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ひいてはの正しい使い方は?注意点と...(続き5)

「しいては」は、言葉の響きが「ひいては」とよく似ているため、意味や使い方が混同されることが少なくありません。

「一つの仕事を丁寧に行うことが、ひいては会社のためになる」という文章を、「一つの仕事を丁寧に行うことが、しいては会社のためになる」と使ってしまっていたり、「ひいては賢くなれる」という言葉が「しいては賢くなれる」と使ってしまったりすることがあります。

しかし、言葉の響きは似ていても、その2つの意味はまったく異なっています。

そのため、「ひいては」を誤って「しいては」と使っていると、周りの人に誤解を与えてしまうかもしれません。

正しく言葉を使い分けるためにも、「しいては」の意味についてもきちんと理解しておきましょう。

「しいては」の意味

「しいては」は、漢字で「強いては」と書きます。

「強いて」を強調したものが「強いては」の形になり、意味は「無理に」や「無理矢理に」です。

「ひいては」の意味が「その結果」や「さらには」であることから、「しいては」とまったく異なる種類の言葉であることが分かります。

全然意味が違うので、「ひいては」を使うところで「しいては」を使ってしまうと、文の意味が通じずに周りからは「何を言っているんだ?」と思われてしまいます。

もしくは、「ひいては」と「しいては」を間違って使っているのだと思われて、苦笑いされてしまうかもしれません。

「しいては」の使い方

「しいては」には、「元々は何と言うことはないけれど、あえて言うのなら」といった意味があります。

そのため、多くの場合「しいて言うのなら○○だ」といった使い方をされます。

例えば「2人の実力は同じくらいだが、しいて言うなればA君の方が仕事を終えるのが速い」

「甘いものも辛いものも好きだが、しいて言うなら辛いものの方が口に合う」

など、「どちらを比べるべくもないけれど、どちらかと言えば」といった意味合いが強いです。

このように、比較対象となるものに対して使うことの多い言葉です。

「しいては」という言葉でなく、「しいて言えば」「しいて言うのなら」といった使い方をよくされています。

「ひいては」の例文!

「ひいては」の正しい意味や使い方についてご紹介してきました。

ここからは、「ひいては」を使った例文をご紹介していきます。

「ひいては」の使い方がいまいちまだ分からないという人は、例文を参考にして自分でもいくつか文章を考えてみて下さい。

スムーズに文章が思いつくようになったら、いざ口にして使っていくことで、上手く使いこなせるようになっていきます。

日常的な例文

ごく普通の日常生活の中で、「ひいては」という言葉を使う機会はあまりないかもしれません。

何故なら、普段使いの場合には似た意味を持つ「そのため」や「さらに」などを代用することが多く、わざわざ「ひいては」という言葉で表すことをしないからです。

それは普段使いとしては「ひいては」がやや堅苦しい表現だからでしょう。

そのため、普段の会話の中ではあまり口にする機会も、また耳にする機会も少ないでしょう。

ではどのような場所で私たちは「ひいては」という言葉を見たり聞いたりするのでしょうか?

小説

小説を読んでいると、さまざまな文章や言葉使いを目にします。

普段会話の中で使わないような堅苦しい言葉使いやかしこまった表現も、小説の中では当たり前のように目にする機会があります。

そしてまた、「ひいては」という言葉もよく見かけます。

例えば「○○のしたことが、ひいては世の中のためになったのだ」や「今朝この道を通ったことが、ひいては自分の身を守ることになった」など、さまざまなシチュエーションでこの言葉を見かけます。

小説のように自然な文章の流れとして自分の頭に入れておくことで、いつしか自分も「ひいては」と使うようになっていたという人もいるかもしれません。

ニュースや広告

ニュースや広告では、かしこまった表現をすることが多いです。

そのため、「ひいては」という言葉もよく耳にしたり、聞いたりすることがあるでしょう。

ニュースキャスターやコメンテーターが「ひいては○○のためになるでしょうね」などと話しているのを何となく聞いている内に、いつの間にか自分も使えるようになっていたという人もいるでしょう。