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「いずれ」と「いづれ」はどちらが正...(続き3)

例えば大人が子どもに対して物事を諭そうとする時に、「お前もいずれ俺の言いたいことが分かる時が来るようになるよ」と言うことがあります。

この「いずれ」もいつ言いたいことが分かるようになるのか、などについては曖昧なままです。

言われた子どもからすれば「そんな曖昧なことを言われたって納得できない」と思えるでしょう。

実際に大人になってみないと分からないことはたくさんあります。

その時にならないと納得で出来ないこともたくさんあるため、大人はそれ以上明確な言葉で伝えることは現時点では出来ないのです。

また、はっきりとどちらが正解なのか分からない状況で、とりあえず話をまとめようとする際にも、「いずれにせよ、時間が立てば答えが分かるはずだ」とはっきりしないままに物事を言い表すことがあります。

「いずれ」「いづれ」という表現方法では、はっきりとしないものを曖昧な状態のままでとどめておくことが出来ますので、その場では分からないことがある場合によく用いられます。

どれ

「いずれ」「いづれ」には、「どれ」という意味もあります。

例えばたくさんの同じものの中から本物を探す際に、「この中のどれかが本物だ」と口に出す時、それを「この中のいずれかが本物だ」と表現することが出来ます。

また、いくつかのお土産の中から「どれがいいか好きなものを選んでください」と言う時に、「この中のいずれかからお好きなものをどうぞ」と表現することも出来ます。

「いずれ」「いづれ」は、「どれ」の意味で普段使いをすることはあまりないでしょう。

年配の人や、普段からとりわけ丁寧な言葉使いをする人では「どれ」を「いずれ」「いづれ」の言葉で表現することはありますが、そうでなければ一般的にはあまり「どれ」の意味で用いることはないでしょう。

とはいえ、お客様や目上の人に対しては「どれ」という表現が失礼にあたることもありますので、そうした場合には「いずれ」「いづれ」の言葉で表現をすることがあります。

どこ

「いずれ」「いづれ」は、場合によっては「どこ」と場所を表現することもあります。

例えば仕事で必要な書類を探している人が、「◯◯の書類ってどこにあるか知ってる?」と同僚に聞き、それに対して同僚が「その机のどこかにあるよ」と答えたとします。

この同僚の答えを、「その机のいずれかにあるよ」と言い換えることが出来ます。

相手が身内や親しい人、職場の同僚などの場合にはわざわざ「いずれ」「いづれ」の言い方をする必要はありません。

しかし、相手が目上の人や上司の場合には、丁寧な物言いをする必要があります。

そうした場合には「どこ」ではなく「いずれ」「いづれ」と表現するべきでしょう。

「いずれ」「いづれ」の使い方


「いずれ」「いづれ」には、さまざまな使い方があります。

シチュエーションによっては異なる意味として用いることもあります。

相手が何に対して「いずれ」「いづれ」という言葉を用いているのかを読み取るスキルが少なからず必要になります。

また、自分が相手に伝える際にも、何を意図してその言葉を使っているのかを出来るだけ分かりやすく相手に伝えた方が良いでしょう。

ただでさえはっきりとしない物事を表現する言葉ですので、使い方にはそれなりの注意が必要です。

「いずれ」「いづれ」を使った例文を以下にご紹介していきます。

例文1:「今は海外出張のためにアメリカで働いているが、いずれは日本に帰るつもりだ。」

この例文では、現在海外出張でアメリカに行っている人が、そのうち日本に帰るということを予定しているのが分かります。

まだいつ日本に帰るとは決まっていないものの、元々は日本の会社に勤めていて、海外出張という形でアメリカに行っているため、時期は未定でも必ずいつかは帰国することは分かります。

そのためいつかは帰国することを想定して、「いずれ」という表現を用いています。

例文2:「我が家の子どももいずれ大人になり、結婚して家庭を持つだろう。」

この例文では、子どもの成長と共に子どもの将来について触れています。

命あるものであれば、誰もが生まれて成長し、老いて死んでいきます。

それは絶対不変のものであるため、子どもがいつか必ず成長して大人になるということは誰にでも予測が付きますし、理解も出来ます。

その必ず成長することに加えて、子どもの将来も同時に予想しています。

大人になってからの生き方は人それぞれです。

生涯一人身の人もいるでしょうし、結婚して子どもを授かる人もいるでしょう。

生き方はそれぞれですので、現時点で子どもの将来を断定することは出来ません。