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「いずれ」と「いづれ」はどちらが正...(続き5)

例えば取引先の会社とトラブルを起こした際に、「近日中に対応致します」と伝えたら、相手から「近日中っていったいどれくらい時間がかかるのか」と明確な日にちを求められることも珍しくはありません。

とくに相手がこちらに対して要望があったり、急ぎであったりする場合には嫌がられる表現でしょう。

それ以外の場合で、日にちは近いもののはっきりいつだと明言出来ない場合には、「近日中で」という表現が用いられます。

そのうち

「そのうち」は、「実現までにそれほど時間がかからないさま」や「近い内・近日」といった意味があります。

「近日中」よりももっと曖昧な表現ですが、「いずれ」「いづれ」よりは実現までの時間がかからないことが多いです。

また、本当に実現させるつもりはなく、単なる社交辞令として「そのうち」と用いることもあります。

例えば試験の結果がいつ分かるのかという問いに対し「そのうち分かるよ」と返した場合には、実際に結果が分かるまでそう時間を要しないことが多いです。

一方で、異性をデートに誘って「そのうちね」と軽くあしらわれてしまった場合には、単なる社交辞令として「そのうち」と言われた可能性が高いです。

本当に実現までにそう時間がかからないのか、それとも単なる社交辞令なのかを見抜くポイントは、それがどんな物事なのかということと、相手の反応です。

例えば先に挙げたように試験の結果だったり、明らかに時間の経過と共に結論が出るような物事の場合には、実現までにそれほど時間はかからないでしょう。

また、デートや遊びの約束など、お互いに予定を合わせなければ実現しないような内容の場合には、「そのうちね」といった相手との親密度や相手がどの程度乗り気なのか、その態度から社交辞令かどうかを判断することが出来ます。

もしも相手との仲が良いのなら、きっと近いうちにお互いに会う約束をするでしょう。

一方で、相手と滅多に会うことがない関係だったり、相手があまり乗り気でない場合には単なる社交辞令の可能性が高いでしょう。

「そのうち」は「いずれ」「いづれ」よりも、より都合の良い曖昧な表現として用いられることも少なくはありません。

いつか

「いつか」は、未来や過去の不定の時を表わす言葉です。

また、過去や未来の事柄について、それがいつであったかという疑問や反語の意を表す言葉でもあります。

「いずれ」「いづれ」も、具体的な期限や日付を定めない言葉ですが、「いつか」の場合にはよりそれが不明確な印象が強くなります。

例えば「いずれ会いましょう」と言われたら、「その内会えるのかな」という期待感を抱くことが出来ますが、「いつか会いましょう」と言われたら、「偶然でもない限りは、向こうから会おうという意志は感じられない」と思える人は多いでしょう。

それほど「いつか」という言葉は、不定の時を表わす言葉の中でも、より実現性が低く感じられる言葉でもあります。

だからこそ、「この人には出来ればもう会いたくないなぁ」と思う相手に対して社交辞令を用いる際に、「またいつか会いましょう」と表現する人は多いです。

しかし一方で、「またいつか会えたらいいな」と、限りなく実現させることは不可能に近くとも、一筋の希望を持っている際に用いる言葉でもあります。

「いつか」も、このようにシチュエーションによって相手との距離を遠くさせたり、反対に近くさせたりすることが可能になります。

やがて

「やがて」とは、「しばらく時間が経過すると、その事態に至るさま」という意味があります。

「そのうち」で表されることもあります。

また、時間や年月を表わす際には、「はっきりとどれくらいかはいえないが、それに近いさま」という意味になります。

さらに、「いつとは分からないが、将来においては実現すると予測するさま」という意味もあります。

今すぐにと断言は出来なくても、恐らく近いうちにそうなるだろうと予測出来る際には、「やがて◯◯になる」といった使い方をすることがあります。

例えば、「今は雨が降っているが、やがて晴れるだろう」という使い方をする場合、雨は必ずいずれは上がるものですし、また天気予報で次第に晴れると分かっているため「やがて晴れる」という表現が可能になります。

また、例えば「夜はやがて明けるだろう」という使い方をする際にも同様のことが言えます。

遅からず

「遅からず」とは、「未確定ながらも近い将来にある物事を予定しているさま」という意味があります。

「遅い」という言葉を打ち消す形になっており、このことから「そう遅くはない」ということが予想されます。

例えば「彼は今外出しているが、遅からず戻るだろう」という場合、外出中の人がそう遅くない内に戻ってくるだろうということを示しています。

また、「遅からず探しものは見つかるだろう」という場合には、現時点では探し物が見つかってはいないものの、そう遠くない内に見つけることが出来るだろうと予想出来ることが分かります。

それは探し物をする場所が限られている場合や、大体の目星がついている場合に使われます。

類語の言葉に「遅かれ早かれ」「近々」などいくつかあります。

今使うなら「いずれ」を選びましょう

いかがでしたでしょうか?「いずれ」と「いづれ」は、どちらも同じ意味を持ち、また表記にもどちらが正しくてどちらが間違っているということはありません。