることがほとんどです。
「When」はビジネスの場のみでなく、日常生活でも重要視されるポイントです。
この「When」がきちんと報連相出来ていないと、期限に遅れたり、トラブルが発生したりしてしまいます。
Who
「Who」は「誰と・誰が」を意味する言葉です。
例えばあなたが二人一組で仕事をする際に、自分のパートナーとなる人間が誰なのか分かっていないと、まともに仕事をすることが出来ませんよね。
また、取引先に連絡を取る際にも、担当者が誰か把握していなければ、必要な連絡事項を伝えるのに時間を要してしまうでしょう。
仕事をする上で、自分が誰と関わる必要があるのか、誰に報連相をすれば良いのかという、「Who」について理解していなければ、本来スムーズに出来るはずの仕事も、「Who」の相手を探すので手間取ってしまい、時間がかかってしまうでしょう。
そうなると仕事が非効率的になりますし、もし大きなトラブルがあった時には、一体誰に助けや助言を求めてればいいのか分からずにパニックに陥ってしまうことでしょう。
自分がスムーズに仕事をする上で、最低限自分と関わりのある人たちについて把握しておくことは大切です。
そのため、「What」や「When」をきちんと理解した上で、それに関わりのある「Who」についてもきちんと把握しておきましょう。