漢字表記にするとさらに堅苦しい雰囲気になりますが、メールや手紙で目上の人に対して用いる際にはあえて漢字表記で伝えることも少なくはありません。
一方で、小説のような読み物の場合にはひらがなの「かしこまりました」で表記することが多いです。
この言葉は、目上の人からの依頼や希望を謹んで「承った」という前提で使う言葉ですので、「かしこまります」ではなく「畏まりました」と用いるのが一般的です。
御意
「御意」は、「貴人や目上の人などを敬って、その考えや意向をいう語」という意味があります。
また「目上の人に対して同意や肯定を示す返事の言葉」という意味もあり、どちらも相手の言う事に理解を示す「かしこまりました」と同じような意味になります。
「御意」はその一言で、目上の人に対する同意や肯定の意を示しながら、同時にその願いや希望、依頼などに沿う意志を表わす言葉でもあります。
言葉の表現方法はかなり古風ですので、現在では一般的に用いられることはほとんどありません。
よく時代劇や昔の映画を観ている時に、従者が主に対して「御意」と返すシーンがありますが、それも同じ意味として用いられています。
時代劇のような作品で耳にする機会が多いため、「御意」と聞くと自然と侍や忍者といったものを想像する人もいるかもしれませんね。
現在ではほとんど使われていない言葉ですので、もし目上の人やビジネスシーンで口にすると、相手は違和感を覚えてしまうかもしれません。
「かしこまりました」は目上の人に使用しよう
これまでにご紹介したように、「かしこまりました」は目上の人に使う言葉です。
もし目上の人に対して「了解しました」や「わかりました」と言ったら、言葉使いに厳しい人であれば怒り心頭でこっぴどく説教をされてしまうでしょう。
それだけならばまだしも、それがもし取引の場や打ち合わせの場だった場合には、最悪自分の会社との取引や今後の付き合いを失くされてしまうかもしれません。
そうなった場合の会社の損害を考えると、一社員でも下手なことや誤った言葉使いは早々に出来ないものです。
社会に出ると正しい言葉使いや敬語を求められるのは、その人自身の評価もありますが、その人を通して会社自体の損得に繋がる可能性が十分に考えられるからです。
そのため大手の会社や他会社との付き合いを大事にしている会社では、新人に対する教育や研修がしっかりしているところが多いです。
では、目上の人とは、具体的にどのような人たちを指すのでしょうか?以下にご紹介していきます。
上司
「かしこまりました」を始めとして、あらゆる敬語を最も多く使う対象が会社の上司です。
新入社員であれば自分と同期以外はすべて先輩、上司に当たります。
そのため、新人の頃はもっとも敬語が速く身に付きやすい時期でもあります。
この時期に正しい敬語を身に付けておくと、その後数十年と当たり前のように正しい敬語を使えるようになります。
反対に、新人時代に適当な敬語や誤った敬語を覚えてしまうと、自分が年配になった時やそれなりの役職に就いた時に、敬語の誤用で大恥をかいてしまうことになります。
ですから新入社員の頃には、先輩や上司に言葉使いを教えてもらうだけでなく、自分でも積極的に正しい敬語の使い方を学ぶ姿勢が必要になります。
新入社員であれば、上司に対して「了解しました」「わかりました」と言ってしまうこともあるでしょう。
新人だからと軽く注意をされる程度で済むことも多いです。
一方で、入社して数年が経過するのに未だに「了解しました」や「わかりました」と言っていると、上司から厳しいお叱りを受けてしまうかもしれません。
また、部下からは「この人は教養がないのだな」と内心で見下されてしまうかもしれませんね。
取引先
どんなに仲の良い取引先の相手であっても、公式の場や周りにたくさん人がいる場では、互いに敬語で話し合うことが求められます。
年齢や立場が近くて仲が良く、2人きりで食事や飲みに行った際には無礼講も良いでしょう。
しかし、そうでない場合にはある程度の線引きは必要です。
また、取引先の会社とは一定の距離をとっている場合や、新たに契約関係を結んだばかりの会社、もしくはこれから新しく契約を結ぼうと思っている会社に対しては、しっかりと敬語を使う必要があります。
大手会社とその下請けの会社の場合には、下請け会社は当たり前にへりくだった敬語を使うことが多いです。
一方で大手会社によっては、相手が下請け会社の場合、へりくだった敬語ではなく一般的な丁寧語で接するところもありますし、またきちんと人間性も出来ている人であれば相手が例え下請けであっても、へりくだった敬語を使うこともあるでしょう。
互いに対等な取引関係の場合には、互いに「かしこまりました」とへりくだった敬語を用いるのが一般的です。
お客様
お客様を相手にする場合、会社や企業側は通常へりくだった敬語を用います。