ビジネスシーンなどでよく「善処します」という言葉を使う機会があると思います。

自分でも使っていたり、耳にしたりすることの多い言葉ですが、この「善処」とはどのような意味があるのでしょうか?

善処の意味や正しい使い方、類似の言葉などをご紹介していきます。

意味や用法を知っておけば、いざという時に自分でも使うことが出来ますので、この機会に善処について理解を深めておきましょう。

「善処」って何?正しい使い方は?

社会人になれば、誰でも一度は「善処」という言葉を耳にする機会があるでしょう。

仕事内容によっては、自分でも頻繁に使う機会があるかもしれません。

善処という言葉について、学生の頃には習わなかった人でも、社会人になるといつの間にか使えていることが多いです。

それは周りで誰かが使っているのを耳にして、「ああいう場面で使えばいいのか」と自分で学ぶことが多いためです。

しかし、何となく周りの人が使っているのを耳にして、曖昧に使い方を覚えてしまうと、善処の本来の意味や正しい使い方については学ぶことが出来ず、また人によっては間違った使い方として覚えてしまうことがあるかもしれません。

そのため「なんとなく」使えるのではなく、きちんと善処という言葉の意味や正しい用法を理解した上で使う必要があります。

曖昧に使っていて問題がなければそれでも良いかもしれませんが、それではいざという時に大きな失敗をしてしまうかもしれませんし、あるいは恥をかいてしまうかもしれません。

そうならないためにも、自分で善処という言葉について改めて学ぶ機会をもうけることは大切なことです。

これは善処という言葉に限らず、他の多くの言葉についても同様のことが言えます。

私たちが日頃、何となくの曖昧な状態で使っている言葉について、自分で機会を作ってその意味や正しい使い方について知識を深めましょう。

「善処」の基本!


「善処」は、その言葉だけで使われることはあまりありません。

例えば「善処します」「善処してください」などのように、自分や相手の行動を示す言葉と共に使われるのが基本です。

また、善処は前向きな意味で使われることもあれば、後ろ向きの意味をあえて曖昧な状態として使うこともあります。

善処の使い方によっては、それが示す意味が良くも悪くもなりますので、使う方も、また善処の言葉を受ける方もそうした言葉の意図の擦れ違いに注意しなければなりません。

自分は良い意味で受け取ったことが、実は相手は遠回しに悪い意味として善処を使っていることもあります。

その場合には互いの間で誤解が生じてしまい、何らかのトラブルを引き起こしてしまう可能性もあります。

もしビジネスシーンでそうした誤解からトラブルが起きてしまうと、クレームに繋がったり、関係が悪化したりする恐れもありますので、善処という言葉はある程度注意して使う必要があります。

意味

「善処」には、「適切に処置すること」という意味があります。

また、元は仏語で、「来世に生まれるべきよい場所」や「人界・天上・諸仏の浄土」などを意味する言葉でもあります。

仏語として使われることはほとんどありませんので、普段は前者の意味として用いられるのが一般的です。

もし会話の中で「善処」が出てきたら、それは適切に処置するという意味で受け取れば間違いはないでしょう。

善処を自分に対して使う場合には、「これから適切に処置をします」という意味になりますし、また相手に対して使えば「あなたが適切に処置をしてください」という意味になります。

それを敬語や丁寧な言葉で表現することで、ひとつの文章として用いることが出来ます。

例えば自分が善処する時には「善処します」「善処致します」と表現することが多いですし、相手に善処を求める時には「ご善処願います」「善処いただきますようお願い致します」などと表現します。

同義語


「善処」には、同義語がいくつかあります。

善処はビジネスシーンで用いられることが多いですが、その反面プライベートのシーンではあまり使われることはありません。

言葉の響きが堅苦しかったり、かしこまったり感じられるため、あまり好んで普段使いをされることはないためです。

しかし、ビジネスシーン以外でも、善処の言葉を使う機会はあります。

その際には、善処の代わりにどのような言葉が使われているのでしょうか?以下に善処の代わりとして使われることの多い言葉をご紹介していきます。

処置します

「処置」と聞くと、怪我の手当てのように医療シーンを想像する人は多いと思います。

実際に医療の場面では処置という言葉を使う機会がとても多いです。

そのため、「処置=医療用語」と思っている人も中にはいるかもしれませんね。

本来処置の意味は、「その場の状況に応じた判断をし、手立てを講じて物事に始末をつけること」という意味があります。

この他に「傷や病気の手当てをすること」という意味もありますので、後者の意味で覚えている人は医療シーンを想像することでしょう。

医療シーン以外では前者の意味として用いられています。

その場の状況に応じた判断をして、手当を講じて物事に始末をつけるということから、「善処」同様に、ビジネスシーンで用いられることが多いです。

例えば取引先の会社から急に納期の変更があった場合に、直ぐに現状を確認して、それから変更後の納期までに間に合わせることが出来るようにスケジュールを組み直して仕事に取り組むことを、「処置する」と表現します。

善処同様に、自分に対しても相手に対しても使うことが出来る言葉です。

また、処置の場合には、実際に行動することが決定したか、もしくは限りなく決定に近い形で使われるのが一般的です。

状況が未定で、どうなるか分からないような場面ではあまり使われることはないでしょう。

検討します

「検討」には、「よく調べて考えること」の意味があります。

どんな物事でも、それについて自分がよく知らないままで受け入れたり、行動したりするとその結果後悔してしまうことは多いです。

自分の選択したことで後悔しないためにも、大抵の場合は自分で予めその物事について調べます。

物事についてよく調べて、それが自分にとって良いかどうか、有益かどうかなどを考えた上で行動したのであれば、その結果例え失敗しても、また残念なことになってしまっても、そこまで後悔の感情は大きくならないでしょう。

慎重な性格の人ほどこうした事前によく調べる行動を怠りません。

検討は、そうした事前の調べや考えるといった一連の行動を指しています。

そのため、もし検討した結果が良くなかった場合には、行動するのを止めたり、拒否したりすることも少なくありません。

例えば友達からお金を貸してほしいと頼まれた場合に、その友達の金銭感覚やお金に関する価値観、使い方などをよく観察し、友達の金銭感覚が普通ではないと判断したのなら当然お金を貸す人はいないでしょう。

この検討をせずに、「友達だから」とよく考えずにお金を渡してしまえば、後になって後悔するのも損をするのも自分自身になってしまうでしょう。

検討することは自分自身のためでもあります。

また、「処置」とは違い、その後の行動が未定の場合や不確定な場合に使うことが多いため、すでに行動が決定している状態では検討を使うことはありません。

努めます

「努める」とは、「力を尽くしてあることをする」「努力する」などの意味があります。

もっと簡単に表現するなら、「頑張る」といった意味でしょう。

同じ発音で「勤める」「務める」などがありますが、どれも意味が違っており、力を尽くしてあることを頑張る際には「努める」の漢字を用います。

努めることは一生懸命に努力することですが、だからといってその結果が必ずしも良いものであるとは限りません。

例えば志望校に合格するように勉学に努めても、その結果が不合格の場合もあります。

また、仕事で取引先の会社の希望に沿うように努めても、精一杯尽力した結果希望に沿えないこともあります。

結果に確実性はないけれども、上手くいくように一生懸命に尽力する際に「努めます」と言葉を使うことがあります。

また、実際に努めたのであれば、その結果が例え良くなかったとしても、それを責める人はそう多くはないでしょう。

結果のみを重視する人からは厳しいことを言われるかもしれませんが、きちんと努力の過程も踏まえて見ている人からはその頑張りを認めてもらえやすいですし、評価もされやすいです。

努めるという言葉はビジネスシーンのみでなく、あらゆる場面で用いられます。

プライベートでもかしこまった場面や、真面目な場面では時々使われています。

対義語

「善処」とは、適切に処置をすることです。

その場の状況に合わせて、もっとも良いと判断される行動を取ることを表わす言葉ですが、この善処とは反対の意味を持つ言葉はあるのでしょうか?

明確な対義語はありませんが、善処の意味を考えると、対義語になるべき言葉の意味は適切に処置をしないことや、その場の状況に合わせた判断や行動をしないことになります。

これらを踏まえると、対義語は「なおざり」や「適当」「いい加減」などの言葉が考えられます。

なおざりは「いい加減に対処する」といった意味があり、何もせずに物事をおろそかにしたり、成り行き任せにしたりする際にはこの言葉を用いることがあります。

「善処」の使い方

「善処」の意味が分かったところで、次は使い方についてご説明していきます。

先にも少し挙げましたが、善処は良い意味として使われることもあれば、曖昧で不明確な使われ方をすることもあります。

そのため、善処は場面や相手によって上手く使い分けなければ誤解を生んでしまうこともあるため、注意が必要です。

言葉の意味自体は一緒なのに、使い方によって別の意味に変化するというのは少々ややこしいですが、何度か使っていれば自然と使い慣れていくことが出来るようになるでしょう。

また、善処という言葉自体は敬語ではないため、上司に対しても部下に対しても、また同等の立場の人に対しても問題なく使うことが出来ます。

もし目上の相手に使う場合にはそこに丁寧な言葉を付け加えれば良いでしょう。

肯定的な使い方

「善処」は肯定的な意味として使われることが多いです。

例えばビジネスシーンにおいて、上司や取引先の会社から何か求められた時に、それに対して「一生懸命に尽力します」という意味で「善処します」や「善処致します」などと返事をすることがあります。

ビジネスシーンで善処を使う場合には、ある程度それが見込める場合や可能な場合に使うのが一般的です。

そうでなく、もし否定的な意味として「善処します」という言葉を使ってしまうと、相手は「やってくれるのだな」と期待をしてしまいます。

相手が期待しているのに応えることが出来なければ、相手を失望させたり、こちらに対する信頼を失くしてしまったりしますので、相手の希望に沿うことが出来ないのに「善処します」という言葉を用いるのは止めた方が賢明でしょう。

時々「日本人の使う断り用語」として「また今度」や「善処します」などが挙げられますが、もし相手からは否定的な意味として用いられたとしても、自分が使う際には肯定的な意味として用いた方が良いでしょう。

否定的な使い方

「善処」は否定的な使い方をすることもあります。

例えばあまり親しくない人や、関わりの薄い会社の人から何か頼まれごとをされた際に、「善処します」と返すことがあります。

この場合の善処は、実際に行動に移すつもりはないけれども、とりあえずの社交辞令の返事として使われています。

また、否定的な意味で善処という言葉を用いる場合、多くはその内容について具体的な計画が立っていなかったり、日程が未定だったりします。

例えば「いつか仕事を一緒にしましょう」や「今度食事でも」など、お互いに社交辞令として誘いをかけていることも少なくはありません。

もし相手は乗り気だったとしても、こちらがまったくその気がない場合は適当に返事をして、そのまま関係が遠のいていくこともあります。

日本人は相手に対する気持ちや本心はどうであれ、それを隠して表面上は愛想よく接することが多いです。

社交辞令としての善処もそれと同様で、実際にその通りに行動する気はなくても、とりあえずの返事として善処を使うことがあります。

しかし、否定的な意味としての善処は使える場面や相手が限られています。

とくにビジネスシーンで否定的な意味で善処を用いると、後でトラブルを招く原因にもなりますので、否定的な意味として使う際には十分な注意が必要でしょう。

商談時での使い方

「善処」は、ビジネスの商談時などによく用いられています。

例えばある会社が取引先の会社に対して、いつも発注している数よりも多めに商品の発注をしたとします。

それ自体は問題なく了承しますが、発注数を増やした分も値引きをして欲しいと取引先の会社から頼まれたとします。

それに対し、頼まれた側は値引きが可能かどうかを頭で考えた上で、それが見込める可能性が高そうな場合には「善処します」と答えます。

この答えを受けた側は、「恐らくは値引きが可能になるだろう」と思います。

そしてその通りに値引きがされれば、お互いに満足の行く結果になるでしょう。

一方で、もし値引きが見込めない場合に「善処します」と答えてしまうと、相手は誤解してしまい、結果として値引きが出来ないトラブルが発生してしまいます。

そうなると取引先との関係が悪くなってしまう恐れがありますので、商談時に相手の希望に沿えない可能性が高い場合には、「それは少々難しいお話ですね・・」などと、素直に答えた方が賢明でしょう。

上司や目上の人に使う場合

「善処」は、上司や目上の人に対しても使うことがあります。

自分よりも目上の人に対して使う場合には、「善処致します」「善処します」などと丁寧な言いまわしをするのが普通です。

また、基本的には目上の人に対して善処することを求めることはしません。

善処とは状況に合わせた適切な処置をすることですので、それを目上の立場の人に求めることは失礼にあたります。

目上の立場ではなく、例えば取引先の会社が相手の場合には、「ご善処して頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。」などと丁寧に善処をお願いすることはあります。

また、こちらが求めるのではなく、目上の人が自ら善処した場合には、「この度はご善処頂きまして大変有難うございます。」とお礼の言葉として使うことがあります。

善処を使用するシーンを解説!

「善処」という言葉は、どのようシーンで用いられることが多いのでしょうか?公式な場面やかしこまった場面で使われることの多い言葉ですので、ビジネスシーンでとくに使われることが多いです。

例えば上司から、「今やっている仕事の納期を3日ほど早めて欲しい」と指示をされた場合に、それが見込めるようであれば「善処します。」と答えることがあります。

上司の指示ですので、もし納期を早めるのが難しくても、極力その指示に応えることが出来るように尽力する必要があります。

しかし、どうしても無理そうな場合には予め「可能な限り善処致します」など、実際に指示通りにできるかどうかは分からないけれども努力するといった意志を上司に伝える必要があるでしょう。

もし何も言わずにただ「善処します」とだけ答えると、上司は納期を確実に早めることが出来ると思い、それに沿って仕事の予定を立てていきます。

そのため、上司の指示通りに出来ない可能性が少しでもあるのなら、事前にそれを伝えておくと無難でしょう。

また、取引先の会社や顧客との商談の際に善処という言葉を用いることもあります。

例えば顧客や取引先の会社から要望や希望を出された場合に、出来る限り尽力するといった意味で「善処致します」と使うことがあります。

この場合にも、上司の時と同様に、相手の希望に沿える可能性が高ければ善処を使っても良いですが、無理そうならその意志を伝えておいた方が良いでしょう。

善処の基本パターン

「善処」という言葉を使う場合には、その前後に言葉をつけて使うのが普通です。

善処という言葉自体は敬語ではありませんが、かしこまった場面や丁寧な言葉遣いをする際に使うことが多いため、タメ口で話す時に使うことはあまりないでしょう。

例えば誰かに何かを頼まれた際に、「頑張るよ」や「努力するよ」と返すことはあっても、「善処するよ」と返すことはあまりありません。

もちろん使ってはいけないということではありませんが、やはり言葉の響きから、「善処します」や「善処致します」などと丁寧な言葉遣いと共に使った方が良いでしょう。

では、どのような言葉遣いとして善処を使うことが多いのでしょうか?基本パターンを以下にまとめましたので、どのように善処の言葉を使えば良いのかよく分からないという人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

善処する

「善処」という言葉を使う際に、最も多く用いられるのが「善処する」という言い方です。

とはいえ、先にもご紹介したように、善処は基本的に丁寧な言葉遣いで表現することが多いため、正しくは「善処します」という言い方をします。

例えば誰かに何かを求められた際や、要望を受けた際に「善処します」や「善処致します」と使うことが多いです。

相手が自分と同等の相手の場合には「善処します」と返しますし、相手が自分よりも目上の立場の場合には、「善処致します」や「善処させて頂きます」のように、より丁寧な言い回しをします。

使い方はこれまでにもご紹介したように、相手の要望に応えられる見込みがある時に使うことが多く、否定的な意味としてはあまり用いません。

ただし社交辞令のような場合には使うこともあります。

「善処する」という言葉は、自らの意志でもって、状況に応じて適切な処置をするということですので、自分自身のこれからの行動に対して言葉を用いています。

例えば上司に急な仕事を本日中に頼まれた場合には、頭の中で即座に仕事のスケジュールを確認しながら、何とかなりそうなら「はい、善処致します」と返すことが多いです。

これは「分かりました」をより丁寧に表現した言葉でもあります。

善処を求める

相手に対して善処してもらう場合に、「善処を求める」という使い方をすることがあります。

例えば上司が部下に対して、「今回のプロジェクトでは善処を求めたい」や「善処してもらいたい」といった表現をすることがあります。

自分自身で善処を使うのならばともかく、相手に対して善処を求める場合は、その相手との関係が、自分優位であることが前提とされます。

もしも自分よりも目上の人に対して善処を求めようものなら、大変な失礼になってしまうので絶対に目上の人には善処を求めないようにしなければなりません。

一方で、目上の人から目下の人に対しては、場合によっては善処を求めることがあります。

それは簡単に表現するなら上司から部下へ「頑張れ」「努力しろ」と尽力を求めていることになりますので、それを受けた目下の人は出来る限りそれに応えられるように努力をしなければなりません。

また、例えば大手企業と取引関係にある下請け会社の場合には、大手企業の方が立場は上になりますので、下請け会社に対して「善処を求めたい」と強気な表現をすることが可能です。

善処していただきたい

目上の立場の人から目下の人に対して善処を求める場合に、「善処していただきたい」といった表現をすることがあります。

もちろんそのまま相手に伝えるとあまりにも上から目線になってしまいますので、言葉にする際には「○○さんにはぜひとも善処してもらいたいと希望しております。」などと丁寧な言い回しをするのが一般的です。

意味は同じく強気に相手に対して善処を求めていますが、言い方を丁寧にするだけでも多少穏やかに表現することが出来ます。

とはいえ、「善処していただきたい」と言われた側にとっては、「それだけ良い結果を出してもらいたい」と暗に求められているため、その内容によっては困ってしまうこともあるでしょう。

善処して頂きたく要望する

同じく目上の人から目下の人へと善処を求める場合に、「善処して頂きたく要望する」という使い方をすることがあります。

よりかしこまった丁寧な表現ですが、そのかしこまった表現ゆえに相手にとってはプレッシャーに感じられることもあるかもしれません。

また、直接相手にそのような言い方をすることは少なく、基本的には「○○さんにおかれましては、ぜひとも善処して頂きたくご要望致します。」などと丁寧な言い回しをすることが多いです。

このように丁寧な言い回しは、ビジネスシーンのようにかしこまった場面でのみ用いられます、

善処を使った例文

ここからは、「善処」を使った例文についてご紹介していきます。

主にビジネスシーンで使うことが多いため、例文もビジネスシーンにおけるものをいくつかまとめました。

実際に自分が使う機会もあるでしょうから、自分が使っているのを想定しながら見ていくと良いでしょう。

例文1:「ご期待に沿えますよう善処させて頂きます。」

この例文は、取引先の会社や上司から仕事に関して何か要望があった場合の返答です。

丁寧な受け答えをしているだけでなく、相手側の要望に応えられる可能性が高い場合にこうした使い方をすることがあるため、言葉を受けた相手はこちらが自分の要望に応えてくれると考えています。

また、例えば仕事の企画を複数人の前でプレゼンをした際に、上司から「もう少し予算を抑えて欲しい」や「代替案を近日中に出して欲しい」といった指示があった場合などにも、受け答えとしてこうした使い方をすることがあります。

例文2:「本件につきましては、しかるべきご善処をお願い申し上げます。」

この例文は、取引先の会社に対して善処を求める場合に使うことがあります。

取引先の会社と同等の関係にあり、相手にもう少し融通を利かせて欲しい場合にやんわりとそれをお願いする必要があります。

相手に対して角が立たずに、その上でお願い事をする場合にはこのように丁寧な言い方をするのが理想的でしょう。

相手がそれに応えてくれるのであればこちらの要望に沿ってくれるでしょうし、もし要望通りにいかないのであれば、早い段階で「残念ながら・・・」と断りの言葉をもらえるでしょう。

例文3:「善処致しますので、今しばらくお待ち頂けますと幸いです。」

この例文は、そう遠くない内に相手の要望に応えることが可能な場合に用いられる言い方です。

「今しばらく」という表現は具体的な時間を示してはいませんが、「近いうちに」や「そう遠くない内に」といった比較的近い未来を表わす言い方です。

そのような近い未来を示す場合には、相手の要望に応えられることが前提となっていますので、確実に大丈夫であろうことに対してそのように返答をすることがあります。

また、もし善処しなければならない状況が、相手のクレームによって起きている場合にも、このような言い方をすると比較的相手の気持ちを落ち着けることが出来ます。

焦っている人や怒っている人に「善処します」というと、「そんな曖昧な言い方をせずにハッキリ言ってほしい」と言われることもありますが、そこに「今しばらく」と付け足すことで場合によって相手の溜飲を下げることも出来ます。

「善処」は使い方を間違えないように注意すること!

「善処」は、その場の状況に応じて必要な処置をするという意味です。

ビジネスシーンで使われることが多いですが、それ以外でも挨拶や社交辞令としても用いることがあります。

善処には肯定的な使い方と否定的な使い方がありますが、自分が使う場合には出来るだけ肯定的な使い方をすると良いでしょう。

下手に否定的な使い方をしてしまうと、それが原因で相手に誤解を与えてしまいトラブルを引き起こすことになってしまうかもしれません。

もし否定的な意味として善処を用いるのであれば、社交辞令や挨拶代わりとしてのみ使うようにしましょう。

また、相手が自分に対して否定的な意味で「善処します」と言うこともありますので、直ぐに真に受けてしまうのではなく、状況に応じてその意味を判断するようにしましょう。

さらに、善処は敬語ではありませんが、丁寧な言葉遣いと共に使われることが多く、目上や同等、目下などどの立場の人に対しても使うことが出来ます。

ただし同等の相手や目下の相手に使うことはあっても、自分よりも目上の相手に対して善処を求めることはしないように注意が必要です。

善処は社会人が多く使う言葉でもありますので、常にその意味や用法を意識して使うようにしましょう。