日常生活の中でもシナジー効果を意識することで、より自分にとって有利で効率的な結果をもたらすことが出来るようになりますが、シナジー効果を最も上げたいのなら、ビジネスで効果を狙っていくのが最もおすすめな方法です。
マネジネント・シナジー
マネジメントとは、組織の目標を設定して、その目標を達成させるために組織の経営資源を効率的に活用したり、リスク管理などを実施したりすることです。
アメリカの経営学者であるP.F.ドラッカーが生み出した概念だと言われています。
ドラッカーは自身の著書の中で、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。
このマネジメントは、どの会社でも当たり前に行われています。
会社ごとに設定する目標も、その目標を達成させるための経営資源の活用方法も異なりますが、1つの限られたやり方を行うのではなく、シナジー効果を狙ってマネジメントを行っている会社は少なくありません。
マネジメント・シナジーを行うことで、より会社組織の経営資源を効率的に活用し、無駄を省き、リスク管理をしっかりと行っていくことが出来るとされています。
販売シナジー
販売シナジーは、先に苺の例で挙げたように、単体のものを売って売上げを伸ばしていくのではなく、同時に複数のものを出来るだけ売って本来よりも売上げをさらに伸ばそうとする狙いがあります。
販売する会社側は、もしも消費者の数を増やすことが出来ないのなら、限られた消費者一人ひとりに、出来るだけたくさんのものを買ってもらう必要があります。
そうでなければ会社の売上げを伸ばしていくことは出来ませんよね。
そこで、同時に出来るだけたくさんのものを買ってもらうために、関連する商品などをまとめて売り場を作り、本来の購入予定よりも1つでも多く消費者に商品を買ってもらおうとします。
これがいわゆる販売シナジーなのです。
️シナジー効果の反義語
シナジー効果が相乗効果であるのなら、それに相反する言葉も存在しています。
物事にはすべて裏表があります。
長所があれば短所もありますし、すべてが素晴らしく良いところしかないという完璧な存在などこの世にはないと言ってもいいでしょう。
どんなに優れた自動車でも、欠点は存在します。
エンジンの回転が滑らかで走りやすいという長所があっても、同時にガソリンの減りがはやいという欠点があるかもしれません。
また、シートの背もたれに冷暖房が付いたり収納スペースが充実したりする反面、たくさん機能を付けた結果車内の空間が狭くなってしまうこともあるかもしれません。
どんな物事にも良い面と悪い面があり、またそれを表わす言葉というものもあります。
シナジー効果にも「アナジー効果」という、相反する意味を持つ言葉があります。
アナジー効果
アナジー効果とは、一言でいえば「事業間の相互マイナス効果」です。
シナジー効果は会社の収益や事業の拡大を目的として、複数の会社と新たな事業を展開したり、あらゆる方面に手を伸ばして、自社で出来る事業を増やそうとしたりします。
しかし、このシナジー効果は実際には実現させるのがとても難しいとされています。
「いくつも事業を展開すればそれで収益が上がるだろう」と見込んで行った事業が、結果的には期待よりもほとんど収益を上げることが出来なかった場合に、その事業を行うためにかかった費用の方が大きく会社が赤字になってしまうことがあります。
そもそも、1つの企業の中で異なる事業を統合することによるマイナスの効果はそれなりに大きなものです。
それ以上に収益を上げることが出来ればマイナスの効果を補うことが出来ますが、思うように収益を上げることが出来ない企業の場合には、シナジー効果を狙った事業展開はむしろ経営を悪化させてしまうことになりかねないのです。
相殺
「相殺」とは、差し引いて互いに損得がないようにすることや、帳消しにすること。
または長所や利点などが差し引かれてなくなることといった意味があります。
例えばプラスの力とマイナスの力がぶつかり合った場合に、双方の力は相殺されてなくなります。
これを物事に当てはめて考えた時に、相殺とは「可もなく、不可もなく」な状態になるということです。
シナジー効果では、互いの相乗効果によって事業の拡大や収益の増加を見込んでいます。
つまり、目的が「現状よりも良くなること」なのです。
それなのに相殺されてしまうと、せっかくシナジー効果を狙った本来の目的の意味がまったくなくなってしまいます。
アナジー効果にならずに済んだという話でもありません。
悪くならない代わりに、良くもならないのでは、そもそも他の企業や会社と手を組む必要も、事業をさらに展開していく必要もなくなってしまい、時間やお金がただもったいないだけになってしまいます。