例えば同じ仕事のプロジェクトを行っていた期間は毎日のように顔を合わせていたビジネス相手と、結果を見るために1か月間は時間を空けて、1か月後にお互いに顔を合わせた場合に、「ご無沙汰しています」の挨拶から交わし合うことが多いです。
毎日のように顔を合わせていたのですから、「何だか久しぶりに感じますね」や「お久しぶりです」でも問題はありませんが、やはりビジネスの場面においては、ただの挨拶と言えど「ご無沙汰しております」と形式じみた挨拶を交わし合うのが一般的とされています。
「ご無沙汰」を使うタイミングは人や場面によって変わる
「ご無沙汰しています」という言葉を使うのは、一般的には短くて1か月、長くて3か月以上会わない期間が続いた場合が一般的です。
しかし、その言葉を使う人や場合によっては、それらの一般論には含まれない時もあります。
例えばとても親しい間柄の友人同士の場合、ほんの一週間顔を合わせなかっただけでも「ご無沙汰です~」と冗談めかして挨拶することがあります。
とくに若い人の間ではじゃれあいの挨拶として、会わなかった期間に関わらずわざとこの言葉を用いることがあります。
そのため、一般的な会わない、便りのない期間は定められていても、その言葉を使う人によってはさまざまなタイミングや期間に変わってくることもあるのです。
人によっては本当にただの挨拶代わりとしてこの言葉を用いることもあるため、あまり会わない期間を意識していない場合もあります。
あなた自身、大して期間を空けてもいないのに挨拶代わりに「ご無沙汰だね」と声をかけられたことはありませんか?現在ではそうした期間に関係のないただの挨拶として用いられていることも多いのです。
そのため、目安はあくまでも目安として覚えておきましょう。
「ご無沙汰」と同じ意味の言葉は?
ビジネスの場や、目上の人に対しては、久しぶりに顔を合わせたり連絡を取ったりする際には「ご無沙汰」の言葉を使うのが一般的です。
しかし、それ以外のプライベートな場面では、あまり「ご無沙汰しています」という言い回しをすることはありません。
少々堅苦しい言い方だからこそ、フォーマルな場面では頻繁に用いられますが、何でもない私生活の中ではそう口にする機会はないのでしょう。
友人と久しぶりに会った時に、「久しぶりだね!」と声をかけることはあっても、「ご無沙汰だね」と言うことはあまりないでしょう。
また、年に数回しか会わない親戚と顔を合わせた際にも、「お久しぶりです」と言うことはあっても、「ご無沙汰していました」と堅苦しい言い方をすることはないでしょう。
「ご無沙汰」という言葉は、相手との距離が近ければ近いほど、使う機会の少ない言葉でもあります。
一方で、相手との距離が遠い場合や、フォーマルな場面ほど使う機会は多いです。
では、近しい距離の相手に対して「ご無沙汰」と同じような意味の言葉を用いる際には、どのような言い方をすることが多いのでしょうか?以下に「ご無沙汰」と意味を同じくする言葉をご紹介していきます。
久々
暫くの間や、長い間会っていなかった友人や知人と顔を合わせる際に、よく「久々だね!」という言葉を用います。
「久々」とは「久しぶり」という意味の言葉で、「久しぶり」よりもややフランクな言い回しになっています。
そのため単なる知人に対してよりは、より親しい友人関係の相手と互いに「久々だね!」と言葉を用いることが多いです。
親しい友人と「久々」という言葉を口にする時、それは挨拶でもあり、また「会えて嬉しい」という気持ちを表す言葉でもあります。
「久々」という言葉には、声をかけ合いながら互いの手を合わせるような親しみの感情も含まれているため、基本的には気心の知れた、仲の良い友人同士でしか用いることはないでしょう。
そこまで親しくない相手に対して「久々」という言葉を用いるのは、ややフランク過ぎる印象になりますので、その場合にはどちらともなく「久しぶりだね」と少し丁寧な言い方をすることが多いでしょう。
なしの礫
「なしの礫」とはことわざの一つで、「投げた石のように帰ってこないこと」を意味します。
すなわち、こちらの送った便りに対して全く返事がなかったり、何の反応もなかったりした時に用いる言葉でもあります。
例えば学生時代に親しかった友人と最近連絡を取っていなかったため、久しぶりにメールや電話をしてみたけれど、全く何の返事もなかった場合に、「まるでなしの礫だ」と表現することがあります。
「ご無沙汰」という言葉には、長い間何の便りもないという意味もありますので、「ご無沙汰だったね」という言葉を、「なしの礫だったね」と言い換えることが出来ます。
とはいえ、このことわざは日頃からそこまで積極的に用いられるものではありません。
教養のある人や、普段からことわざをよく用いる人でもない限り、そう頻繁に口にする機会も、また耳にする機会も少ない言葉でしょう。
音沙汰がない
「音沙汰」は、「ご無沙汰」の「沙汰」と同様に、便りや音信を意味する言葉です。
単に「沙汰」という言い方をすることはまずないため、「沙汰」の意味の言葉を用いる際には、「音沙汰」という言葉を使うことがほとんどでしょう。
「音沙汰」が便りや音信を表わす言葉であるなら、それを否定する「ない」という言葉を加えた「音沙汰がない」とは、便りや音信がないこと、すなわち「ご無沙汰」とほぼ同義語になります。
「ご無沙汰」の言い方が少々堅苦しく思える人の場合、「暫く音沙汰がなかったけど、元気にしていた?」など、「音沙汰」の言い方で表現することが多いです。
ご無沙汰の例文
目上の人に対してや、ビジネスの場などにおいて「ご無沙汰」という言葉を使う機会があると思います。