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いけしゃあしゃあとはどういう意味?...(続き2)

癪に触るほど平然としている様子


「癇に触る」とは、「気に入らないで腹立たしく思うさま」という意味です。

よく「あいつは癇に触る」などと使うことがありますが、要するに「見ていると腹が立つ」「言動」にイラついて仕方がない」といった意味で使われています。

「癇に触る」という言葉を使う人は、相手に少しの可愛らしさも感じておらず、純粋に敵意や悪意、苛立ちなどの感情を持っていますので、誰かに「癇に触る」と言われたら、それは本心から「あなたは腹の立つ人だ」と言われていることになるでしょう。

そして「いけしゃあしゃあ」とは、「癇に触るほど平然としている様子」という意味もありますので、「見ていると苛立たしくなるほどに平然としている様子」となります。

例えば車を運転している時に、強引に横から入ってきてお礼のハザードもたかない車や、並んでいる列に横入りしてきて平気でいる人のように、非常識な行動を平気で行う人に対して、このような感情を抱くことがあるでしょう。

私たちにはそれぞれ、頭の中に自分の常識を持っています。

それは世間一般で言われている常識もあれば、自分の性格から考え出された独自の常識もあります。

例えばある人にとっては、「電車の席は身障者や年配者に譲るものだから、例え空いていても優先席には座らない」というのが常識でも、別のある人にとっては「空いている時なら優先席に座ってもいい」というのが常識の場合もあります。

この個人が思う常識を他人に対して押し付けてしまうような人は、それに相応しくない行動をとる人に対して何かと癇に触り、「いけしゃあしゃあ」に思えてしまうかもしれません。

いけしゃあしゃあの語源


「いけしゃあしゃあ」には、語源があります。

元々「いけしゃあしゃあ」という言葉があったわけではなく、ある2つの言葉が組み合わさって「いけしゃあしゃあ」になっています。

その2つの言葉とは、「いけ」と「しゃあしゃあ」です。

「いけしゃあしゃあ」の成り立ちについて、詳しくご紹介していきます。

いけの意味


「いけ」は、その言葉だけで使うことはありません。

「いけ」は接頭語であるため、他の言葉の頭にくっ付けて使う形になっています。

「いけ」という言葉には、一緒にくっ付けて使う言葉を強調する意味合いがありますので、何かの言葉を強調したい時には、言葉の前に「いけ」を付ければ良いでしょう。

とはいえ、どんな言葉に付けても良いというわけではありません。

例えば「いけ好かない」や「いけしつこい」のように、普段からそれが1つの言葉として私たちに認識されているようなものであれば使うことがありますが、私たちが普段聞き慣れないような言葉や、使っていて違和感を覚えるような言葉であれば、それは「いけ+◯◯」のように成立した言葉ではありませんので、使うことは出来ないでしょう。

分かりやすく言えば、「いけ」をつけて使っていいのは「いけしゃあしゃあ」「いけ好かない」「いけしつこい」などで、それ以外の言葉には普通は付けることはしません。

また、「いけ◯◯」という言葉は悪い意味を示す際に使われるのが一般的ですので、例えば「素晴らしい」「感動する」などのように良い意味を表わす言葉に「いけ」を付けることもしません。

卑しめるという意味を持たせる


「いけ」は「卑しめる」という意味を持たせます。

「卑しめる」はそもそも「下品な、取るに足りないものとして見下げる」「軽蔑する・蔑む」などの意味がありますので、相手に対して本心から嫌だと思う気持ちや、卑しめる意図がある場合に「いけ」を付けた言葉を使います。

つまりはそれだけ相手の事を軽蔑していたり、見下していたりするということでもありますので、心底相手を嫌だと思う気持ちがある人でなければ簡単には使う言葉ではないでしょう。

「いけ好かない」という言葉も、「好かない」だけで使われることはあまりなく、大抵は「あの人はいけ好かない」などと接頭語が付いた状態で使われます。

「いけ好かない」とは、相手のことを心底気に入らない、嫌いだという気持ちの表れですので、性格的に自分とどうしても合わない相手や、言動がいちいち自分の癇に触って仕方がないような相手に対して用いられることが多いでしょう。

しゃあしゃあの意味


「いけしゃあしゃあ」の「いけ」が接頭語で、相手を卑しめる意味を持たせるのであれば、「しゃあしゃあ」にはどのような意味があるのでしょうか?

「しゃあしゃあ」は、言葉の響きからも分かるように、昔からの標準語というわけではありません。

また、「いけ」という接頭語は関東方面の方言だとされていますので、「しゃあしゃあ」も同じく関東方面の方言であり、江戸時代頃から使われ始めたとする説があります。

「しゃあしゃあ」には「図々しい」「厚かましい」などの意味があるとされています。

しゃあしゃあは俗語


「しゃあしゃあ」は、江戸時代に庶民の間で生まれた言葉であるため、標準語ではなく俗語の種類になります。

江戸時代の庶民たちが、日常会話の中で育んできた言葉であるため、いかにも標準語とは思えない言葉の響きや、少々乱暴な感情の込められた言葉になっています。

現代では「いけしゃあしゃあ」という言葉は公式の辞書にもきちんとその意味が載っていますが、元が俗語であることや、関東方面の方言であったことからも、「いけしゃあしゃあ」という言葉自体を知らないという人がいても、おかしな話ではないのでしょう。

「いけしゃあしゃあ」のように、元は標準語として存在しない言葉でも、庶民の間で育まれるようになった俗語が後に公式の辞書に登録されることは珍しいことではありません。

図々しい


「しゃあしゃあ」には、「図々しい」という意味が込められています。