あなたはどんな時に「かしこまりました」という言葉を使いますか?会社の上司や目上の人から何かを頼まれた際に使う人がほとんどだと思います。
しかし、当たり前に使っているこの言葉について、あなたはきちんと本来の意味や正しい使い方まで把握していると自信をもって言えるでしょうか?
「そういえばちゃんと辞書を引いて調べたことがなかった」という人は、この機会にぜひ「かしこまりました」本来の意味や正しい使い方について再確認しておきましょう。
「かしこまりました」とは?
ビジネスシーンや目上の人に対して、しばしば「かしこまりました」という言葉を用いることがありますよね。
「分かりました」という言葉をより丁寧にしたものだと認識して使っている人がほとんどですが、当たり前に使われているからこそ、「かしこまりました」の本来の意味や使い方について、わざわざ調べたり学び直したりする人はいないと思います。
しかし、社会に出ると頻繁に使う機会があるからこそ、その言葉の本来の意味や正しい使い方をきちんと理解しておかないと、うっかり誤用してしまうことがあるかもしれません。
そしてまた、学生の頃ならば誤用したらそれを指摘してくれる教師や親の存在がありますが、社会人になるといちいち間違いを指摘してくれる人はいません。
つまり、誤用して恥をかいたままの人生を送ることになってしまうということです。
自分で間違いに気づかないままで一生を終えるのならばまだしも、もし自分よりもいくつも年若い人から「『かしこまりました』の使い方、間違っていますよ」などと指摘をされたら・・・想像しただけでも顔から火を噴いてしまいそうですよね。
そんなことにはならないように、ここで改めて「かしこまりました」という言葉について知識と理解を深めておきましょう。
「かしこまりました」の意味
あなたはどんな意味合いとして、「かしこまりました」という言葉を使っていますか?
恐らくは「分かりました」を丁寧に表現するための言葉と認識して使っていることでしょう。
その認識はおおよそ間違いではありません。
しかし、本当はもっと具体的な意味や理由があって、この言葉は成り立っています。
とはいえ、「かしこまりました」という言葉は、例えば「こんにちは」や「ありがとう」などの言葉のように、あまりにも当たり前に使っているからこそ、これまでいちいち言葉の意味など調べてはこなかったでしょう。
また、「なんとなく」のニュアンスが合っていて、他の人も同じように使っている言葉であれば、よりいちいち具体的な意味など普通は調べないものです。
ですが知っていて損はありませんし、場合によっては知らないと恥をかいてしまうこともありますので、この機会に「かしこまりました」の詳しい意味についても知っておきましょう。
辞書的な意味
「かしこまりました」という言葉は、辞書的には「相手の言った言葉に対してきちんと理解して、その言葉に従います」という意味があります。
相手に何かを言われて、それを適当に聞き流して答える言葉ではなくて、まず相手の言葉をきちんと自分が理解しているということが重要なポイントです。
その上で、相手の希望や願いのままに自分が従って行動するということですので、相手の言葉を理解して口では承知しても、実際にそれを行動に移さないような場合には「かしこまりました」と使ってはいけません。
例えば上司から、「この書類は来週の月曜日に資料として使うから、30部コピーしてくれ」と頼まれたら、上司の指示を理解して自分が行動する際には「かしこまりました」と答えます。
そして答えた通りに、必要な部数をコピーして揃えたら上司へ渡します。
ごく当たり前のことに思えますが、言葉には「言霊がある」と言われているように、口に出したからには必ずその言葉通りに行動する誠意が求められるのです。
とくに「かしこまりました」という言葉は、自分の意志によって使われるものではありません。
誰かに何かを頼まれて初めてその言葉を口にする機会があります。
自分に何かを頼んだ相手に対して使う言葉だからこそ、誠意や実際の行動が求められるのです。
敬語表現
「かしこまりました」という言葉は敬語表現です。
正しくは、「分かりました」という言葉を敬語表現にしたものになります。
「分かりました」という言葉も、「かしこまりました」同様に、相手の言葉を理解して、それを承知したり、従ったりするという意味があります。
それをさらにへりくだった表現が、「かしこまりました」となるのです。
「分かりました」は敬語ですが、対等な立場の相手や親しい相手、もしくは目下の人に対して使う言葉です。
そのため、目上の相手に対して「分かりました」と使うことはあまりありません。
例えば上司と部下の関係が親しく、距離が近い場合には上司の言葉に対して「分かりました」と返すことがありますが、基本的には目上の相手に対しては「分かりました」ではなく、「かしこまりました」を用います。
上司や目上の相手に対しては、一般的な丁寧語や敬語よりも、へりくだった表現方法の方が好ましいとされています。
そのため、ビジネスシーンほど「かしこまりました」を使う機会が多いのです。