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善処とはどういう意味?正しい用法と...(続き4)

また、こちらが求めるのではなく、目上の人が自ら善処した場合には、「この度はご善処頂きまして大変有難うございます。」とお礼の言葉として使うことがあります。

善処を使用するシーンを解説!

「善処」という言葉は、どのようシーンで用いられることが多いのでしょうか?公式な場面やかしこまった場面で使われることの多い言葉ですので、ビジネスシーンでとくに使われることが多いです。

例えば上司から、「今やっている仕事の納期を3日ほど早めて欲しい」と指示をされた場合に、それが見込めるようであれば「善処します。」と答えることがあります。

上司の指示ですので、もし納期を早めるのが難しくても、極力その指示に応えることが出来るように尽力する必要があります。

しかし、どうしても無理そうな場合には予め「可能な限り善処致します」など、実際に指示通りにできるかどうかは分からないけれども努力するといった意志を上司に伝える必要があるでしょう。

もし何も言わずにただ「善処します」とだけ答えると、上司は納期を確実に早めることが出来ると思い、それに沿って仕事の予定を立てていきます。

そのため、上司の指示通りに出来ない可能性が少しでもあるのなら、事前にそれを伝えておくと無難でしょう。

また、取引先の会社や顧客との商談の際に善処という言葉を用いることもあります。

例えば顧客や取引先の会社から要望や希望を出された場合に、出来る限り尽力するといった意味で「善処致します」と使うことがあります。

この場合にも、上司の時と同様に、相手の希望に沿える可能性が高ければ善処を使っても良いですが、無理そうならその意志を伝えておいた方が良いでしょう。

善処の基本パターン

「善処」という言葉を使う場合には、その前後に言葉をつけて使うのが普通です。

善処という言葉自体は敬語ではありませんが、かしこまった場面や丁寧な言葉遣いをする際に使うことが多いため、タメ口で話す時に使うことはあまりないでしょう。

例えば誰かに何かを頼まれた際に、「頑張るよ」や「努力するよ」と返すことはあっても、「善処するよ」と返すことはあまりありません。

もちろん使ってはいけないということではありませんが、やはり言葉の響きから、「善処します」や「善処致します」などと丁寧な言葉遣いと共に使った方が良いでしょう。

では、どのような言葉遣いとして善処を使うことが多いのでしょうか?基本パターンを以下にまとめましたので、どのように善処の言葉を使えば良いのかよく分からないという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

善処する

「善処」という言葉を使う際に、最も多く用いられるのが「善処する」という言い方です。

とはいえ、先にもご紹介したように、善処は基本的に丁寧な言葉遣いで表現することが多いため、正しくは「善処します」という言い方をします。

例えば誰かに何かを求められた際や、要望を受けた際に「善処します」や「善処致します」と使うことが多いです。

相手が自分と同等の相手の場合には「善処します」と返しますし、相手が自分よりも目上の立場の場合には、「善処致します」や「善処させて頂きます」のように、より丁寧な言い回しをします。

使い方はこれまでにもご紹介したように、相手の要望に応えられる見込みがある時に使うことが多く、否定的な意味としてはあまり用いません。

ただし社交辞令のような場合には使うこともあります。

「善処する」という言葉は、自らの意志でもって、状況に応じて適切な処置をするということですので、自分自身のこれからの行動に対して言葉を用いています。

例えば上司に急な仕事を本日中に頼まれた場合には、頭の中で即座に仕事のスケジュールを確認しながら、何とかなりそうなら「はい、善処致します」と返すことが多いです。

これは「分かりました」をより丁寧に表現した言葉でもあります。

善処を求める

相手に対して善処してもらう場合に、「善処を求める」という使い方をすることがあります。

例えば上司が部下に対して、「今回のプロジェクトでは善処を求めたい」や「善処してもらいたい」といった表現をすることがあります。

自分自身で善処を使うのならばともかく、相手に対して善処を求める場合は、その相手との関係が、自分優位であることが前提とされます。

もしも自分よりも目上の人に対して善処を求めようものなら、大変な失礼になってしまうので絶対に目上の人には善処を求めないようにしなければなりません。

一方で、目上の人から目下の人に対しては、場合によっては善処を求めることがあります。

それは簡単に表現するなら上司から部下へ「頑張れ」「努力しろ」と尽力を求めていることになりますので、それを受けた目下の人は出来る限りそれに応えられるように努力をしなければなりません。

また、例えば大手企業と取引関係にある下請け会社の場合には、大手企業の方が立場は上になりますので、下請け会社に対して「善処を求めたい」と強気な表現をすることが可能です。

善処していただきたい

目上の立場の人から目下の人に対して善処を求める場合に、「善処していただきたい」といった表現をすることがあります。

もちろんそのまま相手に伝えるとあまりにも上から目線になってしまいますので、言葉にする際には「○○さんにはぜひとも善処してもらいたいと希望しております。」などと丁寧な言い回しをするのが一般的です。

意味は同じく強気に相手に対して善処を求めていますが、言い方を丁寧にするだけでも多少穏やかに表現することが出来ます。

とはいえ、「善処していただきたい」と言われた側にとっては、「それだけ良い結果を出してもらいたい」と暗に求められているため、その内容によっては困ってしまうこともあるでしょう。