お互いの表情がはっきりわかりますし、手を伸ばすと互いに触れる距離です。
触っても触られても問題のない関係性です。
仲良しの友達とはこれくらいの距離でいることが普通ではないでしょうか。
恋人同士や家族の間などの、ごくごく親しい関係になると、常に手で触れられる距離、身体がくっついてもかまわない距離ということで、45センチメートル以下になります。
これは、密接距離と分類されています。
このパーソナル・スペースは非常に重要で、自分のスペースを侵されると人は不快感を覚えます。
たとえば満員電車などでは、本来であれば公共距離を取りたい相手と密接距離を取らざるをえない状況になり、我慢しているのでストレスがどんどんたまってしまうというわけなのです。
好きな相手とは近づきたいですし、知り合いでも嫌いな相手とはできるだけ距離を取りたくなるのが人情というもの。
これは逆に言えば、相手が自分とどれくらいの距離を取るかで、自分に対してどのような印象を持っているかがある程度読み取れるわけです。
仲が悪い、相手が嫌いというわけではなくても、知り合ったばかりの人とは自然と距離が開きがちになります。
親しくなると、意識していなくても自然と距離が近付いていきます。
親近感を抱かれやすい人というのは、この距離感のとり方も上手です。
不必要に近付いて相手に不快感を与えるのではなく、人懐っこく距離をつめてくるので、相手も嬉しい気持ちになります。
もっと親しくなりたいという意識の表れでもありますし、好感を持っている相手にそうされたら、こちらも嬉しくなって親しくなりたいと考えることでしょう。
たとえばカフェに入って、四角いテーブルに4つの椅子が並んでいる席に案内されたときに、ふたりきりの場合はテーブルを挟んで向かい側に、対面で座るというケースが多いかも知れません。
距離をつめたいときは、向かい側ではなくて角をはさんで斜め前に座ると実際の距離も縮まり、心理的な距離感も短くなって親近感を覚えてもらいやすくなるのです。
7、自分をとりつくろうことがない
自分をとりつくろおうとする人とは、コミュニケーションがとりづらくなるものです。
会話をしていても、何を言いたいのかわからない、本当はどう思っているのか伝わらないという状況になりやすく、会話が楽しめなくなりがちなのです。
自分を守りたくて、本当に思っていることを口に出さずに隠そうとするので、さっきと言っていることが違う、なんていうこともしばしば。
話が矛盾し、それを指摘するとまた自己防衛に走って嘘をついてとりつくろってしまい、ひどいときには「なんでそんなこと言うのよ!」と相手に自分がいじめられているかのような感情になってしまうことも。
自分をとりつくろおうとしない人は、概して素直な人です。
自分の気持ちを素直に話しますし、なにか指摘されても「確かにそうだね」と言えてしまうのです。
なにかをごまかそうとしたり、背伸びをして無理をしたりということがなく、等身大で接してくれるので、こちらも話しやすいです。
話しやすいということは親近感もわきやすいということになります。
8、共通の話題をうまく引き出す
親近感を抱かれやすい人は、話し上手という面もあります。
共通の話題があれば打ち解けやすい、親近感をいだきやすいというお話をさきほどご説明しましたが、そうした状況を自分で作ってしまうことも上手なのです。
共通の話題であるある話や同調、共感を得て、距離感をつめることができます。
人の話を熱心に聞き、この人と話すと楽しいなと思わせることができ、さらに自分の話もできます。
聞くばかりではなく自分のこともきちんと話すことができるのですね。
話し終えた後黙ってしまうのではなく、「あなたも、こういうことがありますか?」「こういうときはどうしていますか?」「あなたはどう思いますか?」という感じでまた相手に話を振って会話のキャッチボールができます。
次は何を話そうか、と相手が悩まなくても、会話が続いていけば、話しやすい、話していて楽しいという印象になりますよね。
相手を褒めて、相手に花を持たせる質問をして会話を引き出すということもします。
「お辞儀の仕方がとてもきれいですが、なにか習い事をされていたのですか?」のような感じです。
そして会話の流れを踏まえて、相手の価値観を聞き出し、自分との共通点を探します。
「わたしもそう思います」「わたしもそれが好きです」。
お互いに相手のことに関心を示して、親しみがわきます。
9、声が柔らかく優しいトーン
会話をする上で大切なのが、声です。