とくに「ひいては」の代わりとして用いられる際の意味は、「程度がより増したり段階がより高まったりするさま」であることが多いです。
例えば「マンションの管理システムの技術が向上したので、さらにセキュリティが万全になった。」
「近所の薬局が今年の夏にリニューアルして、さらに広く便利になった。」
「テストで悪い点をとり、さらにお小遣いまで下がってしまった。」
などが「ひいては」の代わりとして「さらに」を使っています。
一見「ひいては」と意味が違っているように思えるかもしれませんが、原因と結果の因果関係を表わしているという点では同じです。
また、「ひいては」はビジネスシーンなど使う場面が限られていることが多いですが、「さらに」という表現方法は日常会話の中でも頻繁に使われています。
そのため、使う頻度は「さらに」の方が多いので、意味をきちんと理解しておくと、より上手に原因と結果の因果関係を言葉で表現出来るようになります。
その結果
「その結果」は、原因と結果の因果関係を最も分かりやすくシンプルな言い方で表現しています。
例えば「店の売り場をもっと消費者に分かりやすくなるようにリフォームした。その結果、店の売り上げが伸びた。」
「毎晩欠かさずにしっかりと授業の予習復習をした。その結果、期末試験では好成績を取ることが出来た。」
「毎日暴飲暴食を繰り返していた結果、健康診断で引っかかってしまった」
など、ある出来事や原因を受けて、その結果を示す際に用いられることが多いです。
「その結果」という言葉自体がすでに「結果をこれから示す」と言っていることになるため、誰が聞いても原因と結果の因果関係であることが分かります。
一方で、使い方をよく分かっていない人の場合、「お腹が空いた。その結果ご飯を食べて満腹になった。」と微妙にずれた使い方をしてしまいます。
この例での正しい「その結果」の使い方としては「お腹が空いたのでご飯を食べた。その結果満腹になった。」となります。
「ひいては」よりも普段使いがしやすい言葉ですが、日常会話の中で「○○をした。その結果××になった。」とわざわざ形式的な言い方をすることはあまりないでしょう。
反対に文章で書く際にはこの使い方をすると言いたいことが相手に伝わりやすくなります。
それにとどまらず
「それにとどまらず」という言葉も、場合によっては「ひいては」の代わりとして使うことが出来ます。
「とどまらず」は「とどまる」という言葉の否定形で、元は「進行していたものが停止する」や「その範囲・限度を越えないでいる」「同じところに滞在する」といった意味があります。
これの否定形ですので、「その範囲や限度を越える」といった意味になり、ある出来事のみでなく、それ以上に何事かが起こることを示しています。
つまりは、「それ」が指すものだけでなく、それ以外にも何事かが起きるということですので、「それにとどまらず」は「それだけでなく」という意味になります。
これを文章にすると、例えば、「地震が起きて建物が倒壊した。それにとどまらず、海沿いの地域では津波まで起きた。」
「日頃の不摂生がたたり風邪を引いてしまった。それにとどまらず、悪化して気管支炎まで併発してしまった。」
など、前に起きた出来事の他にも、さらに別の出来事まで起きた場合に使います。
また、「それにとどまらず」という言葉は、大抵はあまり良くないことに対して使われることが多いです。
先に起こった出来事以上に悪い出来事が起きた時や、また別の良くない出来事が起きた時などに用いられます。
良い出来事が立て続けに起きた時には別の言い方をします。
結果的に
「結果的に」は、「その結果」とよく似ています。
明確な違いがあるとすれば、「その結果」が原因と結果の因果関係を結ぶ接続詞として使われているのに対し、「結果的に」は前後の文章の繋ぎとしてではなく、一つの文章の頭に持ってきて使うことが出来ます。
また、もちろん前後の文の繋ぎとしても利用することが出来ます。
例えば「炭水化物抜きダイエットをして、その結果痩せることが出来た。」という文章があるとします。
これを「結果的に」の言葉を使うと、「炭水化物抜きダイエットをして、結果的に痩せることが出来た。」となります。
また、前提として炭水化物抜きダイエットをしていた場合、それが周知の事実であれば、わざわざ「炭水化物抜きダイエットをしている」と文章や言葉にする必要はありません。
その場合には、「結果的に痩せることが出来た。」とシンプルな文章のみで表すことが出来ます。
また、一般的には原因と結果の良し悪しは比例していることが多いです。
例えば「甘いものを食べ過ぎたらその結果虫歯になった」など、悪い原因であれば当然結果も悪いものになることが多いです。