善処して頂きたく要望する
同じく目上の人から目下の人へと善処を求める場合に、「善処して頂きたく要望する」という使い方をすることがあります。
よりかしこまった丁寧な表現ですが、そのかしこまった表現ゆえに相手にとってはプレッシャーに感じられることもあるかもしれません。
また、直接相手にそのような言い方をすることは少なく、基本的には「○○さんにおかれましては、ぜひとも善処して頂きたくご要望致します。」などと丁寧な言い回しをすることが多いです。
このように丁寧な言い回しは、ビジネスシーンのようにかしこまった場面でのみ用いられます、
善処を使った例文
ここからは、「善処」を使った例文についてご紹介していきます。
主にビジネスシーンで使うことが多いため、例文もビジネスシーンにおけるものをいくつかまとめました。
実際に自分が使う機会もあるでしょうから、自分が使っているのを想定しながら見ていくと良いでしょう。
例文1:「ご期待に沿えますよう善処させて頂きます。」
この例文は、取引先の会社や上司から仕事に関して何か要望があった場合の返答です。
丁寧な受け答えをしているだけでなく、相手側の要望に応えられる可能性が高い場合にこうした使い方をすることがあるため、言葉を受けた相手はこちらが自分の要望に応えてくれると考えています。
また、例えば仕事の企画を複数人の前でプレゼンをした際に、上司から「もう少し予算を抑えて欲しい」や「代替案を近日中に出して欲しい」といった指示があった場合などにも、受け答えとしてこうした使い方をすることがあります。
例文2:「本件につきましては、しかるべきご善処をお願い申し上げます。」
この例文は、取引先の会社に対して善処を求める場合に使うことがあります。
取引先の会社と同等の関係にあり、相手にもう少し融通を利かせて欲しい場合にやんわりとそれをお願いする必要があります。
相手に対して角が立たずに、その上でお願い事をする場合にはこのように丁寧な言い方をするのが理想的でしょう。
相手がそれに応えてくれるのであればこちらの要望に沿ってくれるでしょうし、もし要望通りにいかないのであれば、早い段階で「残念ながら・・・」と断りの言葉をもらえるでしょう。
例文3:「善処致しますので、今しばらくお待ち頂けますと幸いです。」
この例文は、そう遠くない内に相手の要望に応えることが可能な場合に用いられる言い方です。
「今しばらく」という表現は具体的な時間を示してはいませんが、「近いうちに」や「そう遠くない内に」といった比較的近い未来を表わす言い方です。
そのような近い未来を示す場合には、相手の要望に応えられることが前提となっていますので、確実に大丈夫であろうことに対してそのように返答をすることがあります。
また、もし善処しなければならない状況が、相手のクレームによって起きている場合にも、このような言い方をすると比較的相手の気持ちを落ち着けることが出来ます。
焦っている人や怒っている人に「善処します」というと、「そんな曖昧な言い方をせずにハッキリ言ってほしい」と言われることもありますが、そこに「今しばらく」と付け足すことで場合によって相手の溜飲を下げることも出来ます。
「善処」は使い方を間違えないように注意すること!
「善処」は、その場の状況に応じて必要な処置をするという意味です。
ビジネスシーンで使われることが多いですが、それ以外でも挨拶や社交辞令としても用いることがあります。
善処には肯定的な使い方と否定的な使い方がありますが、自分が使う場合には出来るだけ肯定的な使い方をすると良いでしょう。
下手に否定的な使い方をしてしまうと、それが原因で相手に誤解を与えてしまいトラブルを引き起こすことになってしまうかもしれません。
もし否定的な意味として善処を用いるのであれば、社交辞令や挨拶代わりとしてのみ使うようにしましょう。
また、相手が自分に対して否定的な意味で「善処します」と言うこともありますので、直ぐに真に受けてしまうのではなく、状況に応じてその意味を判断するようにしましょう。
さらに、善処は敬語ではありませんが、丁寧な言葉遣いと共に使われることが多く、目上や同等、目下などどの立場の人に対しても使うことが出来ます。
ただし同等の相手や目下の相手に使うことはあっても、自分よりも目上の相手に対して善処を求めることはしないように注意が必要です。
善処は社会人が多く使う言葉でもありますので、常にその意味や用法を意識して使うようにしましょう。