バンザイは、そうしためでたい時に行われるものですので、悪い意味として使われることはまずありません。
どこかで誰かが万歳三唱をしていれば、それはすなわちめでたいと祝っていることですので、何かに対して不満を訴えていたり、怒りや不快な気持ちがあったりするということはないでしょう。
喜びの感情を表すように、バンザイをする人たちは大抵その顔には笑顔を浮かべています。
満面の笑みを浮かべている人もいれば、付き合いとして作り笑顔の人もいるかもしれませんが、本心の思惑はどうであれ、表面上は誰もが笑顔で万歳三唱をしていることが多いです。
何も知らない子どもが大人につられてバンザイをする時なども、大人の笑顔を見て自分も同じように満面の笑みを浮かべることでしょう。
みんなでやることで一体感が生まれる
バンザイの主な目的は、新たな門出や祝い事をめでたいと喜ぶことですが、それ以外にも大きな目的があります。
それは、みんなで万歳三唱を行うことで、その場に一体感を生み出すことです。
喜びの感情というものは、一人で表現するよりも、みんなで一緒に分かち合うことでさらに大きな喜びの感情を生み出すことが出来ます。
たった一人だけで喜んでいるのは単なる自己満足に過ぎませんし、その場に何の一体感も生まれません。
けれども、みんなで同じようにバンザイをすることで、一人の喜びの感情が周りにも伝わり、その喜びの感情を通してその場に一体感を生み出すことが出来ます。
怒りや悲しみの感情をみんなで分け合うことに対しては、抵抗がある人も少なくはないでしょう。
けれども「嬉しい」「おめでたい」といった明るく前向きな感情は、みんなに伝染するとみんなが良い気分になれますし、自然とその場の雰囲気も良いものになります。
本来は一人だけの喜びであるものが、バンザイを通してみんなの喜びになることで、みんなが同じ一つのことに対して意識を向けることが出来ますし、仲間意識や協調性も生まれやすくなります。
集団で動く必要がある時や、全員で一致団結しなくてはならない時には、こうしたバンザイのようにみんなで何かを行うことによって、バラバラだった気持ちを一つにまとめることが出来ます。
もともとは中国の千秋万歳
バンザイの発祥は中国です。
日本では「万歳三唱」と言われていますが、そのもともとの由来は中国の「千秋万歳(せんずまんざい)」という言葉です。
言葉の意味は長寿を祝うものであり、当時の中国では「万歳」の言葉を受けることが出来るのは皇帝のみとされていました。
すなわち、民が皇帝の長寿を祝う際に「万歳」の言葉を贈っていたと言われています。
また、臣下が同じ意味で言葉を受ける場合には「千歳(せんざい)」という言葉を受けていました。
現在の日本では誰に対しても平等に万歳の言葉を向けていますが、当時の中国ではそれは皇帝のみに許された特別な言葉でした。
日本の最初のバンザイは明治時代
中国の「千秋万歳」という言葉は、日本でも平安・鎌倉時代には伝わっていました。
その当時は新年を祝う際の言葉として用いられることが多かったですが、現在の「バンザイ」については由来はまた別のところから来ています。
日本で最初にバンザイが行われたのは明治時代だと言われています。
大日本帝国憲法が発布される一月前に、当時の政府が天皇をたたえるための言葉や行動は何かないかと考え、当初は「奉賀(ほうが)」という言葉が採用されました。
しかし、奉賀をみんなで何回も続けて叫んでいると、次第に「(あ)ほうが」つまり「阿呆が」と聞こえてしまうことに気付いたため、急きょそれに代わる言葉が考え出され、それが万歳になったとされています。
そして憲法発布の日には、民衆が一斉に「天皇陛下万歳!」と大声をあげたのが始まりです。
現在では天皇陛下の言葉を言われなくなり、代わりに何かおめでたいことがある時には、万歳三唱が行われるようになったと言われています。
️バンザイのやり方
バンザイの意味や由来について分かったところで、次はバンザイのやり方についてご紹介していきます。
バンザイはいつの頃からか、周りに合わせて自分もやれるようになっていることが多いので、改めてバンザイのやり方について教わるような機会はこれまでになかったという人が多いと思います。
また、実際に学校の授業などでもいちいちバンザイのやり方を教えることはありませんし、動作自体は単純なものですので、周りに合わせていれば自然と出来るようになるのが普通です。
しかし、この機会に一度改めて正しいバンザイのやり方について知っておくのは良いことでしょう。
人によっては万歳三唱を「右翼的な考え方や行動」と捉えることもありますので、みんなで一緒にバンザイをすることに対して抵抗があるという人もいるかもしれません。
しかし、バンザイ行為そのものは何ら右翼的な考え方でも行動でもありませんので、そうした国家的な思想とは関係なしに知っておいた方が良いでしょう。
あなた自身、バンザイの意味や正しいやり方も何も知らないのに、ただ何となく周りに合わせてやっているだけでは、万歳三唱にもまったく気持ちや力が入りませんし、無意味な行動に思えてしまうことでしょう。
そのため、実際には行わなくても知識として知っておくことは大切なのです。
万歳三唱
バンザイは、正式には万歳三唱と言います。