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失念の意味とは?正しい使い方や用例...(続き4)

️「失念」の例文

「失念」してしまう場面についてご紹介しましたが、ここからは実際に「失念」という言葉を用いた例文についてご紹介していきます。

普段あまり使う機会がない人は、例文を参考にしたり、自分でもオリジナルの例文を考えたりして、いざという時にはスマートに言葉を使いこなせるようにしておきましょう。

もちろん一番はそんな例文を使わないことに限りますが、いざという時の備えのために使えるようになっておきましょう。

私の不注意で、お約束の時間を失念しておりました

この例文では、取引先との打ち合わせの約束の時間を忘れたり、顧客と会うことを忘れたりなど、元々誰かと会う約束を取り付けており、それをうっかり忘れてしまった際に使うことが多いです。

約束があったこと自体を忘れてしまったにせよ、約束があることは覚えていても、その時間を忘れてしまったもしくは勘違いしていたにせよ、相手に対して大変失礼な行為をしてしまったことには変わりありません。

そのため、例えどんな事情で忘れてしまったとしても、それをいちいち言い訳したところで、余計に相手を怒らせてしまうだけでしょう。

もし相手との約束の時間を忘れた場合には、素直に言い訳をせず誠心誠意謝罪をすることが需要です。

その際に、「この度は◯◯様に多大なご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありません。私の不注意で、お約束の時間を失念しておりました。」などと謝罪の言葉として用いられます。

日本人はネガティブなことに対しては、事細かに事情を説明したがる傾向が見られます。

例えば体調不良で会社を休む際に、いつから調子が悪く、経過はどのようなものか、病院へは行ったかなど、長々と相手に対して説明をしようとします。

その事情説明は、相手が求めていない場合には長々と話されても鬱陶しいと思われてしまうだけですので、出来るだけ要点を短くまとめて、かつ誠意を込めた謝罪をするように努めましょう。

パスワードを失念してしまったため、再発行をお願いします

仕事で必要なパスワードをうっかり忘れてしまった際には、当然パスワードを再発行する必要があります。

パソコンのさまざまなサイトのアカウントのように、パスワードを忘れてしまっても自分一人だけで再発行が可能な場合には、手間暇はかかっても、誰かに迷惑をかけることはそうないでしょう。

しかしそれが誰かの手を借りなければならない場合には、自分のせいで相手に時間や手間暇を使わせることになり、迷惑をかけてしまいます。

その際に、「パスワードを失念してしまったため、再発行をお願いします。」と用件を述べた後で、必ず一言「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」や「お手数をおかけして申し訳ありません」などと謝罪を付け加えておくと、相手の不愉快な気持ちを落ち着かせることが出来ます。

「失念」はあくまでも「うっかり忘れ」という言葉を敬語に言い換えているだけですので、それで誰かに迷惑をかけてしまったのなら、必ずそこには謝罪の言葉も付け加えるべきでしょう。

「忘れてしまったから◯◯をお願いします。」と言うよりも、「失念してしまったので◯◯をお願いします。ご迷惑おかけしてすみません。」と伝えた方が、反省しているという気持ちと、相手への気遣いを感じさせます。

確認事項を失念しており、大変申し訳ありませんでした

この例文は、仕事で何かの書類を作成する際や、提出物がある場合に、それに対して必要な確認事項をうっかり忘れて怠ってしまい、ミスに繋がった時などに用いる謝罪文です。

どんな仕事でも、確認事項というものは存在します。

明確に「◯◯をしなさい」と記載されていなくても、仕事をする上で暗黙のルールというものはあります。

例えば書類の作成一つとっても、誤字脱字がないか、内容に誤りがないか、書類の部数は合っているかなど、さまざまなことを提出前には確認します。

さらに明確な確認事項が記載されている場合には、必ずその確認事項の全てをクリアしていなければなりません。

もしその確認事項をうっかり忘れてしまえば、また一から書類を作成し直す必要があったり、周りの人に迷惑をかけてしまったりするでしょう。

そうしたミスが実際に起きた場合には、あれこれと言い訳をせずに、「私が確認事項を失念しており、大変申し訳ありませんでした。」と正直に謝罪をする方がまだ上司の溜飲が下がりやすく、また原因解明から次の行動への時間を短縮させることが出来ます。

️「失念」を使うときの注意点

「失念」が「うっかり忘れ」の謙譲語であり、自分がうっかり何かを忘れてしまった時に使う言葉だということは理解出来たと思います。

また、それをどのような場面で使うのか、また使う際にはどういった文章になるのかも例文を用いてご紹介してきました。

それらを踏まえた上で、さらに「失念」を使う際の注意点をいくつかまとめましたので、こちらもポイントを押さえておきましょう。

謝罪とともに使う

先にも少しご紹介しましたが、「失念」という言葉を使う際には、必ず謝罪の言葉も付け加えるようにしましょう。

日本人は昔から、他者に対する気遣いや思い遣りを大切にする民族ですので、ささいなことでも「すみません」「恐れ入ります」「ありがとうございます」などの気遣いの言葉を口にする癖があります。

そうした謝罪や感謝の言葉を口にするのが私たち日本人にとってはごく当たり前のことですので、反対にそれらの言葉を口にしない人は、「感じが悪い」「態度が悪い」など悪印象に思われることが多いです。

とくにその人のミスによって周りに迷惑をかけた場合には、気遣い以前の問題で「申し訳ありません」と謝罪をするのが当たり前でしょう。

悪いことをしたのだから謝るというのは、子どもでも分かるような常識です。

「失念」は「うっかり忘れ」という言葉の入れ替えです。

つまりは「忘れました」ということですので、忘れたことに対する謝罪の言葉もあるのが普通です。